日本からの海外渡航先として人気の高い韓国、出張や旅行で訪れる人も多いことだろう。日本国内の地方都市からも多数の航空路線がソウルやプサンなどを結んでおり、国内移動の感覚で韓国を訪問できる点も人気の理由の1つと思われる。
韓国は、平均的な物価が日本より安めで、食費や交通費、また洋服などの買い物もしやすい。為替レートは2011年5月時点で1ウォン=0.075円前後となっている。通信業界は事業者の統合が相次ぎ、今では大手3社が固定電話、携帯電話、ブロードバンドを統合的にサービスしている。
携帯電話においてはSKテレコムのシェアが約50%と高く、2位のKTは元国営企業の固定事業者であったこともあり、固定電話やブロードバンドのシェアが高い。両者の携帯電話事業はCDMA2000からW-CDMAへの切り替えが進んでおり、さらには韓国版WiMAXである「WiBro」も展開されている。この2社を追いかけるのがLG U+(旧LGテレコム)で、携帯電話はCDMA2000方式でサービスを展開中だ。
この3社が激しく競争を行う結果、韓国国内はすでに高速通信網が縦横に張り巡らされている。
事業者名 | ブランド名 | W-CDMA | CDMA2000 | WiBro |
---|---|---|---|---|
KT | olleh | ○ | △(W-CDMAへ移行中) | ○ |
SK Telecom | T | ○ | △(W-CDMAへ移行中) | △(ソウル周辺のみ) |
LG U+ | U+ | × | ○ | × |
ただ、海外渡航者においては1つ問題点もある。諸外国のように外国人が現地の携帯電話を購入することは難しいのだ。プリペイドSIMカードは販売されておらず、Card Phoneと呼ぶプリペイド携帯で細々と音声通話サービスが提供されているだけとなっている(原稿執筆時点)。
このようにプリペイドSIMのサービスが皆無に等しい韓国なのだが、変わりに外国人向けのレンタル携帯サービスが大変利用しやすいので安心してほしい。例えばソウルに近い仁川国際空港では通信事業者のレンタルカウンターが24時間オープンしている。カウンターでは英語が通じ、場合に日本語可能なスタッフが在籍していることもある。
そしてデータ通信に特化したサービスも、SKテレコムとKTがWiBro端末のレンタルを行っている。利用エリアはSKテレコムがソウル周辺のみ、対してKTは国内約80都市と主要高速道路周辺などで対応し、かなり広い範囲で利用できる。
筆者のお勧めはKTだ。こちらはレンタル品にWiBroのWi-Fiルータの用意がある。また、日本のWiMAX内蔵PCによるWiMAX契約者であれば、ノートPCでKTのWiBroネットワークローミングが利用可能となっている。
というわけで今回は、KTのWiBro Wi-Fiルータをレンタルする手段と、UQ WiMAXの韓国WiBroローミングを試そう。
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