ベンチマークアプリは2本を使用した。まず定番アプリの「Quadrant Professional Edition」を試し、「CPU」「メモリ」「I/O(データの読み書き)」「2D描画」「3D描画」の5項目を計測した。計測回数は5回。結果は以下の通りだ。
CPU | メモリ | I/O | 2D | 3D | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1回目 | 10706 | 1874 | 6090 | 990 | 2124 | 4357 |
2回目 | 11356 | 2425 | 7061 | 1000 | 2134 | 4795 |
3回目 | 11251 | 2563 | 7055 | 990 | 2123 | 4796 |
4回目 | 11310 | 2526 | 7070 | 1000 | 2108 | 4803 |
5回目 | 11200 | 2510 | 7509 | 1000 | 2140 | 4872 |
平均 | 11164.6 | 2379.6 | 6957 | 996 | 2125.8 | 4724.6 |
5回計測の総合平均は「4724.5」。1回目こそ若干メモリ、I/Oが低いものの、2〜4回目はほぼ同じくらいのスコアが並ぶ。僚誌のITmedia PC USERで「Nexus 10」のベンチマークテスト結果が掲載されている。dtabは総合ではNexus 10より若干劣るものの、CPU、I/O、2D描画でスコアが勝っている。ただしメモリは大きく劣っている。
同じくベンチマークを計測している5インチフルHDスマートフォンを比較しているITmedia Mobileの記事と比べると、ARROWS X F-02Eには勝ったものの、Xperia Zをはじめとした3機種と比べると大きく劣っている。CPUとメモリで大きく差がついたが、2D描画では勝っている。
dtabはRAMが1Gバイト、ROMは8Gバイトと内蔵メモリは少なめ。またCPUはHuawei系列のメーカー、HiSiliconが開発している「K3V2T」で、クロック数は1.2GHz。同じクアッドコアCPUでもSamsung電子の「Exynos」や、Qualcommの「Snapdragon」と比較すると、差がつくのかもしれない。
スコアだけを見ると、2D描画の成績が良いことから、書類や画像をチェックするのに向いているかもしれない。
続いてもう1つのベンチマークアプリ「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」を使用した。こちらは4項目「CPU」「RAM」「I/O」「GPU」を、同じく5回計測した。
CPU | RAM | I/O | GPU | 総合 | |
---|---|---|---|---|---|
1回目 | 5556 | 2064 | 828 | 5124 | 13572 |
2回目 | 5570 | 2121 | 873 | 5213 | 13777 |
3回目 | 5605 | 2155 | 878 | 5207 | 13831 |
4回目 | 5480 | 2101 | 894 | 1737 | 10212 |
5回目 | 1907 | 792 | 642 | 3151 | 6492 |
平均 | 4823.6 | 1846.6 | 823 | 4086.4 | 11576.8 |
5回計測の平均スコアは総合が「11576.8」。4回目と5回目にスコアが急に落ちている。特に5回目は1〜3回目のスコアから半分程度になった。動作がいまひとつ、というときはアプリを終了したり、再起動してみるのもいいかもしれない。
前述通り、PC USERのNexus 10のスコアと比較すると、こちらでもdtabは若干数字が劣っている。CPUこそ勝ったものの、RAM、I/O、GPUの各スコアはいずれもNexus 10より低い。5インチフルHDスマートフォンのスコアと比べると、比較項目が若干異なるものの、総合ではARROWS Xに勝っただけで、ほかの3機種と比べるとスコアが低い。
ベンチマークのスコアはあくまで使い勝手の目安となる数字ではるが、dtabを「高性能タブレット」と呼ぶのは難しそうだ。しかし安価で買えるタブレットであることを考えれば、そう悲観するような数値ではないと思う。
dtabには6020mAhという大容量バッテリーが搭載されているものの、10.1インチという大画面なので消費電力も大きそうだ。スタミナをチェックするため、「YouTube」の動画を10時間再生し続けた。バッテリーの消費経過は「Battery Mix」を使用している。
テスト中の設定は以下のとおり。
初期設定では設定の「省電力」の項目が「バランス」に設定されているが、まず「パフォーマンス」を優先にして再生してみた。次に「バランス」に変更して再び同じテストを行っている。
結果、省電力設定を「パフォーマンス」にすると約9時間再生し続け、バッテリー残量はゼロに。「バランス」にすると、約10時間の再生を終えたところで、バッテリーは11%残っていた。なお、どちらのテストでも途中で一度動画の再生が停止しているため、これは確認後、再生を再開させた。
無線LANで通信をしながら10時間前後の動画を視聴できるのなら、スタミナ面では満足できるのではないだろうか。dビデオや、次回紹介するDLNAなどで動画を存分に見られそうだ。
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