インタビュー
» 2010年02月12日 11時40分 公開

元日本AMD、土居氏は今:“兄貴”のロングバケーション――土居氏と兄貴とikinaとアキバ (2/2)

[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]
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「Phenom Iのときは、ぼくもすごいつらかった」

電気街や業界内での知名度が高まり、街で声をかけられたり、面接先で「あれ、なんで兄貴がいるの?」と聞かれたりするという。しかし、「声をかけてくれるのはほぼ100%が男性。若い女性は皆無です(笑)」とのこと

―― 土居さんが活躍された4年間で、AMDのCPUもけっこう変わりましたね。2006年末ごろはCPUにデュアルコア競争があって、イベントでもインテルに対抗心をむき出しにしたベンチマークを楽しませてもらいました(笑)。それから2008年のPhenom Iのときにちょっと元気がなくなって……2009年からはPhenom IIでシェアを回復という流れですよね。GPUはRadeon HD 4000ファミリーくらいから安定していましたが。

土居 そうですね。今とだいぶ違います。Phenom Iのときは、ぼくもすごくつらかったです。「これで何を話せってんだよ」って(笑)。でもそこからPhenom IIががんばってくれて。

2007年8月に開催したAMDイベント「AMDの夏祭り 兄貴だ!Phenomだ!3.0GHzだ!」。このときすでに“兄貴”の名前は定着していた。協賛の玄人志向のなぞのサングラス男氏とともに、ショップ巡りの際、全盛だった歩行者天国を横断していた

―― (笑)。あと、街の様子もかなり変わりました。2007年ごろに「5年後の秋葉原を歩く」というインタビュー連載をやっていまして、いろいろな方に2012年の秋葉原像を描いてもらったんですよ。土居さんは2012年のアキバはどうなっていると思いますか?

土居 まあ難しいですよね。ショップも、ショップブランド売るより、例えばeMachinesの安いやつがあったり。やっぱり、今は需要に対してショップの数が多すぎて、差別化が難しくなっているとは思います。ただ、厳しい状況ではあるけど、多くの人がもっとデスクトップPCを使うようになれば、デスクトップPCを使いたくなるようになれば、状況がよくなるんじゃないかと考えてます。一回、きちんとした性能のデスクトップを使ったら、ノートPCに戻れないくらいじゃないですか。処理性能も高いし、画面も広い。

―― そうですね。どれだけ性能の高いノートPCでも、画面の広さやキーボードやマウスの入力性を考えると、どうしても差が出ますもんね。かつ、広い画面で快適に動くとなれば、求められるスペックも上がってくると。

現行のプラットフォームで一番のオススメを聞いたところ、AMD 785Gと790を挙げた。「CPUを載せ替えたりして、Socket AM3で長く使えますからね。毎回マザーとCPUをセットで変えるより、安く効率的に強化できるのは大きいと思いますよ」

土居 だから、次に転職するときもデスクトップが欲しいな、デュアルディスプレイで使いたいなと思うんですよ。会社ではノートが支給されるじゃないですか。そうすると、会社より家で仕事したほうが効率的になってしまうという。

―― でも、多くの人にとって、デスクトップPCはオーバースペックと感じるんでしょうね。

土居 まあ、そうでしょうね。やっぱり、ハイスペックなシステムを必要とするサービスやソフトウェアがもっと出てこないといけない。そこでGPGPUに可能性があると思っているんですけど……GPGPUが活躍する場が大きく開花すれば、そこからつながる可能性がいっぱいあると思うんですよ。

「イベントを企画するときは、最初にチーム全員でテーマを一個ずつ出し合うんです。そこからみんなでわいわい意見を出して取捨選択していくわけです。あれが楽しいんですよね」と笑顔で日本AMD時代の日々を振り返る。奇しくも土居氏最後のイベントとなった「赤いRubyと緑のエコロン」は土居氏が出したテーマだった

―― 転職はどんなところを考えているんですか? 勝手な意見をいうと、またアキバで壇上に立ってもらえるとうれしいんですけど。

土居 ぼくもやりたいですね。だけどもう38なんで、そんなコロコロ転職できないしと、いろいろ考えるところもあって。これまでキャリアの大半は対企業の業務でしたから、そのオプションを残しながら、雇ってくれるところを探している感じです。だから、対コンシューマーの仕事になる可能性は低いかもしれません。

―― そうですか……。AMD本社など、海外で働くという可能性は?

土居 正直、辞めるのがあんなに急じゃなかったら、AMD本社に行くという選択肢はありましたね。何度が「こっち来る?」と言われていたんですが、まだ日本でやりたいことがあったから断っていたんですよ。今でも英語圏に行く可能性はありますね。


 話題は尽きなかったが、ラストオーダーの時間となり、土居さんと筆者、編集部の3人で鮭茶漬けを平らげ居酒屋を後にした。

 そしてこのインタビューから少し経った2月上旬、コンシューマー向け製品のある某社に入社が決まったという連絡を土居さんからいただいた。もしかしたら近いうちに、アキバで“兄貴”のプレゼンが見られるかもしれない。

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