デジタルライフの中心は「クラウド」へ――アップルが目指すデジタルハブ戦略の第2章WWDC 2011基調講演リポート(4)(4/4 ページ)

» 2011年06月14日 18時30分 公開
[林信行,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

音楽市場とクラウド市場のランドスケープを変えたアップル

 ここでジョブズ氏が「実はOne more thingがあるんだ」と告げると、会場からは歓声が上がったが、「いやいや」と人差し指を左右に振り「小さな発表だ」と付け加えた。

 そのOne more thingとは「iTunes Match」というサービスだ。iTunes in Cloudサービスによって、iTunesから購入した曲であれば、簡単に再ダウンロードができるようになるが、CDから取り込んだ曲を大量に持っているというユーザーもまだまだ多い。そこで、年間24.99ドルを支払うと、CDなどから購入した曲も自動的に曲認識して、iTunes in Cloudに対応してくれるようになる。このiTunes Matchで認識された曲は、256Kbps AACのDRMフリー形式でダウンロードされる。

 アップルはすでに米国最大の音楽配信業者となっている。最近になってAmazonやGoogleも同様のサービスを発表しているが、これらは取り込み済みの音楽データすべてをインターネット経由でアップロードすることを求めており、データ転送だけでもかなりの時間がかかる。しかも、使いやすいアプリケーションが用意されているわけではなく、Webブラウザからの利用だ。さらに(利用料金が発表されていないGoogleは不明だが)、Amazonのサービスは、曲数によって値段が変わってしまい、割高になっていく。ジョブズ氏は「我々のサービスは業界で最も“お得”な内容になっている」と念を押す。

 サービスを一通り紹介したところで、ジョブズ氏はこう切り出した。「もし我々が真剣ではないと思っているなら、あなたは間違っている」。そう断言して、ノースキャロライナ州メイデン市に建造している同社3つ目のデーターセンタの写真を披露した。人が豆粒ほどに見えてしまう巨大な施設でありながら、非常にエコフレンドリーな最新技術で建造されており、その中には最先端の高価なサーバ群がびっしりと詰まっている。

 ジョブズ氏は、これらの施設を使ってiCloudサービスの提供を開始することが待ちきれない、と講演を締めくくった。

→WWDC 2011基調講演リポート(5)に続く

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月30日 更新
  1. Macで外付けGPUが使える「TinyGPU」をRTX 5060 Tiで検証 実用性と浮き彫りになった課題 (2026年06月29日)
  2. NUC風PCやメモリ128GBのモンスターミニPC「DAIV CX」などを続々投入! マウスコンピューターが事業戦略発表会で明かした新製品ロードマップ (2026年06月29日)
  3. アキバ夏のボーナス商戦は「コスパと延命」がキーワード! 5000円切りのピラーレスケースや3000円弱のDDR5用メモリクーラー登場 (2026年06月29日)
  4. IBMが世界初のサブ1nm半導体チップ技術を発表/LenovoがノートPC向けで世界初となる“1000Wh/L”バッテリーの詳細を明らかに (2026年06月28日)
  5. AM4の勢いは止まらない!? 熱伝導シート付属の「Ryzen 7 5800X3D 10th Anniversary Edition」が登場 (2026年06月27日)
  6. タイパの対極にある魅力? 潔いオールインワン・レコードプレーヤー「amadana PR30」とクラフトビールの意外な共通点 (2026年06月28日)
  7. 間もなく登場するWindows 11次期アップデート「26H2」で何が変わる? 2027年に向けたUI進化と高速化 (2026年06月23日)
  8. 実売2000円台とコスパ最強だけど玄人向け? 断線や充電専用ケーブルも一目で判明するXYZA「USB-C CABLE CHECKER 2」の実力 (2026年06月26日)
  9. Apple製品が一斉値上げ、Mac Studioは9万円超も 主要モデルの新価格まとめ (2026年06月25日)
  10. AYANEOが3.5型液晶を搭載したAndroidゲーム機「Pocket MICRO 2」を正式発表 (2026年06月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー