一方で、Macworldの主催者や出展サードパーティの多くは「Apple Storeに並ばないサードパーティ製品も数多くある」(IDGのPaul Kent氏)、「これだけ多くのアップル関係会社が1カ所に集まっていることこそが重要。ここではたまたま会場内を歩いて見つけたほかの会社とコラボが始まることもめずらしくない」(ビデオ編集ソフト開発社)、「大きな会社はいいが、まだ駆け出しの小さな会社が、世界中のジャーナリストの取材を受けられる、というだけでもMacworldには価値がある」(Webサービスの会社)といった意見も聞こえる。
こうして今年もMacworld Expoが開催されることになった。競合するInternational CESが開催される1月と1カ月予定をずらした2月の開催だ。会場はMoscone CenterのNorth、South、Westと3つある巨大ホール中のNorthだけ。ただし、ここは1985年にMacworld Expoが始まった場所でもある(その後、増加する出展社が1会場では収まりきらなくなり、どんどん規模を拡大していった)。1985年と86年の初期のMacworld Expoでも、アップルは参加はするものの、それほど表には出てこなかったと言われている。そういう意味では、今年のMacworld Expoは原点回帰のイベントと言える。
会場で配られているカタログには200社近い名前が刻まれている。小さな会社がほとんどだが、中にはマイクロソフト、キヤノン、シスコ、富士通、IBM、モトローラ、ゼロックスといった大企業の出展もある。ギブソンギターやシュアー、New York Timesといった変わり種の出展者もある。
展示フロアの開催に先立って、WWDC(Worldwide Developers Conference)の会場として知られるMoscone Westでは多数のカンファレンスも開催されている。Macをビジネスでどう活用するかなど興味深い内容のものが多いが、アップルの基調講演に代わる目玉のカンファレンスとしては、New York Timesの記者で熱烈なアップル好きとして知られるデビッド・ポーグ氏による「Late Night with David Pogue」がオープニングイベントとして行われる(米国時間の木曜日朝)、それに続いて今回のイベントの最優秀製品を発表する「Best of Show」が、さらに金曜日には初代Macチームでエバンジェリストとして活躍したガイ・カワサキ氏の講演も行われる。そして最終日の土曜日の午後1時にはMac界の著名人を招いてiPadについて話し合うイベントが行われる。
アップル不参加のMacworld Expo/SAN FRANCISCOは盛況に終わるのか、あるいは今年が最後になるのか。すべては木曜(米国時間)の開催と同時に明らかになるのかもしれない(機材協力:Nikonnext.com)。
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