今回紹介された10の新機能では、確かにアップルがいうようにiPadの先進性から学んだ機能も多い。例えば、マルチタッチジェスチャー、フルスクリーン操作、App Store、Launch Pad、再開、オートセーブやメールの表示方法などは、いずれもPCに比べてiPadのほうが使い勝手がよかった部分だ。
しかし、OS X Lionは、単にiPadに追いついただけで終わりにしたのではなく、「ポストPC機器の時代でも、やっぱりPCは必要」と思わせる形に、それぞれの機能を昇華させている。
例えば、フルスクリーン操作も、すべてフルスクリーン操作にするのではなく、時には大きな画面を生かして、複数ウィンドウを並べて操作するスタイルも許容しつつ、それらの異なる作業スタイルをミッションコントロール機能を通してうまく統合している。また、オートセーブ機能も、うまくバージョン機能と組み合わせたことで、同じ作業でもPCで行えば、より大胆かつ複雑な試行錯誤が可能になる。メールも、普段使いならiPadで十分だが、これまでの膨大なメールの蓄積の中から効率よく目的のメールを探し出したり、フォルダで整理するのであれば、Macが便利ということになる。
このシンプルに作業するiPadスタイルと、一歩踏み込んだMacスタイルの作業の線引きは、なかなか絶妙なのではないかと筆者は思っている。
このほか、OS X Lionには、フルスクリーンのデモ中にちらっと見せたSafariにも、ブラウザ標準の「後で読む」リストに記事を登録する機能が用意されていたり、急速に増えているWindowsからMacに乗り換えるユーザーを支援する乗り換え機能(移行ツール)の改善、iChatプラグイン、Core Mediaエンジンといった機能がスライドで紹介された。
さらに公式ホームページの全機能一覧には、日本語音声読み上げやピクチャーインピクチャーのズーム機能、Macの調子がおかしくなった時、復元用パーティションからMacを起動して修復や復元をする機能、縦書き入力・表示対応、ことえりの変換ウィンドウのデザイン・機能変更、Appleカラー絵文字フォントの搭載といった項目も並んでいる。
これまで「こうなったらいいな」と思っていた機能が一気に搭載された印象で、期待は高まる一方だ。
27年前、今日のPCの原型をつくったMacが、OS X Lionで生まれ変わり、ポストPC時代の新しいPCのあり方を提示しようとしている。ここから始まるPCの新しい可能性には大いに注目したいところだ。
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