2010年秋から続々とAndroid系スマートフォンが登場しているが、日本の端末メーカーが本格的に製品を投入し始めるのは2011年からといわれている。そんな中で一足先にラインアップをそろえてきたのがシャープ。NTTドコモの「LYNX 3D SH-03C」、auの「IS03」、ソフトバンクの「GALAPAGOS 003SH」と3キャリアに提供している唯一の日本のメーカーだ。
今回、その3モデルが同時に届いたので例によってカメラ機能のチェックである。でもカメラ部のスペックは全部同じ。960万画素のCCDセンサーを搭載。レンズも29ミリ相当の広角で明るさもF2.8。ハードウエア的には同じユニットを使ってると思ってよさそうだ。その中で違いはどこにあるのか。実際に使いながら見ていこう。
カメラの起動はどれも同じ。側面に用意されたカメラキーを長押ししてもいいし、ホーム画面からアイコンをタップしてもいい。まあ特筆すべきことはない。撮影は側面のカメラキー(半押しAF付)か、画面上のシャッターアイコンをタップして行う。側面のカメラキーを使った方が手ブレしにくい感じだが、つい画面のボタンをタップしそう。
iPhoneと同様、指を離したときに撮影される……が、3モデルとも撮影ボタンを長押しすると自動的に「セルフタイマー」になる。ちょっとした罠。アイデアは面白いけど、撮影ボタンに指を当ててシャッターチャンスを見計らってると……セルフタイマーになっちゃって思い切り逃しました、ということがありそうだ。
カメラ機能のUI(ユーザーインタフェース)はドコモのSH-03CとauのIS03が同じ。ソフトバンクの003SHだけが違う。なぜ違うのか。「写真で解説する『IS05』」を見ると分かる。これから登場するIS05では003SHと同じ「TapFlow UI」が採用されているわけで、003SHは他の2モデルに比べて「1つ新しいバージョン」となる。OSもAndroid 2.2だし。
SH-03CやIS03のカメラ機能のUIと、003SHのTapFlow UIを比べると……こう言ってはなんだが、TapFlow UIの方が圧倒的に優れている。SH-03CやIS03がダメというわけじゃなくて、非常に一般的なUIなのだが、OS側の問題なのか実装の問題なのか、意図した通りに操作できないことがままあった。メニューをスクロールさせたいのに、タップと判断されるとか。これはちょっとストレスがたまる。
それ以外はオーソドックスで、左右のスクロールで変更したいメニューを選び、上下のスクロールで項目を選ぶという具合。シーンモードも画像サイズも豊富だが、シーンモードは「シーン自動認識オート」を使えば、たいていは事足りるだろう。だが、ケータイのカメラ機能がベースになっているせいか、いささか操作が煩雑だ。もうちょっとシンプルにまとめたいところ。本体を縦にしても表示が横位置用のままなのも「何だか……」と思ってしまう。
その点、003SHが採用するTapFlow UIはシンプルでよい。図のように関連のあるアイコンがくっついて並んでいてそれをタップして操作するのだが、ベーシックなもの(ギャラリーを再生する、カメラモードを変更するなど)以外はよく使うものは直近に使った機能のアイコンだけが表示され、使えば使うほどそれは大きくなり、その機能のサブメニュー(シーン設定で「人物」を使ったら、「人物設定」機能)がアイコンでくっつく。だから、よく使う機能ほどオン/オフが簡単になるわけだ。
これは日本語入力の学習機能や推測変換をビジュアル化したような感じ。この手法だとよく使う数個の機能だけが表に出るのだけど、カメラは使っているうちによく使う機能なんて決まってくるものだし、数が少ないからこそ見つけやすい。TapFlow UIに表れない機能は別途「AllMenu」からちゃんと選べばいい。これはビジュアル的にも実用的にもよいアイデアだと思う。
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