伝統を守りながら、スマートフォンとして新しいステージに――「G'zOne IS11CA」開発陣に聞く「G'zOne IS11CA」(2/2 ページ)

» 2011年07月15日 21時08分 公開
[青山祐介,ITmedia]
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G'zOneの世界観をAndroidで表現

photo NECカシオモバイルコミュニケーションズ ソフトウェア商品開発本部 第二仕様開発グループ 主任 後藤悦宏氏

 IS11CAは、このようにハード面でCOMMANDOからさらに進化したものに仕上げられているが、ソフト面でも日本市場に合わせたチューンが施されている。「ソフト面では最新のAndroid 2.3ということもあって、なかなか苦労しました。日本のユーザーの方に向けて3つのことにこだわりました。1つはG'zOneの世界観をどうやって出すか。2つ目は文字入力で困らないようにATOKを搭載したこと。そしてこれまでフィーチャーフォンを使っているユーザーが困らないように、LISMOやEメール、Cメールといった最低限の機能は必ず載せることです」と話すのは、ソフトの開発担当である、NECカシオモバイルコミュニケーションズ ソフトウェア商品開発本部 第二仕様開発グループ 主任の後藤悦宏氏。

 G'zOneの世界観の体感できるアプリとして「G'zGEAR」も忘れてはいけない。G'zGEARは「G'zOne W62CA」以降のモデルに搭載されている“地球を感じる”アプリで、方位や温度、高度を測定でき、日時によって変化する潮位や太陽・月の動きなどが分かるもの。このG'zGEARも、スマートフォンならではの大画面に対応させるために大きく進化している。

 「まず、タッチに対応させるのに苦労しました。コンセプトは同じなのですが、Google マップが使えるようになったので、その連携はもちろん、TwitterやFacebookといったSNSやメールとのシェア機能など、地図があることでG'zGEARの世界観にさらに広がりを持たせられました」(後藤氏)。さらに、G'zGEARのウィジェットをホーム画面に貼り付けることもできる。G'zOne TYPE-X以前の機種ではメニュー画面からG'zGEARを立ち上げる必要があったが、常に目に触れるホーム画面にウィジェットがあることで、いつでも“地球を感じる”ことができるようになったわけだ。

 IS11CAでは「アクティブスロット」が使えるのも特徴の1つ。ホーム画面やランチャー画面とは別に、本体左側面のハードキーを操作することでロックを解除することなく専用画面が現れ、5つのアプリのショートカットを選べる。「アクティブスロットはGUIのメンバーがこだわりました。アプリを選ぶという意味ではAndroidの機能というより、アクティブに遊ぶためのツールとしてハードキーを付けました。ロック画面を解除しなくてもキーを握るだけで、好きなアプリをすぐに立ち上げられるので、好きなアプリを入れて活用してほしいと思っています」と後藤氏は話す。

 アクティブスロットの画面はクルマのシフトゲートをイメージしたデザインで、十字方向にフリックして操作する。人差し指でスマートにフリックするAndroidの画面操作とは趣が異なっている。この点について杉岡氏は「スマートフォンはデリケートに使うイメージが強いと思います。しかし、IS11CAはG'zOneなのだから、人差し指でフリックするのではなく、シフトゲートをガンガン倒し込むように、親指で動かすようなサイズ感のボタンにしてあります。G'zOneだからこその、ざっくりと大雑把に使えるポリシーをUIでも表現しました」と語る。

photophoto 側面の[Active]キーを押すと、ショートカットとして使えるアクティブスロットが起動する

 こうした“遊びゴコロ”は、ロック解除の操作1つにも表れている。細かいところだが、ロックを解除するスライドアイコンは、削り出しのツマミを操作するようなアニメーションで、メカニカルな動きを表現している。「このアニメにはUIチームが非常にこだわりました。やはりG'zOne初のAndroidということもあり、情緒価値的なところをとても重視しています」(杉岡氏)。また今回はG'zOneのアイデンティティである「サークルディスプレイ」を、ロック画面上で動くコンパスのデザインの中に表現。ロックを解除する前に手にしている間は、これまでのG'zOneシリーズと同じように、画面上にサークルディスプレイが現れるというわけだ。「こうしたG'zOneとしてずっと続けているこだわりは、裏側のスペックアイコンもそうですね。それを要素として入れることがG'zOneだと我々は思っています」(杉岡氏)

photophoto ロック解除画面にサークルディスプレイを再現した(写真=左)。バッテリーカバーにはG'zOneの特徴的な機能を示すアイコンがあしらわれている(写真=右)

FeliCaアンテナをバッテリーに配置

photo COMMANDO(左側)とIS11CA(右側)のバッテリーカバー内部

 IS11CAは日本市場向けのスマートフォンということもあり、フィーチャーフォンでなじみのある、おサイフケータイや、Eメール/Cメール、赤外線通信機能などが搭載されている。ただ、もともとグローバルモデルとして基本的な部分ではCOMMANDOをベースに開発された経緯もあり、日本独自のサービスや機能への対応にはやはり苦労があったようだ。例えばおサイフケータイは、COMMANDOと同じ本体のサイズや仕様がすでに決まっている中で搭載したので、アンテナを配する場所がなく、バッテリーパックの中にFeliCaのアンテナを入れた“カスタマイズ電池”になっているのである。

 「筺体のサイズがグローバルモデルと変わらない中で、他社では絶対やらないようなやり方なのですが、バッテリーパックにFeliCaアンテナを入れることにしました。ただ、FeliCaのチップはカメラの脇にあり、一方でバッテリーにアンテナ線を引き込むための端子は、バッテリーから電源を取り出す端子と同じ下側にあります。そのため、アンテナ線とFeliCaチップを結ぶ同軸ケーブルを、いろいろな部品の間を縫うように配置するしかありませんでした」(永峯氏)

グローバルブランドとしてのG'zOneに期待してほしい

 2010年、G'zOne TYPE-Xで誕生10周年として原点回帰したG'zOneシリーズは、今年新しいディケイドに入り、グローバル展開をするスマートフォンとして新しいスタートを切った。そんなIS11CAへの思いを、開発チームの担当者それぞれに語ってもらった。

 「IS11CAにはいろいろな楽しいものが入っています。モノフェチというよりはコトフェチになってもらって、これを持って出かけていただきたいと思います」(後藤氏)

 「G'zOne初のスマートフォンということで開発チームも力を込めて作りました。ぜひ手に取ってその感触を味わっていただくことで、愛着を持てるモデルになればと願っています」(永峯氏)

 「スマートフォンのG'zOneという、これまでのフィーチャーフォンと違うところで、デザイナーとしてはユーザーの方々の反応にとても興味があります。だからこそぜひ使っていただいて、今後のスマートフォンのG'zOneを作る上での参考に、ぜひ感想を聞かせていただければと思っています」(杉岡氏)

 「今までG'zOneシリーズの存在は知ってはいるけれど使っていなかった、という方からも、これはカッコいい、買ってみたいという声をいただいています。一方で、コアな方々からも進化として見えるし、カッコイイものとして見ていただけるのではないかと思います。ですから、今まで以上の多くの方に使っていただきたいという期待を持っています」(佐合氏)

 「G'zOneシリーズは今年で11年目になります。ちょうど11年目にして新しいスマートフォンが出るというのも、何かの縁なのでしょうか。スマートフォンになってもG'zOneの原点である「唯一なるもの」というブランドのポリシーは崩さずに、さらに新しいステージに入っていきたいと思っています。一番期待していただきたいのは、グローバルブランドとしてのG'zOne。インターネット上には「G'zOne Global Fan Wall」(外部リンク)というファンサイトを開設していて、すでにアメリカと日本の両方から数多くのご意見をいただいているので、今後はそれに応えていきたいと思っています。ぜひこれからのG'zOneにご期待ください」(高木氏)

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