富士通からSIMロックフリーのAndroidスマートフォン「arrows M02」が発売された。2世代目となる本機の特徴は、ドコモ回線の格安SIMだけでなく、au回線の格安SIMでも利用できる点だ。おサイフケータイや防水(IPX5/8)・防じん(IP6X)、耐衝撃(MIL規格準拠)など日本向けスマホではおなじみの機能も搭載されている。
現在、mineoやNifMo、IIJmio、BIGLOBE、楽天モバイルといったMVNO事業者では、格安SIMの契約と一緒に購入すると、3万2000円〜3万6000円(税込)の安い金額で購入できるキャンペーンなどを実施している。事業者によっては限定カラーも購入可能だ。また、家電量販店でも単体の製品を39740円前後(税込)で購入できる。
今回、mineoから販売されている限定色「ピンク」と同社が11月19日から提供を開始したauプラン(Aプラン)向けの新仕様のSIM「au VoLTE対応SIM」で使い勝手を試してみた。
まずは、arrows M02の基本的な使い勝手について見ていこう。ドコモ回線とau回線のSIMについては後半で紹介する。
ディスプレイには5.0型HD(720×1280ピクセル)の有機ELディスプレイを搭載。解像度はローエンドクラスだが、色鮮やかさやコントラストでは「iPhone 6s」や「Xperia Z5」よりも良好だ。CPUは1.2GHz(4コア)のQualcomm Snapdragon MSM8916、メインメモリは2Gバイト、ストレージは16Gバイト、バッテリー容量は2330mAhで、ブラウザやTwitter、LINE、YouTubeなどは快適に操作できた。OSはAndroid 5.1を搭載している。
arrows M02を触ってすぐに気付くのは、日本メーカー製のスマホや携帯電話を使っている人にとってはおなじみの機能をしっかり搭載している点だ。
本体にはスマホの充電ホルダーや充電器が付属。また、防水・防じん・耐衝撃仕様なのでお風呂場やキッチンでも扱いやすい。手袋をしたまま操作できる「手袋タッチ」モードも搭載するので、冬のアウトドアでも活躍してくれそうだ。
本体で留守番電話を記録できる「伝言メモ」は、留守番電話サービスのない格安SIMで使う時や、留守番電話サービスの支払い額を抑えたい人にとっても便利な機能といえる。おサイフケータイは「モバイルWAON」「楽天Edy」「ローソンモバイルPonta」などに対応。ただし、「モバイルSuica」や「nanaco」には、今のところ対応していない。
ホーム画面は左にフリックするとアプリ一覧が表示される、独自の「Leaf UI」を採用。海外のSIMロックフリースマホやiPhoneに近いスタイルだ。一般的なAndroid端末と似たスタイルの「NX!ホーム」も選べる。
通話やアドレス帳、設定画面はシンプルなアイコンと文字で、初心者でも理解しやすいように配慮されている。フォントも文字を判別しやすいモリサワの「UD新丸ゴ」を採用。説明書も大きめの見やすいものが付属している。これなら、安心してスマホ初心者や高年齢層にも勧められる。
画面サイズは約5型で横幅68.9ミリ、男性の大きめの手なら片手でも何とか操作できるサイズだ。この操作性を補うため、スライド操作で画面を下にずらして表示できる「スライドディスプレイ」ボタンも用意されている。これにより、片手で指が届かない位置の操作ができる。この機能は設定でオフにすることも可能だ。
日本語入力システムには、予測変換に優れ、新しい単語を自動で追加させる機能もある「Super ATOK ULTIAS」を搭載。着せ替えでケータイ風の操作画面も選択できる。このほか、画像内の文字をなぞってテキストとしてコピーできる「なぞってコピー」機能も搭載。画面のキャプチャーで情報が送られてきたときでも、簡単にテキストデータとして抽出できるのは便利だ。
富士通のケータイやスマホの利用者ならおなじみの歩数計機能も搭載。東海道五十三次や日本本州縦断の仮想コースといった目標で楽しむこともできる。
このような防水仕様やおサイフケータイ、充電ホルダーや伝言メモなどは、日本のユーザーにとっては当たり前でも、海外メーカーのSIMロックフリースマホにはほとんど搭載されていない機能だ。もちろんCPUが同じでより安い海外メーカー製品もあるが、日本メーカーならではの便利さや安心感が欲しいならarrows M02はむしろ安い、お得感のある製品といえる。
ここまで紹介した内容だけでも、格安SIMのスマホに興味を持った初心者や高年齢層に勧めるには今のところ一番マッチした端末だといっていいだろう。次の項目ではスマホ好きが気になるカメラやベンチマーク結果について見ていく。
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