日本のスマートフォン市場はiPhoneとAndroidがすでに大きなシェアを占めており、(Windows Mobileは別だが)Windows Phoneは後発となる。同社は今後、どのようにシェアを伸ばしていくのだろうか。樋口氏は「スマートフォンの市場はまだ黎明期で、東京以外ではまだまだ普及率は小さいので、いかようにでも挽回できると思っている」と話し、「後発だからアプリの数が少ないが、それ以外は負けているところはないと思っている」と自信を見せた。「アプリは向こう1年の最優先課題だが、急速な勢いで日米でそろってきている」
米Appleのスティーブ・ジョブズCEO辞任については「スティーブ・ジョブズ氏は世界の宝ともいえる天才の方。競合するからどう、というよりも、ITの世界で活躍する度合いが下がるとしたら残念に思える。ジョブズさんの精神を受け継いでIT業界を盛り上げていきたいと思う」と話した。
今後はPCかスマートフォン、どちらが主流になっていくのかを問われると、「どちらかという答はない。生産性が一番高いマシンはPCなので、基本的には仕事はPCという形で残っていく。それを補完する形でスマートフォンを使い分けながら仕事をするというスタイルになるのでは」とした。Microsoftにとってのスマートフォンの位置付けは、「クラウドでつながる機器の1つ」という考えだ。「我々は3スクリーン&クラウドという戦略を持っている。単体で楽しむのではなくてクラウドとつながって楽しむ方が、全体の付加価値が上がる。Windows 8にもメトロUIを搭載する予定なので、操作性が統一されて、楽しい連携もたくさんできるだろう。また、日本はケータイとPCの両方を作っているメーカーさんが多いので、相乗効果も追求しやすいと思う」(樋口氏)
KDDIは今まで「Android au」というテーマでAndroidを全面的に訴求してきたが、Windows Phoneはどのように棲み分けていくのだろうか。牧氏は「Androidにはアプリも含めていろいろな可能性があるが、Windows Phoneはもっと幅広い層に使っていただきたい。ユーザーがカスタマイズするのではなく、ユーザーが望んでいるものを形にしたのがWindows Phone 7。マーケットを広げていくためには、OSを含めてこうしたラインアップをそろえるのが重要だと思う」と話し、ユーザー層を広げていく考えを示した。
大谷氏は「AndroidとWindows Phoneは性格がまったく違うと思う。Androidはオープンで自由にという世界だが、Windows Phoneはきちっと作られて、権利関係やセキュリティも含めて安心して使える。それぞれがいい特徴を持っているOSだと思うので、ニーズに合わせて選択できる」とした。
ビックカメラ有楽町店では、発売前に約60台分の予約が集まったそうだが、在庫はまだ潤沢にあり、25日現在も予約なしで十分に購入できる状況だという。同店ではau売場をややはみ出す形でWindows Phoneコーナーを新設。発売初日ということもあり、入り口には特設ブースを作って大々的にアピールしていた。ビックカメラの望月俊治氏によると、今後他キャリアからもWindows Phoneが発売されたら、キャリアごとというよりは、Windows Phoneごとに売場を作ることもあり得るという。IS12Tの予約は新規と機種変更は半々くらいだが、「新規の方が少し多く、2台持ちの方もいる」。予約した人のほとんどが男性で、カラーの人気は3色とも同じくらいだという。ただ、Eメールの対応が10月上旬であるため、購入をためらっている人も多いとのこと。同店では30〜40台のデモ機を置いているので、同店に限らず、購入前に実際に触れてみて体験してみるといいだろう。
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