時系列で振り返る2014年モバイル業界あの時社長はこう言った(2/2 ページ)

» 2014年12月19日 12時00分 公開
[村上万純,ITmedia]
前のページへ 1|2       

7〜9月:大型化の波がついに「iPhone」にも

photo ワイモバイル代表取締役社長兼CEO エリック・ガン氏

 7月は、8月1日に誕生した新キャリア「ワイモバイル」の発表会に注目が集まった。当初発表されていたヤフーの買収が白紙になるなど気になる動きはあったものの、ウィルコム時代から培ってきた音声定額サービスや低価格な料金プランで他社との差別化を図っていた。同社の料金プランについて、ワイモバイルのエリック・ガン社長は「他社の料金プランは複雑すぎて分かりにくい。Easy to understandにした」と説明していた。


 7〜8月は各社決算のシーズン。新料金プランで600万ユーザーを突破したドコモは、加藤社長が「順調な滑り出しであった」と自信を見せた。一方のKDDIは、新料金プラン「カケホとデジラ」よりもau WALLETの好調ぶりをアピール。サービス開始より「41日で300万ユーザーを突破」し、「auサービス史上最速」と田中社長が説明した。また、KDDIはHTCシリーズの新作「HTC J butterfly」も投入。同シリーズのファンの注目を集めた。

 そして9月と言えば、毎年恒例のApple発表会。今年のiPhoneは4.7型と5.5型に大画面化した「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」が3キャリアで発売され、合わせてSIMロックフリー版もAppleストアで販売された。各社が旧端末の下取りキャッシュバックや、iPhone専用割引キャンペーンを実施するなど、ユーザー獲得競争を繰り広げるのはまさに風物詩と言える。

photo iPhone 6とiPhone 6 Plus

10〜12月:混戦極めるMVNOと待望の「Nexus 6」

 10月から12月は秋冬商戦の季節。Appleからは厚さ7.5ミリで「Touch ID」搭載の「iPad Air 2」と、同じくTouch ID採用の「iPad mini 3」が発表された。各キャリアがシェアプランのような2台目需要を掘り起こす料金プランを用意するなど、2台目端末としてのタブレット活用に注力する姿勢を見せていた。

photo 「iPad Air 2」(左)と「iPad mini 3」(右)

 キャリア発表の2014年冬モデルではソニーモバイルコミュニケーションズのフラッグシップモデル「Xperia Z3」がキャリア3社から発表され、大きな話題となった。ドコモとKDDIは「GALAXY Note Edge」も販売している。

 ハイエンド端末で注目したいのはワイモバイルの6型スマホ「Nexus 6」。OSに最新のAndroid 5.0 Lollipopを搭載したSIMロックフリー版とあり、発売前からユーザーの注目を集めていた。ワイモバイルのガン社長は「昨年(2013年)の販売実績のおかげで、独占販売権を取っている」とし、2013年に発売したNexus 5は「世界のキャリアで、販売台数が1位に近い(2位)」と話した。Nexusは同社にとって大きな原動力となりそうだ。

photo 「Nexus 6」

 また、年度末に向けてMVNO市場がさらなる盛り上がりを見せている。フュージョン・コミュニケーションズの「楽天モバイル」が音声通話付きサービスを提供し、ASUS(エイスース)製の「ZenFone 5」とのセット販売を開始。ZenFone 5はチップセットにミッドレンジ向けの「Snpadragon 400」を搭載し、720×1280ピクセル表示の5型ディスプレイを採用したモデル。2万円台後半で買えるお手軽さが魅力だ。

 ZenFone 5に対抗すべく、Huaweiもミッドレンジモデルの「Ascend G620S」を発表している。低価格競争ではプラスワン・マーケティングの「freetel mobile」も負けていない。ワイヤレスゲートのワンコインで250kbpsの通信を使い放題の格安サービスにも注目したい。NTTコミュニケーションズの「OCN モバイル ONE」も音声通話付きSIMの提供を発表したほか、「CCCモバイル」「DMM mobile」「UQ Mobile」など新サービスが矢継ぎ早に発表されており、日々目が離せない。

photo 楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 2015年もMVNO市場が話題に事欠かないことは想像に堅くない。ほかにも、NTT東西の光回線をセット販売する「ドコモ光」や総務省のSIMロック解除に関する方針などに注目が集まる。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年