安いものも、高いものもある。安いものでは、アップルの「Aperture 3」が目立つ。パッケージを買うと1万9800円のところ、Mac App Storeでは9000円と半額以下だ。iPhotoで機能不足を感じていたり、RAWデータをよく現像する人なら、ぜひともゲットしておきたい。
一方、iLife '11は、パッケージで買うとiPhoto、iMovie、GarageBand、iDVD、iWebの5本が含まれていて4800円だが、Mac App Storeでは、iPhoto、iMovie、GarageBandのバラ売りのみで、各1700円と少しだけ割高だ。ただし、iDVDとiWebはiLife '11になっても前バージョン('09)と中身が変わっていないため、iLife '09を持っていて、iPhotoだけを使うのであれば検討する価値はある。
※記事初出時、iPhoto、iMovie、GarageBandの価格を誤って記載していました。おわびして訂正します。
サードパーティ製品もまちまちだ。定番のテキストエディタ「Jedit X」は2800円だが、開発者のWebサイトから購入すると消費税込みで2940円となる。一方、グラフ作成ツールの「OmniGraffle Pro for Mac」は2万3000円だが、国内代理店であるアクト・ツーのウェブサイトでダウンロード版を買うと1万8800円で済む。さらに開発元のオムニグループでは199.95ドル(1ドル85円換算で約1万7000円)だ。
App Storeでは、以前より0.99ドル=115円の固定レートでアプリを販売しているため、円高の今は特に海外製アプリを割高に感じてしまう。購入前には、販売元のWebサイトをのぞいて、元の価格を確かめておくといい。
もっとも、Mac App Storeの価格が少しくらい高くても、アップデートや複数台のMacにインストールするときの手間を考えると、十分元が取れると判断する人もいるだろう。価格か便利さか、個人の好みで選ぶといい。
すでにWebサイトや販売店を通じて入手し、Macにインストールしてあるソフトは、Mac App Storeでは「インストール済み」と表示されるものもある。例えば、iPhotoやKeynoteといったアップル純正ソフトは、インストール済みであることを教えてくれるので、2重のダウンロードを避けられる。
ただ、筆者の環境にはJedit Xがインストールされているが、App Storeのステータスは購入済みにならないという現象も起きている(1月13日追記:従来版のJedit Xに対して、App Storeのライセンス形態に対応するJedit X Standardが別プログラムとして公開されているため。Jedit XとJedit X Standardの機能的な差異は開発者のページで参照できる)。こうしたアプリをMac App Storeで管理したい場合、基本的には買い直さなければならない。また、Mac App Storeによるバージョンアップも、ストアを通じて買ったものにしか提供されない。
アップルに確認したところ、1人で5台までのMacにインストールして使えるとのことだ(1月13日追記:同社広報から「自分のMacであれば台数無制限で利用できる」と再回答がありました。おわびして訂正します)。別のMacでソフトウェアを使う場合は、アプリをコピーして起動し、初回にアップルIDを入力すればいい。もしくは、Mac App Storeから無料で再ダウンロードすることもできる。

iTunes Storeの利用条件にも、「特定の個人が1つまたは複数のMac製品上で使用するため、または複数人が1つの共有Mac製品上で使用するために、Mac App Store商品をダウンロードおよび同期することができます」と明記されている(画面=左)。Mac OS Xのバージョンが10.6.5以前では、購入したアプリをコピーしても禁止マークが付いて使えない(画面=右)以上、実際に利用してみたが、iPhoneやiPadのように手軽にアプリを管理できるという意味で、Mac App Storeが果たす役割は大きいと感じた。Mac App Storeが登場したことにより、iPhoneでアップルが構築したハード/ソフト/流通の融合をMacでも実現したわけだ。
これから半年、Mac App Storeは時間をかけて熟成していき、Mac OS X 10.7「Lion」が出るころには、その真価を発揮するようになるだろう。現時点でもさまざまな無料アプリが用意されているので、Snow Leopardユーザーは今からアップデートして試してみてほしい。
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