インタビュー
» 2009年03月02日 14時53分 公開

Mobile World Congress 2009:日本の技術を世界に――バリューとブランドで勝負する英Sony Ericsson (2/2)

[末岡洋子,ITmedia]
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photo Mobile World Congress 2009のSony Ericssonブース

―― カメラ、音楽、GPSときて、次の機能強化はどこになるのでしょう?

ウォーカー氏 ゲームに注目が集まっています。われわれは、モーションセンサーを使った携帯電話向けゲームアプリを支援する考えです。また、無線LANやDLNA(Digital Living Network Alliance)を通じたホームコネクティビティも重要でしょう。端末内のコンテンツをいかに共有するかという点です。またメッセージングでも、QWERTYキーボードの利用など、使いやすさについて改善の余地があると思います。

 どんな機能を強化するにしても、フォーカスすべきなのはコミュニケーションとエンターテイメントをどうやって一緒にするか、とういう点です。2つのアプリケーションを別々に提供するのではなく、1つにしていく。例えば、携帯電話で写真を撮ったあと、どうやって家族や仲間と共有するのか。SNSやブログにアップロードすることもありますし、ほかのメディアを利用することもあります。

 現在われわれが提案しているものの1例として、音楽を聴いたあとにその楽曲の情報を調べたり、同じアーティストの楽曲を購入したりできる「TrackID」があります。TrackIDへのリクエストはリアルタイムでチャートに反映されますので、世界中のユーザーが何を聴いているのかわかります。

 ちょっとした機能ですが、エンターテイメントとコミュニケーションを一緒にするという、われわれの方向性を分かっていただけると思います。

―― ゲームといえば、グループ企業のソニー(ソニー・コンピュータエンタテインメント、SCE)がPS3やPS2、PSPを展開しています。ソニーと協業する予定はありますか?

ウォーカー氏 われわれはソニーとの話をしていますが、現段階でお知らせできることはありません。話は継続して続けていきます。

photophoto 映画コンテンツが加わる「PlayNow arena」。価格や提供市場はまだ未定という(写真=左)。端末を接続してコンテンツを転送するPlayNowのダウンロードステーション(写真=右)

―― サービスでの戦略は?

ウォーカー氏 「PlayNow」というサービスを5年前から提供しています。利用できるメニューは着メロ、音楽、ゲームと拡充してきました。今回もMWC前夜に、映画コンテンツを加えることを発表しました。2009年夏前に開始する計画です。

 PlayNowはさまざまな方法で実装できるプラットフォームで、通信事業者はこれをカスタマイズしてサービスを提供できます。われわれの戦略はコラボレーションを通じて行なうもので、事業者と競合する意図はありません。

―― PlayNowでアプリケーションマーケットを提供する予定はありますか?

ウォーカー氏 最初にSymbian/UIQを提供したときから、アプリケーションダウンロードサービスを提供しています。これは自然の流れで、アプリケーションストアは重要なコンポーネントです。すでに800種以上のSymbianアプリケーションがあり、ゲームやビジネス向けのソフトも含まれます。

―― 第4四半期の市場シェアが4位に下がりました。

ウォーカー氏 SonyEricssonには強いブランドがあり、ユーザー、通信事業者、顧客から強い支持を受けています。われわれは製品ラインアップの価値に自信を持っています。 現在、フォーカスはボリュームシェアではなく、バリューシェアにあります。単にボリュームをとってシェアを上げるよりも、収益性があって持続可能な事業体であることを最優先させています。その結果、開発する製品も絞ることになりますので、機種数はこれまでより減ると思います。

―― 日本市場では現在、auにのみ端末を供給しています。NTTドコモなどに供給する計画は?

ウォーカー氏 現在、日本でのビジネスオペレーションはKDDI(au)にフォーカスしています。その結果、NTTドコモ向けに端末を提供していません。この理由はほかの市場と同じく、われわれの長所を生かせ、収益性が期待できる市場にフォーカスする――という戦略に基づくものです。

「大変な時期に就任した」――Sony Ericsson小宮山社長

photo Sony Ericsson社長の小宮山英樹氏(写真=右)と、日本法人のソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の木戸良朗氏(写真=左)

 MWC前夜にSony Ericssonの小宮山英樹社長にお話を聞く機会があった。小宮山氏は、前任のマイルス・フリント氏辞任にともない2007年11月に社長に就任。それから約1年半が経過するが、「大変な時期に就任した」と笑う。

 このところの厳しい経済環境にあって、小宮山氏は「消費者をいかにエキサイトさせるかが重要」と戦略を説明する。Sony Ericssonの強みはグローバル性にあり「日本の携帯電話は非常に優れているが、それが世界に出てこない」と小宮山氏は指摘する。

 しかし、EricssonとSonyというグローバル企業のDNAを引き継ぐSony Ericssonは優位。同社は現在、日本の最先端の技術を世界モデルに反映させるため、日本の開発チームの半分以上のリソースを世界戦略モデルに転向させているという。

 W995、Idouともに、日本のソニー・エリクソンの技術力がかなり注がれているのだそうだ。

 「日本は不幸なガラパゴス」と小宮山氏はいう。「だがわれわれは“出島”がある」と述べ、日本の“ケータイ”開発技術を積極的に世界展開する意向を見せた。

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