対決!「iPhone 5s」vs「Xperia Z1」――バッテリー、カメラ、音楽機能を比較する(3/3 ページ)

» 2013年12月05日 14時20分 公開
[田中聡ITmedia]
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ミュージックプレーヤーの音質を比較

 音楽機能についてもチェックしていこう。XperiaにはWALKMANの技術を用いたり、iPhoneはiPod touchと同様の音楽機能を持つなど、Xperia Z1とiPhone 5sのいずれも音楽との親和性は高い。では音質やミュージックプレーヤーの操作性はどうか。

photophoto iPhone 5sの「ミュージック」とXperia Z1の「WALKMAN」アプリ

 まずはイヤフォン接続時の音質をチェック。イヤフォンは「Xperia Z SO-02E」に付属しているソニー製の「MH-EX300AP」を使用した。Xperia Z1では、デジタル信号処理技術を最適化する「ClearAudio+」が用意されている。これをオンにすれば、細かい設定をせずにクリアなサウンドを楽しめる。実際に聴いてみても高音質で、電車の中など移動中に聴く分には問題ないと感じた。ClearAudio+と併用はできないが、手動でカスタマイズできるイコライザーや、「スタジオ」「クラブ」「コンサートホール」から選べるソニー・エリクソン独自のバーチャルサラウンド技術(VPT)も利用できる。なお、iPhone 5sも「設定」→「ミュージック」→「イコライザ」から音質関連の設定が可能だ。

photophotophoto WALKMANアプリの「設定」→「サウンドエフェクト」から「ClearAudio+」をオンにできる。ClearAudio+をオフにすれば、イコライザー、サラウンド、クリアステレオなどの設定が可能だ
photo 重低音を出したければ、イコライザー画面下のCLEAR BASSを調整するといい

 iPhoneに高音質化技術が使われている話はほとんど聞いたことがないので、Xperia Z1の圧勝か……と思ったが、同じ曲を聞き比べてみると、iPhone 5sも負けていない。ClearAudio+設定時のXperia Z1は音がやや軽く、iPhone 5sの方が重低音が出ている。Xperia Z1でもっと重低音を出したい……というときは、サウンドエフェクトの設定から「CLEAR BASS(クリアベース)」を高めにすればよい。これでiPhone 5sよりも重低音の効いたサウンドになる。個人的には、ClearAudio+よりもCLEAR BASSを高めにしてサラウンドを「スタジオ」にすると、臨場感のある音になると感じる。もちろんアーティストや音楽ジャンルによって、最適な設定は変わってくるだろうが、Xperia Z1では、このように音質をカスタマイズできるのが強みだ。iPhoneはイヤフォンやスピーカーを変えることでしか音質のカスタマイズができないので不利だろう。

 内蔵スピーカーの音質も確認してみよう。Xperia Z1は内蔵スピーカーに適した音質にする「Clear Phase」、オーディオ再生レベル強調技術を使用した「xLOUD」により、クリアなサウンドでスピーカーの音を聴ける。ただし内蔵スピーカーもClearAudio+をオンにすれば、Clear Phase、xLOUD使用時と音質はそれほど変わらない(Clear Phase、xLOUDとClearAudio+は併用できない)。

 Xperia Z1と聞き比べると、iPhone 5sの方が音が明瞭だ。Xperia Z1のスピーカーは口径が小さいのか、こもったような音になる。ClearAudio+をオフにしてほかのサウンド効果もいじってみたが、劇的な変化は感じられなかった。iPhone 5と比べても、iPhone 5sのスピーカーの音質は確実に向上している。もちろん自宅にいるときなら外部スピーカーに接続して楽しむ人が大半だろうが、静かな場所ならiPhone 5sのスピーカーでも、ある程度は満足できそうだ。

photo iPhone 5sとXperia Z1のスピーカーは、いずれも下部の右側に搭載している

結論

  • イヤフォンで聴くならXperia Z1が優秀
  • 内蔵スピーカーで聴くならiPhone 5sが優秀

ミュージックプレーヤーの操作性を比較

 ミュージックプレーヤーの操作性はどうか。iPhone 5sはiPod touchと同じ「ミュージック」アプリを使っており、Xperia Z1は「WALKMAN」の名前を冠しているだけあり、どちらも見た目がスタイリッシュで格好いい。操作面でも特段ストレスを感じることはない。アーティスト、曲、アルバムから楽曲を探せるのはもちろん、端末上からプレイリストを作成することも可能。

 見た目の工夫として、Xperia Z1ではジャケット写真の色に応じてプレーヤーの背景色も変わる。また、画面いっぱいにビジュアル効果が広がる「ビジュアライザー」も用意されており、複数のテーマを設定できる。iPhone 5sは音楽再生中に端末を傾けると、ほかの楽曲のジャケット写真のサムネイルが現れ、手軽に再生楽曲を変更できる。

photophoto ミュージックプレーヤーのメニュー
photophoto 端末を傾けると、ジャケットのサムネイルが表示されるiPhone 5sのプレーヤー(写真=左)。音楽に合わせて映像が流れる「ビジュアライザー」。全画面表示も可能(写真=右)

 2モデルとも、音楽の再生中はロック画面にも音楽操作パネルとジャケット写真が表示される。ロックを解除してほかの操作をしているときも、iPhone 5sはコントロールセンターから、Xperia Z1は通知バーから音楽の操作ができる。Xperia Z1には音楽操作用のウィジェットも用意されている。

photophotophotophoto ロック画面やコントロールセンター・通知バーからも音楽を操作できる

 ほかに面白いと思ったのが、WALKMANアプリのプレイリストに用意されている「おまかせチャンネル」だ。「リラックス」「夜のおすすめ」「エモーショナル」といった具合に、端末に保存されている楽曲をテーマごとに自動分類して再生してくれる。気分に合った曲を聴きたいときや、ランダムに再生したいときに便利な機能だ。

 コンテンツ面では、iPhone 5sはなんといっても「iTunes Store」を利用できるのが強みで、Xperia Z1にはないポイントだ。Xperia Z1は、定額の音楽サービス「Music Unlimited」を利用している人なら非常に心強い。Xperia Z1のWALKMANアプリにはMusic Unlimitedが統合されており、Xperia Z1に転送した楽曲と、Music Unlimitedでダウンロードまたはストリーミング再生した楽曲がWALKMANアプリ上に集約される。WALKMANアプリにMusic Unlimitedの「チャート」や「オススメプレイリスト」も用意されている。

 iPhone 5sでもMusic Unlimitedは利用できるが、別途Music Unlimitedアプリを立ち上げて再生する必要がある。ただし、CDから転送した曲と、Music Unlimitedでダウンロードした曲を1つのプレイリストに混在させることはできない。また、同じアーティストの曲でも、CDから転送した曲とMusic Unlimitedからダウンロードした曲は、別々に登録される。

photophotophoto iTunesがあるから、iPhoneやiPod以外の音楽プレーヤーは使えないという人もいるだろう。ミュージックアプリの「Store」から直接iTunes Storeにアクセスできる(写真=左)。Xperia Z1のWALKMANアプリにはMusic Unlimitedが統合されており、WALKMANアプリ上でMusic Unlimitedの楽曲を再生できる。ただしプレイリストやアーティストは別々に並ぶ。Music Unlimitedプレイリストやアーティスト名などには専用のアイコンが付く(写真=中、右)

結論

  • 音楽プレーヤーはXperia Z1の方が操作していて楽しい
  • iPhone 5sのミュージックアプリはシンプルな作りなので、迷わず操作できる
  • iPhone 5sはiTunes Storeを使えるのが最大のウリ
  • Music UnlimitedユーザーならXperia Z1を使うべし

 前編と後編トータルで比較した結果を見ると、スペックや性能の高さではXperia Z1が一歩リードしている。カメラ、音楽、ディスプレイでソニーの技術を盛り込んでいるのもiPhoneにはない強みだ。「スマートフォンでいろんなことをしたい」「最先端の技術を体験したい」という人にはXperia Z1を勧めたい。一方でiPhone 5sには、スマートフォンという枠を超えたiOSデバイスの強みや、Appleブランドの強みがある。「日本で一番売れているスマートフォン(の最新モデル)」であることも大きい。OSが違うこともあり、一概に優劣は付けられないが、本稿がiPhone 5sかXperia Z1を選ぶ参考になれば幸いだ。

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