使う前に知りたい「Mac App Store」5つの疑問試してみた(2/2 ページ)

» 2011年01月07日 14時04分 公開
[広田稔,ITmedia]
前のページへ 1|2       

疑問3、有料アプリの価格は高い、安い?

OmniGraffle Pro for Macは、Mac App Storeと国内代理店で価格が違う

 安いものも、高いものもある。安いものでは、アップルの「Aperture 3」が目立つ。パッケージを買うと1万9800円のところ、Mac App Storeでは9000円と半額以下だ。iPhotoで機能不足を感じていたり、RAWデータをよく現像する人なら、ぜひともゲットしておきたい。

 一方、iLife '11は、パッケージで買うとiPhoto、iMovie、GarageBand、iDVD、iWebの5本が含まれていて4800円だが、Mac App Storeでは、iPhoto、iMovie、GarageBandのバラ売りのみで、各1700円と少しだけ割高だ。ただし、iDVDとiWebはiLife '11になっても前バージョン('09)と中身が変わっていないため、iLife '09を持っていて、iPhotoだけを使うのであれば検討する価値はある。

※記事初出時、iPhoto、iMovie、GarageBandの価格を誤って記載していました。おわびして訂正します。

 サードパーティ製品もまちまちだ。定番のテキストエディタ「Jedit X」は2800円だが、開発者のWebサイトから購入すると消費税込みで2940円となる。一方、グラフ作成ツールの「OmniGraffle Pro for Mac」は2万3000円だが、国内代理店であるアクト・ツーのウェブサイトでダウンロード版を買うと1万8800円で済む。さらに開発元のオムニグループでは199.95ドル(1ドル85円換算で約1万7000円)だ。

 App Storeでは、以前より0.99ドル=115円の固定レートでアプリを販売しているため、円高の今は特に海外製アプリを割高に感じてしまう。購入前には、販売元のWebサイトをのぞいて、元の価格を確かめておくといい。

 もっとも、Mac App Storeの価格が少しくらい高くても、アップデートや複数台のMacにインストールするときの手間を考えると、十分元が取れると判断する人もいるだろう。価格か便利さか、個人の好みで選ぶといい。

疑問4、すでに買ったソフトはどうなるの?

すでにMacの「アプリケーション」フォルダにインストールされているソフトは、価格の部分が「インストール済み」になる

 すでにWebサイトや販売店を通じて入手し、Macにインストールしてあるソフトは、Mac App Storeでは「インストール済み」と表示されるものもある。例えば、iPhotoやKeynoteといったアップル純正ソフトは、インストール済みであることを教えてくれるので、2重のダウンロードを避けられる。

 ただ、筆者の環境にはJedit Xがインストールされているが、App Storeのステータスは購入済みにならないという現象も起きている(1月13日追記:従来版のJedit Xに対して、App Storeのライセンス形態に対応するJedit X Standardが別プログラムとして公開されているため。Jedit XとJedit X Standardの機能的な差異は開発者のページで参照できる)。こうしたアプリをMac App Storeで管理したい場合、基本的には買い直さなければならない。また、Mac App Storeによるバージョンアップも、ストアを通じて買ったものにしか提供されない。

疑問5、購入したアプリは別のMacでも使える?

 アップルに確認したところ、1人で5台までのMacにインストールして使えるとのことだ1月13日追記:同社広報から「自分のMacであれば台数無制限で利用できる」と再回答がありました。おわびして訂正します)。別のMacでソフトウェアを使う場合は、アプリをコピーして起動し、初回にアップルIDを入力すればいい。もしくは、Mac App Storeから無料で再ダウンロードすることもできる。

いったん買ったソフトは、別のMacにコピーして、起動時に一度だけ認証すれば使えるようになる。Mac App Storeでログインし「購入済み」タブを開いて「インストール」ボタンを押してもいい

iTunes Storeの利用条件にも、「特定の個人が1つまたは複数のMac製品上で使用するため、または複数人が1つの共有Mac製品上で使用するために、Mac App Store商品をダウンロードおよび同期することができます」と明記されている(画面=左)。Mac OS Xのバージョンが10.6.5以前では、購入したアプリをコピーしても禁止マークが付いて使えない(画面=右)

 以上、実際に利用してみたが、iPhoneやiPadのように手軽にアプリを管理できるという意味で、Mac App Storeが果たす役割は大きいと感じた。Mac App Storeが登場したことにより、iPhoneでアップルが構築したハード/ソフト/流通の融合をMacでも実現したわけだ。

 これから半年、Mac App Storeは時間をかけて熟成していき、Mac OS X 10.7「Lion」が出るころには、その真価を発揮するようになるだろう。現時点でもさまざまな無料アプリが用意されているので、Snow Leopardユーザーは今からアップデートして試してみてほしい。

「MacBook Air」をApple Storeで購入する
8万8800円から購入可能になったスリムノート。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年01月15日 更新
  1. 実売1万4800円で手に入るエレコム「Touch Book for iPad 10.9インチ(第10世代)」は理想のキーボードケースとなるか? 試して分かったこと (2025年01月13日)
  2. Socket AM5向けの新チップセット「AMD B850/B840」搭載マザーボードが一斉デビュー (2025年01月14日)
  3. 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年1月14日現在】 (2025年01月14日)
  4. この機に“Sandy Bridge”を卒業する人も――年末年始はWindows 11への移行が加速 (2025年01月11日)
  5. アンカー、カード型紛失防止トラッカーを自主回収 周囲の磁気カードに影響を及ぼす恐れ (2025年01月14日)
  6. NVIDIAが“夢のPC”を無料制作できるキャンペーンをスタート/「Creative Cloudフォトプラン(20GB)」を1180円から1780円に値上げ (2025年01月12日)
  7. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  8. GeForce RTX 50だけではない! 社会がAIを基礎にしたものに置き換わる? 「CES 2025」で聴衆を圧倒したNVIDIAの最新構想 (2025年01月10日)
  9. パナソニックのレッツノートがお得に買える! 「カスタマイズレッツノート WINTER SALE」開催中 (2025年01月14日)
  10. なぜAI全振りを表明したのか パナソニックグループの「CES 2025」ブースを見て分かったこと (2025年01月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年