5分で分かる、先週のモバイル事情――5月9日〜5月15日

» 2009年05月18日 15時59分 公開
[ITmedia]

ドコモとソフトバンクモバイル、5月19日に夏モデル発表

 ソフトバンクモバイルが、5月19日に夏モデルを発表することを明らかにした。午前10時から発表会の様子をライブで中継する。

 同日にはNTTドコモも夏モデルを発表するとし、13時からライブ中継を実施。上りを最大5.7Mbpsに高速化するHSUPAや、画面の一部でFlash動画を再生できるインラインFlashの導入を検討しているという。

 端末は、HSUPA対応のデータ通信端末「L-05A」を6月に発売することが分かっているほか、HTC製のAndroid端末を投入するという一部報道もある。

 また、ドコモのものと思われる型番の製品「F-08A」「F-09A」「N-06A」「N-07A」「N-08A」「N-09A」「P-07A」「P-08A」「P-09A」「P-10A」「L-04A」「L-06A」、ソフトバンクモバイルのものと思われる型番の端末「832P」「931P」「930N」「933SH」がJATEの審査を通過している。

青山学院大学、社会情報学部の全学生にiPhone 3Gを配布

Photo 左からソフトバンクテレコム 代表取締役副社長の宮内謙氏、青山学院大学 学長の伊藤定良氏、同大 社会情報学部 学部長の魚住清彦氏

 青山学院大学とソフトバンクモバイル、ソフトバンクテレコムは、iPhone 3Gを利用したモバイルインターネット社会の教育と研究を共同で進めることで合意し、基本協定を結んだことを明らかにした。

 この協定の一環として、青山学院大学 社会情報学部の全学生と教員に550台のiPhone 3Gを配布。iPhoneの日常利用で得られる体験を通じ、ネット社会で役立つ提案力を備えた学生の育成を目指す。

 社会情報学部は今年で開設2年目を迎えた新しい学部で、2年生には5月15日、1年生には5月19日からiPhoneを配布。完成年次には1000台規模の導入になる見込みとしている。

 iPhone 3Gの活用については、GPSを利用した講義への出欠確認や、授業の資料・教材の配布、授業風景の動画配信を、後期の授業から導入する予定。ほかにも低学年の学生には、App Storeの各種アプリの利用を通じて、新たなライフスタイルの提案を喚起するほか、授業の中でもサイトやアプリを提案して情報の交換を促すという。

 高学年の学生については、モバイル・ネット社会を構築するサイトやアプリシステムの研究と実際の開発を通じて、世界のマーケットで通用するアイデアや開発成果の発信を目指す。

4月の携帯契約数、ソフトバンクとイー・モバイルが10万強の純増

 電気通信事業者協会(TCA)は5月12日、2009年4月の携帯電話・PHS契約者数を発表した。4月の携帯電話の純増数は、春商戦ピークの3月(100万4900件)よりは落ち着き、35万5000件となった。携帯・PHSの累計契約数は1億1239万4400件。

 ソフトバンクモバイルの純増数は10万5400件で、24カ月連続で首位を獲得。イー・モバイルの純増数は10万2800件で、3月の12万1900から2割弱の減少にとどめた。イー・モバイルは、上り最大5.8Mbpsの『D23HW』が好調であるのに加え、Netbookとのセット販売による契約者が多いことが好調の理由としている。ドコモの純増数は8万9300件、KDDIは5万7500件と、携帯電話キャリアはそろって純増となった。

3月の携帯出荷台数、300万台を割り込む

 電子情報技術産業協会(JEITA)は5月13日、2009年3月度の携帯電話・PHS端末の国内出荷台数実績を発表した。累計出荷台数は前年同月比60.1%の290万2000台となり、再び300万台を割り込んだ。また、前年同月比は9カ月連続マイナスとなった。

 また2008年度の累計は3585万3000台となり、前年同期比は69.3%だった。JEITAではこの結果について、ワンセグ対応製品の発売が相次いだ前年度(2007年)の反動や最大の商戦期である春商戦が盛り上がりに欠けたこと、そしてなにより米国の金融危機に端を発した10月以降の急激な消費の冷え込みが影響していると分析している。

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組込みシステム開発技術展開催、携帯関連の技術も

 5月13日、東京ビッグサイトで第12回 組込みシステム開発技術展(ESEC)が開幕した。

 ATR-Trekは、話した言葉を自動でテキスト化し、メールの本文として入力する技術を展示。ブースにはデモ用にマイクを装備した「WILLCOM D4」が用意され、説明員がマイクに向かって話した言葉が自動で入力される様子を見ることができた。

 マイクを通じて入力された音声は、まず携帯端末側で音声を認識するのに必要な特徴量のみを抽出してデータを軽くした上で、音声認識サーバに送信される。サーバ側では受け取ったデータをテキスト化し、かな漢字変換を行って端末側にテキストデータとして送り返する。

 ユニークなのは、端末内のアドレス帳や送受信メールなどのデータを固有名詞の認識結果として利用する点だ。例えば、サーバ側での認識が困難な珍しい名字などは、端末側に戻す際に一時的にカタカナで表記し、アドレス帳データを元にした端末内辞書と照合する。ここで合致する固有名詞があれば反映させ、認識結果として表示する仕組みだ。これは、ローカル型音声認識(LSR)と分散型音声認識(DSR)のハイブリッド型音声システムで実現しており、同社によれば実用化されたのは世界初だという。

 3D描画エンジン「MascotCapsule」の開発で知られるエイチアイは、レコメンド型ユーザーインタフェースを展示した。人の行動はある程度パターン化されており、携帯電話に搭載されたGPSやFeliCaなどのセンサー類を利用してデータを取り、それを解析することで「ユーザーの状況をある程度、判断できる」(説明員)という。エイチアイでは、このセンサーデータの解析技術と、時間や状況に応じて変わるユーザーニーズを解析する技術を組み合わせたUIを開発。その成果をブースで展示している。

 デモのUIは、出勤中、帰宅中、会社、外出中などのカテゴリーに分かれており、「出勤中」を選ぶとニュースや天気予報、電車の運行情報など、出勤途中に利用者が必要とする機能やメニューを表示。「会社」を選ぶと、国際ニュースや経済ニュースが表示され、「帰宅中」ではエンタテインメント系のニュースやグルメ情報が表示されるといった具合に、ユーザーの普段の行動に基づいて最適化した機能やサービスを、利用シーンや時間に応じて“先回り”して表示する。「ある行動がユーザーにとって典型的なものであるなら、その行動につながる情報をプッシュで送った方が(メニューを操作して探すより)便利になる」(説明員)

エイチアイが提案するレコメンド型のユーザーインタフェース
(ムービーはこちらからでも参照できます)

会社のメールがプッシュでケータイに――ソフトバンクモバイルの「かんたん会社メール」

 会社のPC宛てに送られたメールが、ほぼリアルタイムでケータイに届き、返信すると相手には会社のアドレスからメールが届く――。ソフトバンクモバイルが6月1日から、「かんたん会社メール」の提供を開始する。

Photo 「かんたん会社メール」のサービスイメージ

 かんたん会社メールは、POP3(APOP、POP3 over SSL)やIMAP4(IMAP4 over SSL)のメールサーバを利用している企業のメールを、携帯電話で閲覧可能にする法人向けサービス。登録すると、「かんたん会社メールサーバ」が企業で利用しているホスティングメールサーバに新着メールを定期的にチェックするようになり、新着メールがあった場合は、サーバ側で宛先と差出人を書き換えて携帯メールに転送する。これによりサービスの利用者は、ほぼリアルタイムで会社宛のメールを携帯電話で確認できるようになる。ドキュメントビューアに対応する機種なら、添付ファイルの閲覧も可能だ。

 携帯電話宛てに届いた会社メールに返信すると、かんたん会社メールサーバ側で宛先と差出人を書き換えて企業のメールサーバに転送。携帯から返信しても、会社のメールアドレスを差出人とする形で相手にメールが届く。

近未来のケータイを想定した研究成果も――ワイヤレス・テクノロジー・パーク

 5月12日と13日の両日、パシフィコ横浜でワイヤレス・テクノロジー・パークが開催された。展示会場では実用化前の技術が展示され、NTTドコモのブースでは、ケータイの未来の形を垣間見せる技術を紹介していた。

 1つは、待受画面に家族や友人のイラストとステータスが表示され、ケータイを開くたびに身近な人の状況が何となく分かるという「眺めてつながるツール」。待受iアプリで、あらかじめ登録してあるユーザーのライフスタイル(社会人、フリーター、学生など)と、位置情報や履歴情報から、生活シーンのさまざまなシチュエーション(起床、就寝、在宅中、仕事中など)やコンディション(疲労度、睡眠度など)を推定する。そして、独自のユーザー行動モデルと履歴情報の統計解析によって推定を行い、約15種類のシチュエーションやコンディションを判定して、画面表示に反映する。

 2つめはドコモが5月11日に発表した「モバイル向けサラウンド音声伝送技術」。電話会議などで、複数人で同時に通話しながら会話をする場合に、音に広がりを持たせて個々の音声を聞き取りやすくしながら、送受信する音声データは圧縮してネットワークや端末の付加は抑えるもので、ヘッドフォンを使って擬似的に音に広がりを持たせ、全員がその場にいるかのような臨場感をもたらす。

 ほかにも、頭の動きやディスプレイの傾きに応じて見え方が変わる、“実物を手に持ったような感覚”を実現する携帯型3Dディスプレイも展示していた。

 講演では、KDDIがLTE導入までの取り組みを説明。LTE導入までには、現行のRev.Aをマルチキャリア化することで高速化し、大容量通信に対応する。マルチキャリアRev.AはRev.Bの一部スペック(マルチキャリア伝送)をサブセットとして採用したもので、KDDIでは下り最大3.1Mbps/上り最大1.8MbpsのEV-DO Rev.A伝送波を3本束ねて、下り9Mbps/上り5Mbps程度の通信速度を想定している。また、5〜10%のトラフィック改善を期待しているという。

 変調方式などはRev.Aと同じなため、基地局などの設備はソフトウェアアップデートで対応するが、端末は対応した製品が必要だ。このマルチキャリアRev.Aについて湯本氏は、2010年後半に導入することを明らかにした。

 音声通話については、LTEを導入しても「すぐに本格的なVoIPへ移行することは考えていない」(湯本氏)という。LTEは主にデータトラフィックの高いエリアで利用し、その外縁や外側ではEV-DO Rev.0(CDMA 1X WIN)やEV-DO Rev.Aにハンドオーバーすることで、途切れなくデータ通信を提供し、一方の音声通話は当面CDMA2000 1Xで提供する予定だ。

中国の3G市場をサポート――――「日中モバイルブロードバンド合作推進会」発足

 中国移動通信聯合会(CMCA)とYRP研究開発推進協会(YRP)、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)の3団体が、5月5日に発足した「日中モバイルブロードバンド合作推進会」の設立経緯や目的について説明した。

 日中モバイルブロードバンド合作推進会は、日中両国の通信キャリアやコンテンツプロバイダ、サービス事業者の交流を促進し、両国の移動通信産業の継続的発展を図ることを目的に設立された団体。1月7日、中国移動(China Mobile)にTD-SCDMA方式、中国電信(China Telecom)にCDMA2000方式、中国聯通(China Unicom)にW-CDMA方式の3G免許が付与されたことを受け、2月にYRP研究開発推進協会の会長を務める甕昭男氏が訪中。中国移動通信聯合会を訪問し、3G分野における日中間のビジネス連携支援を強化することで合意したという。

 2009年の活動目標については(1)総合カンファレンスの開催(2)テーマ別ワークショップの開催(3)ビジネスデスクの開設(4)調査・情報発信活動(5)中国で開催される大型カンファレンスへの出展、参加 を検討しているとし、活動を通じて日中間のビジネス連携や人材の育成、Win-Winのモバイルブロードバンドビジネス交流プラットフォームの構築を目指す。

 日中モバイルブロードバンド合作推進会で日本側の会長を務める、YRP研究開発推進協会 会長の甕昭男氏は、日本が先行する3Gのノウハウを生かして、中国の3Gサービスをサポートできるとし、「このタイミングで、このような協力体制ができたことはうれしい限り。中国のコアネットワークと直結したテスト環境を整備して、コンテンツやアプリケーションの開発をサポートしていきたいと考えており、中国関係機関の協力を得て日本にないTD-SCDMAのテスト環境の整備を図っていきたい」と、連携に関するビジョンを示した。

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