究極の「Z」が今ここにある――日本HP「Z Workstation」が示す近未来Touch the future.Now(1/2 ページ)

» 2009年05月27日 02時22分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

ワークステーションの新シリーズ「Z Workstation」

 インテルがNehalem(開発コード名)アーキテクチャベースのXeonを4月に発表し、それにあわせて日本ヒューレット・パッカードがインテルCPUベースのワークステーション製品を一新した。この「HP Z Workstation」シリーズは、デュアルソケットでハイエンドのZ800とミドルレンジのZ600、そしてローエンドのZ400でラインアップが構成される。

 何より目を引くのは、BMW Group DesignworksUSAとのコラボレーションで生まれたケースデザインを筆頭に、各コンポーネントを簡単に着脱できるダイレクトシステムを採用し、クーリングシステムから80 PLUS SILVER電源(Z800の場合)の搭載までこだわり抜いた、細部まで非常に凝った作りになっていることだ。

 新シリーズの投入にあわせて来日した、HPアジアパシフィック&日本 パーソナル・システムズ・グループ コマーシャル・システム・ユニット担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのデニス・マーク(Dennis Mark)氏に話を聞いた。

ハイエンドのZ800シリーズ
ミドルレンジのZ600シリーズ
各モデルのセグメント

トータルな意味での“究極のワークステーション”を作った

――Z Workstationシリーズを企画した背景を教えてください

ビジネスデスクトップ、ワークステーション、シンクライアント・ブレードPCといった、法人向けビジネスのアジアパシフィック&日本地域の責任者であるデニス・マーク氏

マーク まず、我々が一番フォーカスしたのは、総合的なワークステーションの領域です。これを再定義して、新しいもの、特に洗練されたものを出していこうと考えました。

 我々は長いことHP xw Workstationのレンジで市場のリーダーとして君臨しています。お客さまのフィードバックをまとめてみると、非常にパワフルでモビリティがあって、信頼性があるという結果でした。しかしながら、もっと改良できる部分はあり、その市場でユーザー層を広げていって、これまでワークステーションとは無縁であった方々にリーチしていきたい、できるのではないかと考えました。

 このZシリーズを出すにあたって、今までとは少々異なるアプローチを取りました。それはハードウェアのみにフォーカスするのではなく、管理性やソフトウェア、ユーセージモデルなどにも気を遣ってトータルとしてのZシリーズを開発したのです。より使い勝手がよく、幅広い層のお客さまのニーズにあった“究極のワークステーション”と名付けて発表しました。

 実際、さまざまな部分でパフォーマンスが改善されており、内部のシステムはもとより、外観も非常に美しく仕上がっています。内部のパワーに合致したボディデザインを採用することで、そこにトータルのコンセプトができあがっていると思っています。

 HPのクライアントコンピューティングの中でも最前線にあるのが、今回新製品を発表したワークステーションです。我々としても非常にワクワクしていて、この新しい製品によって、より多くのお客さまにHPのワークステーションを触っていただけると思っています。我々としても性能に自信を持っていますし、新しいデザインやフィーチャーを数多く盛り込んでいるので、多くの人がHPのワークステーションに触れていただけるし、ますますHPのワークステーションを愛していただけると考えています。

――なぜBMW Group DesignworksUSAと組んだのでしょうか?

BMW Group DesignworksUSAのホームページ

マーク 我々はワークステーション市場でリーダーという立場ですから、新製品を出すからには何か新しいものを付加するだけでなく、トータルでユーザーの満足度を上げる必要があります。そのため、パートナーを選ぶ際にも、その業界のNo.1と組むのが我々の考えです。そういった意味で、BMWはスポーツカーの中で最高峰に位置します。BMW Z4シリーズを見ていただくと分かりますが、ドアを開けてインテリアを見るだけでパフォーマンスを実感できます。そういうアイデアを導入し、パーツ単位で考慮に入れたうえでZシリーズを組み立てました。Z Workstationのサイドカバーを開けると、エアフローのカバーやパーティションなどが、まるでスポーツカーのエンジンのような構成になっています。

 もちろん、見かけだけではなく性能やメンテナンス性も考慮した、パワーユーザーに見合った究極のワークステーションを作るのが目的です。すべてのデザインがユーザーを興奮させるだけでなく、熱やエネルギー消費を抑えるように、環境面にもできる限り配慮しているのもポイントでしょう。

 我々としてはユーザーの目線が一番重要であると思っており、究極的にはみなさんにパワーユーザーの体験をしてほしいという願いを込めて製品化したので、ぜひ多くの人が実機に触れてほしいですね。技術面だけでなく、HPのブランドにほれ込んでもらえるのがわたしの願いです。

サイドカバーはワンタッチで取り外せる
サイドカバーを外した状態。一見してワークステーションには見えない
拡張カードの増設/換装も工具を使わずに行える

――非常に低価格で魅力的なZシリーズですが、一方でOSはUnixからWindowsになり、ハードウェアの共通化が進んでハイエンドPCとの境界が薄れているように思えます。Zシリーズならではのアドバンテージを具体的に教えてください。

マーク ワークステーションとハイエンドPCの境界線がなくなりつつあるのは、まさに今現在のトレンドと思います。つまり、より高性能な製品が、より安価に届けられるようになりました。HPはそれをアドバンテージとしてとらえ、Zシリーズという違うブランドを作って、一般的なビジネスPCとの差別化を図りたかったのです。ワークステーションのユーザーは単にCPUやGPUの性能だけではなく、トータルな環境を重視する場合が多いので、そういった意味で、Zシリーズは最適な製品になるでしょう。

 一番大切なのは堅固なデザイン、次いでモビリティです。内部にハンドルなどをつけてメンテナンス性を大幅に向上しています。SkyRoomを活用することで、ワークステーションの利用方法が広がっていくでしょう。世界各地に散らばっているプロジェクト同士で情報共有を簡単に行えます。

 市場全体としては、コマーシャルユーザーの方もZシリーズを使ってもらうことで、生産性を上げることが可能です。パワフルで高速なZシリーズを利用することで、ROIを得られるはずです。大企業だけでなく、中小企業のお客さまも、Zシリーズを使うことでビジネスの生産性を高めて大きなメリットを得られると思います。Zシリーズで取り入れたフィーチャーを、後々ビジネス向けPCに追加していくこともあるでしょうし、お客さまのセグメントにあった製品を届けられればいいと考えています。

 日本では、PCリサイクルマークの取得などの面でコンシューマーユーザーに対してなかなか難しい部分もありますが、究極のパワーステーションには究極のパワーユーザーがふさわしいと思っているので、日本のパワーユーザーにはZシリーズをぜひ触っていただきたいと考えています。

日本国内のワークステーション市場ではNo.1の座を獲得

――HPのワークステーションビジネスにおける強みと弱点をそれぞれ教えてください

日本国内のワークステーション市場シェア

マーク ワールドワイドという観点ではNo.2ですが、日本をはじめとしてアジア太平地域では多くの国のワークステーション市場でHPはNo.1を獲得しています。

 まずHPの強みは、もともとエンジニアリングの企業ということです。デザイン、開発ともに強力ですし、マーケティングということを考えても特にここ数年は強みを発揮していると思います。強固な信頼できるブランドを作り上げていますし、そのブランドがプレミアムなユーザーを引きつけています。

 特に開発に当たっても、ユーザーのニーズにあったカスタマイズが可能なワークステーションを開発しています。我々の核となるのは製造業やエンジニアリング業界ですが、今は医療やデジタルコンテンツ作成などの分野が力を持ってきて、これから広がっていくところであると考えています。我々の強みは一夜にしてできたものではなく、これまで着実に積み上げてきたものです。それこそがHPのDNAであり、非常に強く深いブランドを作り上げる原動力になっています。

 一方、弱みはないといいたいところですが、そうもいかないですね(笑)。弱みというより、我々がますます成長できる機会としては、もう少し投資して、我々の描くストーリーをみなさんに知っていただくマーケティング活動が必要になると思います。まだまだ日本の方々すべてがZシリーズを知っているわけではないので、Zシリーズの強みをより多くの人に知ってもらいたいですね。

 そもそも、ワークステーションを専属に開発して売っているベンダーはHPしかありません。日本では企業ユーザーにはHPブランドが浸透していますが、コンシューマーユーザーにはまだまだ認知度が足りていません。そこに大きなチャンスが残されていると思いますし、製品の魅力を伝えていきたいと考えています。

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