監視カメラからiTunesまで――“最強NAS”をホームサーバとして使う“真・最強NAS”活用術 第4回(4/4 ページ)

» 2010年02月04日 18時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]
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ホームサーバにふさわしい豊富な機能

 そのほか、TS-639Proが備えるホームサーバにふさわしい機能を紹介していこう。

  • プリンタサーバ

 Windowsのエクスプローラからネットワークを参照すると、ネットワークに接続された各PCの共有フォルダに加えて、PCに接続された共有プリンタが表示されるが、TS-639Proでも同様にプリンタの共有が可能だ。ネットワークに対応していないプリンタをネットワーク対応させる手軽な方法として利用できる。TS-639Proは最大3台のプリンタを接続可能だ。

  • バックアップサーバ

 動画や音楽などのメディアファイルに並んで大容量ストレージの活用方法として挙げられるのがバックアップだ。物理的なHDD障害に対応するためにはバックアップ元とバックアップ先は別の機器にすることが求められる。TS-639ProはAcronis True Imageなどの市販のイメージバックアップに対応している。

 特にイメージバックアップで重要なのが、システムリカバリ時のネットワークアクセスだ。ディスククラッシュによりWindowsが起動できなくなった場合には、リカバリディスクなどから起動したうえで復元を行う必要があるが、そのときのアクセス性はWindows上でバックアップを行うときよりも劣る可能性がある。もっとも、通常のWindows用バックアップソフトであればCIFSをサポートしているため大きな影響はないと思われるが、Mac OSやLinuxが混在している環境では同じ共有フォルダをCIFS、NFS、AFP、FTP、WebDAVといった複数のプロトコルで共有できるTS-639Proは心強い存在だ。

 なお、多くのバックアップソフトのリカバリディスクでは、iSCSI接続したドライブ上のイメージファイルを読むことはできないが、TS-639Proは(自分自身含め)iSCSIターゲットを仮想ディスクとしてマウントすることができる。その上で共有フォルダとして公開すればCIFS経由でiSCSIターゲットにアクセスが可能だ。ただし、iSCSIターゲットは同時に複数のiSCSIイニシエータから接続するとファイルの破損などが生じる。運用には十分注意してほしい。

Acronis True Image Home 2009は、CIFSにアクセスできるので、TS-639Pro上のバックアップイメージから直接復元できる(画面=左)。リカバリディスクがiSCSIに対応していない場合はまず、TS-639Proで仮想ディスクとしてiSCSIターゲットをマウントする(画面=中央)。その上でiSCSIターゲットの既存フォルダを共有フォルダとして公開する(画面=右)

NetBak ReplicatorはQNAP純正のバックアップソフト。指定スケジュールでの定時実行の他、フォルダ監視による随時バックアップも可能

 システムに関しては、単なるファイルコピーでは動作しないため、イメージバックアップが求められる。一方、データはイメージではなく、ファイル形式でのバックアップの利点が大きい。ファイル形式でのバックアップでは差分バックアップの負荷が低減できるうえに、バックアップされた個別ファイルへのアクセスがしやすい。

 NetBak Replicatorは、このようなデータ向けのバックアップソフトだ。スケジュールを指定しての定時バックアップや、指定フォルダの変化を監視して自動バックアップを行える。また、このようなバックアップソフトはフリーでも多数出回っているので、NetBak Replicatorに限らず、自分に合ったソフトを選ぶといいだろう。そのほか、USB接続の外付けHDDなどの場合はUSBワンタッチコピーも活用できるだろう。

  • 静音/省電力

 ホームサーバには静音性も求められる。オフィスよりも静かで、生活の場でもある家庭では、いくら機能が優れた電化製品であっても「音がうるさい」という一点だけで利用にたえない、と評されることがめずらしくない。

 TS-639Proの待機時の騒音源の筆頭はファンによるものだが、システム、CPU、HDDの温度によってファンの回転速度を自動調整し、ファンによる騒音を抑えるスマートファン機能が搭載されている。このファン回転速度の自動調整のしきい値は手動でも設定することができ、停止、低回転、高回転に切り替わるシステム温度を指定できる。デフォルトで用意されている設定ではシステム温度のほか、CPU温度とHDD温度も測定対象となっている。

 また、電気料が従量制で課金される家庭では、機器の消費電力も大いに気になるところだ。特に24時間稼働を前提とするNASの場合は、消費電力の違いが1カ月、1年で大きな差となる。TS-639Proは6台のHDDを搭載した状態でスリープモード29ワット、利用中43ワット、待機中1ワットといった消費電力だ(数値はすべて公称)。24時間稼働が原則とはいえ、完全に利用者・利用プロセスがいないことが確定している時間帯ではシャットダウンしてもよいだろう。TS-639Proには電源オン/電源オフのスケジュール機能が搭載されている。また、マジックパケットを流すことでネットワーク経由で電源を投入できるWake-on-LANをサポートしている。手元にTS-639Proがない状態で緊急に電源を入れなければならない場合にも対応が可能だ。

内部温度によってファンの回転数を変化させるスマートファン機能。HDDへのアクセスが一定時間以上なかった場合にスタンバイモードにすることもできる(画面=左)。スケジュールによる電源オン/電源オフや、Wake-on-LANに対応している(画面=右)

改造しなくても多機能なQNAP

 QNAP製品の魅力の1つは「買ってきたままでも多機能」という点だ。QNAPのようなLinuxベースのアプライアンスが発売されると、有志の手によってdebian化されるケースが多い。debian化することで既存パッケージの導入がしやすくなり、資産の有効活用が図れるからだ。もちろん、QNAPでもすでにdebian化しているユーザーもいる。しかし、ほかのアプライアンスが「debian化しなければほしい機能が使えない」というケースが多いのに対して、QNAP製品は「debian化しなくても必要な機能がそろっている」という大きな違いがある。この点はNASにQNAPを選択する大きな動機になりうる。

 そしてもう1つ、TS-639Proにはdebian化しなくてもかまわない理由がある。次回はこの理由、すなわち「最強NAS」といわれる3つめの理由を取り上げることにしよう。

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