WiMAX内蔵ノートPCを所持するWiMAXユーザーであれば、UQコミュニケーションズの「WORLD WiMAX」サービスとして、韓国ではKTのWiBro回線をローミングで利用できる。ローミング料金は定額で1万ウォン/24時間(約750円)。2011年6月30日までキャンペーンのため、3000ウォン/日(約230円)で利用できる。料金はクレジットカードの利用が必須で、オンライン契約でKTへ直接支払う仕組みとなっている。
なお、WiMAX内蔵ノートPCであっても、KTのローミングは旧型WiMAXモジュールを搭載するモデルは利用ができないので注意が必要。これは、日本のWiMAXが2.5GHz帯を利用するのに対し、WiBroは2.3GHz帯を使用するためだ。
具体的には、Intel WiMAX/WiFi Link 5150は2.5GHz帯のみ対応となり、韓国では残念ながら利用できない。対して、最近の「Centrino Advanced-N + WiMAX 6250」や「Centrino Advanced-N + WiMAX 6150」など、2.5GHz/2.3GHz帯のデュアルモードに対応するWiMAXモジュールであれば大丈夫だ(ただし、6250は韓国渡航前にWiMAX接続ユーティリティーのバージョンを2.3.1以上に上げておく必要がある)。韓国での利用においては、まずUQ WiMAXの「WORLD WiMAX」紹介ページに詳しい利用案内があるので、渡航前に一度目を通しておこう。
現地で、WiMAX接続ユーティリティーを立ち上げてネットワークを検索すれば、KTのWiBro(表示はSHOW WIBRO)が見つかるはずだ。
このネットワークに接続し、ブラウザを起動すると自動表示されるサイトにて「KT DayPass」の申し込みを行えばよい。英語の案内に従い、利用時間を選択してクレジットカード情報を入力すれば、その場で利用できるようになる(なお、一番最後の画面で「Complete」ボタンをクリックしても、画面表示はそのままで変わらなかった──点が少し気になった。ダイアログボックスが表示され1、2分待てばWiBroネットワークへのアクセスが可能になるので、そのまましばらく待っていよう)。
WiMAX内蔵ノートPCでのWiBroアクセスは、ルータ型のEggより良好な印象で、ソウルの都心部では10M〜15Mpbs前後の速度を記録した。3G回線よりかなり高速であり、しかも3Gサービスと同様に移動中や地下鉄内でも利用できる(日本でも今後、WiMAXが地下鉄移動中に使えるようになるというので、少し楽しみだ)。というわけで、韓国訪問が多い人で今後ノートPCを買い替えるなら、「WiMAX内蔵モデル」にすると日本でもソウルでも(ついでにアメリカの一部都市でも)かなり便利に活用できると思う。
韓国は、3GプリペイドSIMカードやモデムの購入はできないが、より高速に通信できるWiBroルータを容易に借りられ、かつWiMAX内蔵ノートPCであればWiBroローミング利用もすこぶる手軽に行える。今後、韓国訪問時のデータ通信の確保には、現地のWiBroネットワークを利用してみることをお勧めしたい。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、2008年は100台以上携帯電話を購入。所有する海外端末数は600台以上(2009年3月時点)。
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