2008年のPC業界で最も話題に上ることが多かったトピックの1つは、やはりNetbookだろう。ASUSTeKが「Eee PC」で開拓した低価格ミニPC市場は、インテルのAtomプロセッサの登場によって花開いた。当初は台湾勢をはじめとする海外PCベンダーが優勢だったものの、現在は東芝やNEC、オンキヨーなどの国内勢も参入しており、数多くのメーカーがしのぎを削っている。
もっとも、Diamondvilleの名で呼ばれてきたAtom(200番台)を搭載する製品は、液晶パネルのサイズやストレージの種類(SSD/HDD)などで違いはあるものの、スペックはほぼ横並びの状況。例えば、Atom N270(1.6GHz)のCPU、Intel 945GSE Expressチップセット、1Gバイトのメモリ(PC2-4200対応)、1024×600ドット表示の画面解像度、そしてWindows XP Home Edition(SP3)というのがその典型だ。このため差別化のポイントは、本体のデザインや機能面に集約される傾向にある。
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そういった状況の中、国内PCメーカーのエプソンダイレクトは、10.2型ワイド液晶搭載の新鋭機「Endeavor Na01 mini」を投入し、4万6800円という価格でNetbook市場に打って出た。コンシューマー向けPCでは標準装備となりつつあるWebカメラやBluetoothなどを思い切って省く一方、同社らしいシンプルなデザインと良好な入力環境、そして競合機を圧倒するコストパフォーマンスで勝負をかけた製品だ。PC USERではすでにレビューを掲載しているが、今回は動画でその特徴や外観を見てみよう。
動画でも分かるように、つや消しのブラックで塗った単色の外装や、直線基調のボディは、エプソンダイレクトらしい飾り気のないデザインだ。主要キーが17ミリピッチの日本語86キーボードは、2ミリのキーストロークを確保し、キーボードユニット自体の剛性感も高く、快適にタイピングを行える。液晶ディスプレイは非光沢タイプのパネルを採用しており、外光が映り込みにくいぶん場所を問わずに利用できるだろう。
一方、余裕のある入力環境を備える半面、底面積は266(幅)×184.7(奥行き)ミリと大きく、ボディの高さは39ミリもあり、Netbookの中ではかなり厚い部類に入る。本体重量は約1.28キロだ。
また、バッテリー駆動時間は公称値で約3.2時間とやや心もとない。実際に「BBench V1.01」(海人氏作)を使ってバッテリー駆動時間を計測したところ(設定は、10秒おきにキーボード押下/60秒ごとに無線LANによるインターネット巡回/液晶輝度は16段階設定で中間)、2時間45分ほどでバッテリー残量が3%に達した。現状で大容量バッテリーは用意されていないため、屋外で長時間利用する人は、同容量のスペアバッテリーを持ち歩く必要がありそうだ。


1024×600ドット表示に対応した10.2型ワイド液晶を搭載する。ノングレアパネルを採用しており、外光の映り込みが少ない。色はあっさりめだが輝度は十分に高い(写真=左)。主要なキーを17ミリピッチでそろえたキーボードを搭載。しっかりとした作りで、強めに押してもユニットがたわむことはなかった。タッチパッドは標準的な2ボタン構成だ(写真=中央)。本体底面からHDDとメモリにアクセスできる。HDDは160Gバイトの容量を持つ2.5インチSerial ATAドライブを搭載する。保証外になるが、高速なSSDや500GバイトHDDに換装するといったことも簡単に行える(写真=右)Netbookをメディアブラウザとして使うのであれば、静止画や動画の発色がよい光沢パネルのほうが見栄えがいいし、キーボードの使い勝手もWebブラウズ用途ならそれほど重要ではないかもしれない。しかし、Netbookをテキストエディタとして活用したいと考える人にとっては、Endeavor Na01 miniが有力な選択肢となるだろう。PCに求めるものとして、まず第一に“良質な道具”であることを優先してきたエプソンダイレクトのスタンスは、Netbookのカテゴリでもまったく揺らいではいない。まさに“質実剛健”という言葉がぴったりの1台だ。
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