ソフトバンクモバイルは4月14日、東日本大震災によって障害が発生していた同社携帯電話サービスのカバーエリアについて、震災前とほぼ同等の状態に回復したと発表した。なお、福島原発付近や、被害が甚大で立ち入りが制限されているエリアは除くという。
今後は、5月末をめどに停波している基地局を復旧させるほか、避難所などに暫定設置している設備を交換することで、震災前と同等のエリアと通話品質を提供できるよう恒久対策を進めるとしている。また、震災で一時的に中断した東北地方における基地局増強の建設工事は、6月以降に順次再開する。
ソフトバンクBBおよびソフトバンクテレコムが提供する固定電話サービスやADSLは、約95%以上まで回復した。同社の東北基幹ルートは震災の被害を受けなかったが、アクセス系設備の被災や停電により、サービスが提供できなくなっていた。一部の地域を除いて設備の復旧や他ルートへの迂回を実施し、現在は回復しているという。固定通信の完全復旧については、見通しが分かり次第、時期を発表するとしている。
ソフトバンクグループは、震災発生当日に東京から応援隊を組織し、復旧対応メンバーを全国から招集。救援物資を携え、順次現地に派遣した。本日までの緊急対応では、のべ789人が被災地入りした。
地震で伝送路の切断と基地局など設備の電源が喪失したことから、復旧活動は発電機と衛星回線を利用し、避難所を中心に展開。衛星回線を使って復旧した基地局は244局、移動基地局車は10台出動し現在も7台が稼働中で、移動電源車は15台出動して現在も4台が稼働している。
避難所では、衛星回線とフェムトセルを組み合わせた臨時基地局をのべ129カ所開設し、グループから公募したのべ1229名のボランティア社員と技術チームが現地でのサポートにあたった。
また、被災地支援用に約17000台の携帯電話を準備。現在は、約6000台の携帯電話と約5000台の充電器が被災地で利用されているという。そのほか、臨時基地局や移動基地局車の設置場所では、他社端末を含む携帯電話の充電サービスを提供している。
加えて、被災地のユーザーへの請求金額を3月から5月までの3カ月分全額を無償とするほか、利用料金の支払免除・延期などの支援措置を行っている。
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