モバイルフォーラムにLINE、mineo、IIJ、楽天、ワイモバイルが登壇――楽屋裏で語られた「NTTドコモによるMVNO接続拒絶事件」石川温のスマホ業界新聞

» 2017年03月24日 11時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」
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 3月16日、テレコムサービス協会MVNO委員会が「モバイルフォーラム2017」を開催。自分は基調講演とパネルディスカッションに参加した。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年3月18日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 パネルディスカッションでは、楽天モバイル、ケイ・オプティコム、LINEモバイル、IIJに加えて、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルも登壇。若干、ワイモバイルがアウェイな雰囲気になったが、登壇者の絶妙な受け答えでとても盛り上がった会になった。登壇を快く引き受けていただいた方々、関係者の方々には本当に頭が下がる思いだ。

 楽屋ではこのメンバーで一緒にランチをとりつつ、打ち合わせを行ったのだが、そのときに出た話がいろいろと面白かった。談笑しつつも、「あれって、どうなっているの?」といった探りが横から入ったりするなど、滅多に一緒にならないメンバーなだけにお互い興味津々といった感じだったのだ。

 そのなかでひとつ、気になる話題があった。

 KDDIのビッグローブ買収に関して、ちょっとした疑問が投げかけられたのだ。

 KDDIがビッグローブを買収したが、MVNO事業においては、NTTドコモの回線をKDDIの子会社に貸し出すという状況になっている。当然、固定回線も似たような状況だ。

 楽屋ではこれに対して疑問の声が上がった。実はかなり昔の話になるが、かつてのウィルコムがNTTドコモの回線をMVNOとして借り「WILLCOM CORE 3G」というサービスを提供していたことがある。

 しかし、ウィルコムがソフトバンクの傘下に入ったとたん、NTTドコモから回線貸し出しを拒絶されるという憂き目に遭ったのだ。そこで、仕方なく、WILLCOM CORE 3Gの契約者などをIIJが引きとることとなった。結果、WILLCOM CORE 3GはソフトバンクではなくIIJから提供されるというかたちで、事なきを得たのだった。

 当時の理屈をそのまま当てはめるなら、KDDIの傘下に入ったビッグローブはNTTドコモからの回線提供を受けられず、どこかの会社に間に入ってもらう、といった回避措置が必要となる。

 モバイルフォーラムの楽屋には当時のことをよく知る当事者がそれぞれの会社におり、「当時は大変だった」と振り返ったのだった。

 NTTドコモからのビッグローブへの対応が気になるが、ビッグローブ関係者によれば「いまのところ、NTTドコモからは何も言われていない」という。

 WILLCOM CORE 3Gの時は、NTTドコモが「ソフトバンク憎し」で、そういったイジメをしていたのか。NTTドコモとKDDIは友好関係が結ばれていて、ビッグローブの時はそういった措置は必要ないのか。NTTドコモの今後のスタンスが気になるところだ。

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