「Xperia A SO-04E」には、画面をタップしてから実際に反応するまでのタイムラグが少なくなるよう、指の動く方向を予測する独自の機能を採用した。このチューニングが影響する操作の1つが「文字入力」だろう。ただ、快適に文字を入力できるかは、本体のサイズや持ちやすさも影響する。
そこで、Xperia Aと「Xperia Z SO-02E」のPOBox Touchを用い、片手でどれだけ快適にフリック入力ができるかをテストした。
文例は以前Xperia AXでも入力した「お世話になっております。小林です。お元気で。」という短文。予測変換を使わずに全文入力する。タイムの計測にはストップウォッチを使う。Xperia AXのときもそうだが、競うわけではないので、あくまで通常の速度で入力する。
結果は以下のとおりだ。
この差は明らかに持ちやすさから生じている。Xperia Aは左側のボタンに届きやすく(筆者は右利き)、漢字の変換候補も直接タップしやすい。Xperia Zはそのまま使うと、幅があるので変換候補を直接タップすると、持ち方のバランスが悪くなる。
ただしXperia A、Xperia Zともにキーボードサイズの変更が可能だ。もっとも筆者の場合、Xperia Aのキーボードサイズは変更しなくてもちょうどよい。
なお、Xperia Aでは日本語入力システムが「POBox Touch 6.1」にバージョンアップしている。これまでのPOBoxとの違いは「手書き漢字入力」が追加されたこと。手書きのかな入力(変換で漢字を入力)には対応していたが、漢字も手書きで入力できるのはXperiaスマートフォンでは初だ(Xperia Tablet Zにも搭載されている)。
試してみたが「かな」「漢字」を意識することなく入力できるので、直感的な入力になったのは間違いない。タッチの反応も良く、指の動きにピタリと追従している。崩した文字も認識するが、筆者の場合、字が相当下手なので誤認識も多い。丁寧に書こうとすると時間がかかるので、手書き入力はキーボード入力に慣れない人か、予測変換とあわせて使うのがよさそうだ。
従来からの「手書きかな入力」や「あいうえお」が並んだ50音入力も引き続き用意されているので、スマホ初心者でも安心だろう。
次にスクロールの操作を行う。Xperia Aでは指の動く方向を予測し、「スクロールの操作性」も向上しているという。では、ITmediaのトップページを上から下、下から上へ往復したタイムを比較するとどうだろうか。これも片手操作でテストした。
これには正直驚いた。使ってみると大きく違う。Xperia Aの「指の動きを予測する」独自機能、そして持ちやすさもあって、Xperia Zよりも明らかに速い。タイムもそうだが、画面を見ていると明らかにXperia Aのほうがスクロールの動きが俊敏だ。Xperia Zは画面の大きさ、持ちやすさで不利とはいえ、単体で操作していると遅く感じることはない。しかし両機種を比べると、意外なほど差があった。
最後にゲームの操作性をテストすべく、片手で操作ができて、筆者が普段から遊んでいる「LINEドラゴンフライト」で比べてみた。縦スクロールの手軽なシューティングゲームだ。ここではタイムとともに「良い成績」を目指す。
ここではXperia Zの圧勝だ。操作をしてみると分かるが、5インチの画面のほうが操作しやすい。タッチの反応自体は両機種問題ないのだが、竜騎士を左右に動かすとき、Xperia Aの小さい画面ではキャラクターが小さく表示され、指に隠れてしまう。モンスターを避けながらゲームを進めるため、モンスターとモンスターの間の隙間も小さく感じられ、Xperia Aでは操作全体が窮屈になる。
4.6インチと5インチは些細な差だと思っていたが、ゲームによってはディスプレイが大きい方が有利のようだ。
一方で人気の「パズル&ドラゴンズ」も遊んでみたが、これは両機種で特に差を感じなかった。常に大量コンボを目指したり、左端のドロップだけを操作したりと、あえて操作に影響しそうな遊び方をしたのだが、気になるほどの違いはなかった。
今回のチェックでは文字入力とスクロールでXperia Aの良さを実感できる結果となった。
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