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» 2012年12月03日 23時20分 UPDATE

石野純也のMobile Eye(11月19日〜11月30日):嫉妬される「HTC J butterfly」の魅力/“使い勝手”を訴求する富士通/auとSB版iPad miniの料金を検証 (1/3)

この2週間は冬モデルの話題が相次いだ。冬モデルの中でも一際高い注目を集めているHTCの「HTC J butterfly」は、KDDIとの協業で生まれた第2弾モデル。このほか、ARROWS Vをはじめとする富士通の新機種と、11月30日に発売されたiPad mini/iPad RetinaディスプレイモデルのWi-Fi+Cellularモデルについても取り上げる。

[石野純也,ITmedia]

 11月19日から30日にかけての2週間は、年末に向けて発売される冬モデルの発表が相次いだ。中でも注目を集めているのが、台湾・HTCとKDDIの協業によって生まれた「HTC J butterfly HTL21」だ。“ひとめ惚れの予感です”というキャッチコピーが物語るように、一目見ただけで美しいと感じるフルHDのディスプレイを搭載。KDDIの冬モデルとしては、唯一のAndroid 4.1採用モデルでもある。

 対する国内メーカーの富士通も、64GバイトのROMを搭載した「ARROWS V F-04E」を11月28日に発売。これに先駆け、11月20日にはドコモ向けの商品に関する説明会を開催した。今回は、これら2機種についての発表に加え、11月30日に発売した「iPad mini Wi-Fi+Cellularモデル」の料金をおさらいしていこう。


「欧米の人たちも嫉妬していた」――KDDIとの密な協業で生まれた「HTC J butterfly」

 HTCは、11月20日に記者会見を開催。CEOのピーター・チョウ氏や、CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)の小寺康司氏らが来日し、HTC J butterflyの魅力や、同社の戦略を語った。また、会見にはKDDIの代表取締役社長、田中孝司氏もゲストとして登壇した。

photophoto HTCのCEO、ピーター・チョウ氏。会見にはKDDIの代表取締役社長、田中孝司氏も駆けつけ、親密ぶりをアピールした
photo 発売日が迫ったHTC J butterfly。KDDIの冬モデルで、特に注目度の高い1台だ

 HTC J butterflyは、4月に発売された「HTC J ISW13HT」の後継機で、5インチ、1920×1080ピクセルのフルHDディスプレイを搭載したAndroidスマートフォンだ。CPUはクアルコム製の「APQ8064」でクアッドコアとなり、OSはauの冬モデル唯一のAndroid 4.1を採用する。HTC Jで好評だったF2.0の明るいレンズを採用したカメラはそのままだが、インカメラは広角化。88度の画角で、4人程度の集合写真を撮ることができる。

photophotophoto 高いカメラの画質はそのまま。インカメラも広角対応し、グループでの撮影ができる。アンバサダーに就任した乃木坂46は、この撮影スタイルで7人が収まった
photophotophoto 傘下のBeats Audioで最適な音質を実現できるエンジンも搭載する(写真=左)。au端末では唯一のAndroid 4.1採用モデル。Google Nowも利用できる(写真=中)。端末の特徴を説明する、CPOの小寺氏。ディスプレイやカメラ、音質などに自信をのぞかせた(写真=右)
photo プロモーションのプランなどを説明するHTC NIPPONの村井社長。HTC Jが台湾、香港で成功したことなども語った

 もともとHTCは、「イノベーションを持っている会社」(チョウ氏)で、先進層に訴えかける端末を開発し、米国を中心にスマートフォンのシェアを伸ばしてきた。一方で、日本市場での存在感はそれほど高くなかったのも事実だ。こうした状況を打破すべく投入したのが、先代のHTC Jで、「カラーバリエーションやホーム画面のレイアウト変更も含め、日本に向けに、今までにないような商品を、HTCとして渾身の力をこめて作った」(HTC NIPPON、代表取締役社長、村井良二氏)。

 結果として、HTC JはKDDIの顧客満足度調査で1位を獲得するなど、高い人気を集めた。日本での成功を受け、HTCはHTC Jを台湾や香港にも投入。端末そのものはもちろん、「乃木坂46」をそのまま起用したプロモーションも話題を呼んだ。

 この成功が、HTC J butterflyの投入を後押しした。チョウ氏は「KDDIと一緒になってHTC Jを作った結果、パフォーマンスは我々の期待を上回るものだった」と述べ、今後も日本市場に注力していくことを約束。「KDDIとのパートナーシップは本当にクリエイティブで、(HTCの)レベルが一段上がった」(同)と、協業自体にも満足しているようだ。

 HTCは海外でもハイエンドな端末が人気を博しているが、Samsung電子やLGとは異なり、グローバル向けのブランドを日本に展開していない。「ほかの企業を見ていてもそうだが、そのままではうまくいかない。消費者の期待が違っている」(チョウ氏)と言うように、過去の失敗からの教訓があるからだ。HTC J butterflyについても「DROID DNA」という姉妹機があり、北米ではVerizon向けに供給されているが、「必ずしも同じではない」(同)というのが同社の認識だ。「日本向けには(micro)SDカード対応や、防水が入っていて、カラーバリエーションも異なっている」として、細かな部分で市場に合わせた最適化を行っている。

 KDDI向け端末でヒットを続けるHTCだが、日本でシェアを伸ばすためには、KDDI以外との付き合いも不可欠になる。チョウ氏は「オープンマインドで臨んでいるが、今はKDDIとの関係が非常にタイトになっている」と述べ明言は避けたが、HTC Jシリーズでブランドを築いたあと、同社がマルチキャリア展開をどのように進めていくのかも見どころと言えるだろう。また、チョウ氏はWindows Phone 8の投入に関しては前向きな姿勢を見せ、「日本のマーケットにもぜひ出していきたい」(同)と語った。HTCはWindows Phoneの開発でも他社に先行しているだけに、その動向に注目していきたい。

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