iOS 6になり、「マップが死んだ……」と思っているiPhoneユーザーは多いのではないだろうか。御多分にもれず、筆者自身もその中の1人だ。喜び勇んで「iPhone 5」を手にしたものの、標準搭載されている「マップ」アプリでは、どうにも不安が多い。経路検索にまで至らなくとも、地図を開いただけでそれはひと目で分かるのではないだろうか。
iOS 6のマップはこれまでのGoogle マップベースの地図とは異なり、Appleが一からデザインした新しいアプリになった。ルート案内機能や建物を3D表示できる「Flaover」機能、リアルタイムの交通情報の表示など、確かに機能面では大きな進化を遂げた。しかし、あるはずの道がなかったり、駅の場所が違っていたりするなど、地図としての大きな欠陥をも兼ね備えてしまっている。AppleのCEOであるティム・クック氏がiOS 6のマップの不出来を謝罪し、他社製の地図アプリを勧めるという事態にも陥った。実際にApp Storeではトップページに「iPhone地図 App」というカテゴリーが用意されている。
そこで、今回はこのカテゴリーで紹介されているアプリを中心に、これまでのマップでできたことにどこまで対応しているのか、さらにはプラスアルファの機能があるのかを検証してみた。ちなみに、今回の検証は“徒歩+交通機関での移動”を想定して行っている。ドライバーの方々はさらに別のアプリのほうがいいかもしれないので、その点は留意いただきたい。
まずは、今回紹介するアプリの特長を紹介していこう。
ケータイユーザーの間でも評判の高かったNAVITIMEのiPhoneアプリ「NAVITIME for iPhone」。アプリ自体は無料で配信されているが、実際に使おうと思えば、有料登録せざるを得ない。無料で利用できるのは、路線図での検索や指定した電車の1本前後の検索ができる「乗換案内」と、コンビニやグルメ、無線LANスポットなどのジャンルから店舗や施設の検索ができる「スポット検索」のみ。
有料登録をすれば、電車、バス、徒歩、飛行機など複数の移動手段を組み合わせてのルート検索が可能な「トータルナビ」や、時刻表の検索、鉄道運行情報の通知、音声での徒歩ルート案内などの機能が使える。
有料登録するにはiTunesアカウントでのチケット購入が必要で、180日間1500円、365日間3000円となっている。また、クレジットカード決済、ソフトバンクまとめて支払い、auかんたん決済を利用して月額315円でも利用できる。初回のみ、有料でしか使えない機能を7日間無料で利用できる。
全国の地図データを収録した地図アプリ「MapFan for iPhone」は、電波の届かない場所でも地図を利用できるのが最大の特長。常時通信をしないので、地図のスクロールや現在地の表示を素早くできるのも人気の理由だ。
ただし、ナビゲーションに対応する移動方法は車と歩行者/自転車のみ。電車やバスを利用した移動時のナビゲーションには非対応なのが少し残念だ。また、アプリの価格が2300円と高額なことと、アプリの容量が1.5Gバイトであることもネックだろう。しかし、音声案内や「立寄地」を設定できるなど独自機能は充実している。また、テレビで紹介されたスポットを調べられる機能は、休日の外出先を決めるのに役立つはずだ。
具体的な利用シーンとしては、車で移動する際や最寄り駅から目的地までの経路を検索するのに適しているだろう。
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