春は新入学、進級で新たにケータイを契約する人が多い季節。当然、携帯電話各社が学生向けのお得なキャンペーンを始める。やっとケータイを使ってもいいとお許しが出た人、今までケータイ(フィーチャーフォン)を使っていた人、新学期は新機種を使いたい人、そして子どもにケータイを買わないと、という親の方。そんな人たちに注目してほしいのが、各社が展開している「学割」だ。NTTドコモは「応援学割2013」、auは「学割」、ソフトバンクは「ホワイト学割 with 家族 2013」を提供しているが、違いはあるのだろうか。条件や料金を比較してみた。
今回の学割比較では「スマートフォンを購入する場合」を想定している。iPadなどのタブレットでも学割が適用される場合があるが、ほとんどの学生さんは、通話ができてカメラも高性能なスマホの1台持ち、というケースが多いのではないだろうか。
まず、スマートフォンを使う場合の料金をおさらいしておこう。スマートフォンを買う場合、スマホ本体の代金とは別に、基本使用料、通話料金、パケット通信料、ISP料金(インターネット接続料)が発生する。一方、スマホを新たに購入すると、ドコモは「月々サポート」、auは「毎月割」、ソフトバンクなら「月月割」という割引が受けられる。この割引分を本体価格から引いて、スマホが「実質負担額○○円」と表記されることもある。
ただ、この毎月の割引は本体価格ではなく、基本使用料やパケット定額料金などから割り引いているので、利用料金が割引額を下回ると、割り引きの恩恵を最大限受けられないので注意したい。
スマートフォン購入時に支払う費用は以下のとおり。
端末代金は分割払いでもよい。その場合は毎月の費用に「端末の分割代」が加わる。一括で買えば初期費用が高いものの、毎月の費用は抑えられる。分割なら初期費用は抑えられるが、毎月支払う金額が増える。どちらで買ったとしても結果的に支払う金額は同じだ。新規契約やMNPなどの手数料、オプションサービス料、ユニバーサルサービス料は今回は省いた。
まずは3キャリアの学割の概要をまとめた。
ドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
キャンペーン名 | 応援学割2013 | 学割 | ホワイト学割 with 家族 2013 |
申込締切 | 5月31日(金) | 5月31日(金) | 5月31日(金) |
学割対象者 | 3歳以上(未就学可)〜大学院生まで | 小学生〜大学院生まで | 0歳以上(未就学可)〜大学院生まで |
学割の適用期間 | 最大3年 | 最大3年(機種変更を除く) | 最大3年 |
学割の再加入 | 可能(応援学割2012適用の人は除く) | 不可 | 不可 |
学割適用の家族 | 3親等以内(新規・MNP/ファミリー割引) | 続柄を証明できる(新規・MNP/家族割) | 血縁・婚姻・同住所を証明できる(新規・MNP/ホワイト家族24) |
家族の学割適用期間 | 最大3年 | 最大3年(新規最大1年) | 最大3年(新規最大1年) |
期間については、各社学割はすでに始まっており、申込期限は5月31日までの横並び。
意外と知られていないかもしれないのが、加入条件がキャリアによって異なること。ドコモとソフトバンクは幼稚園や保育園児といった未就学の子どもも学割の対象になる。ソフトバンクは何と赤ちゃんも学割を受けられる。ただし年齢が低い子どもとの契約は、親権者による申し込み、各種確認書類の提出など条件が設けられている。高校生や大学生の場合は学生証や在学証明書、入学前なら合格通知書などが必要だ。
学割の適用期間は各社最大3年間だが、auのみ機種変更時には学割が適用されないので、すでにauユーザーでケータイからスマートフォンへと考えている人はちょっと残念。ただしauは3月31日まで、25歳以下の新規・機種変更の場合、Androidスマートフォンの本体価格を最大1万500円割り引く「U25 auスマホ割」も提供しているので、機種変更の人は利用しよう。もっともこの割引、学割とも併用できるので、やっぱり新規、MNPの方が得なのだが……。
「学割の再加入」についても実は違いがある。auとソフトバンクは過去に学割に加入していると、現在の学割には再加入ができないのだ。ドコモは、昨年の応援学割2012に加入している人以外なら、同一回線でも再加入できる。最も長期間、学割が適用されるのは、ドコモというわけだ。
もう1つ学割の注目ポイントが「学割は家族にも適用される」こと。家族が学割の適用を受ける場合の条件は、以下のとおり。
家族に対しては、auとソフトバンクはMNPで乗り替えた人しか3年間適用されない。一方、ドコモは新規とMNPどちらも、学生の家族には3年間適用される。auとソフトバンクでは家族が新規契約の場合、1年で学割が終わってしまうのだ。また、3社とも機種変更した家族に対しては、学割は適用されない。
2の家族間割引とは、ドコモの「ファミリー割引」、auの「家族割」、ソフトバンクの「ホワイト家族24」のこと。注目したいのが、3にもある通り、家族の割引期間。新規契約とMNPどちらでも学割が3年にわたって適用されるのがドコモ。auとソフトバンクはMNPで他社から移らないと、3年にわたる割引は受けられない。
4について具体的に見ていくと、LTE対応のスマホを買う場合、ドコモなら「タイプXiにねん」、auなら「LTEプラン+誰でも割」、ソフトバンクは「ホワイトプラン+S!ベーシックパック+指定パケット定額」と契約する必要があり、2年の途中で解約すると、それぞれ解除料として9975円が発生する。
学割が適用される「家族」とは、どこまでを示すのか。この家族の範囲が特に広いのが、auとソフトバンクだ。auの場合は続柄が証明できる書類(住民票や戸籍謄本)があれば適用範囲になる。遠い親戚でもいい。ソフトバンクはさらに同じ住所で生計を立てている人でもOK。「結婚はしていないけど同棲している」といった人にはソフトバンクがよさそうだ。ドコモは3親等以内となる。もっとも3親等以内でも、子どもを中心に考えると、親、兄弟、祖父母、曽祖父母、伯(叔)父母、甥姪まで含むので、この条件でも多くの人が適用となる。
ただし遠方に住んでいる家族を学割に適用させる場合には、確認に手間がかかる。家族と離れて暮らす学生がいるのなら、引っ越す前や、引っ越しのときに家族と一緒に契約すると効率がよさそうだ。
ここまでの各社の特長をまとめておく。
ドコモ
au
ソフトバンク
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