ドコモおすすめ4機種レビュー(第1回)――基本スペックや持ちやすさを比較する最新スマートフォン徹底比較(2014年夏モデル編)(1/2 ページ)

» 2014年08月08日 00時00分 公開
[田中聡,ITmedia]

 「ツートップ」「おすすめ機種」など、2013年のドコモは商戦期ごとにプッシュしたい機種を打ち出してきたが、2014年夏モデルでは特定のモデルを訴求する方針は取らなくなった。加藤社長も発表会で「おすすめは全機種」と話していた。

 この夏は7機種のスマートフォンを発表したドコモだが、なかでも「おすすめ」と言って差し支えないのが「ARROWS NX F-05F」「GALAXY S5 SC-04F」「AQUOS ZETA SH-04F」「Xperia Z2 SO-03F」の4機種だろう。いずれも5型以上のディスプレイや1000万画素以上のカメラ、そしてLTEネットワーク上で通話ができる「VoLTE」に対応するなど、過不足のないスペックを実現している。

 最新スマートフォン徹底比較の2014年夏モデル編では、これら4機種を取り上げて、主な機能を比較していきたい。今回は基本スペックや持ちやすさ、画面の見やすさについてまとめた。

photo 左からARROWS NX、GALAXY S5、AQUOS ZETA、Xperia Z2

 まずは4機種の概要をおさらいしておこう。

 ARROWS NXは、「スマホ史上最高」をうたう日本語入力システム「Super ATOK ULTIAS」がウリのモデル。スマホ版ATOKとして初めて「日本語英語辞書」「郵便番号辞書」「町名住所変換辞書」「6地域の方言辞書」などを搭載した。ディスプレイには新しい「WhiteMagic」を搭載し、直射日光の下でも見やすい1000カンデラもの明るさを実現した。カメラは2070万画素のCMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を搭載している。

photo ARROWS NX F-05F

 GALAXY S5はカメラ機能が進化し、画素数が1600万にアップしたほか、位相差オートフォーカスによって、約0.3秒の高速なオートフォーカスが可能になった。30Mバイト以上のデータをダウンロードする際に、LTEとWi-Fiを同時に接続することで高速にダウンロードできるのもこの機種ならでは。背面のセンサーに触れるだけで心拍数を計測できる心拍数モニターも搭載。日本で発売されたGALAXY Sシリーズとしては、初めて防水性能に対応した。

photo GALAXY S5 SC-04F

 AQUOS ZETAは、ディスプレイのフレームを極限まで小さくした「EDGEST」設計を採用したモデル。5.4型という大きなディスプレイは、今回取り上げている4機種の中では最も大きい。シャープのスマートフォンでおなじみの「IGZO」もディスプレイに搭載しており、3300mAhのバッテリーと合わせて、高いスタミナを実現した。カメラには、プロっぽい構図で撮れるようアドバイスしてくれる「フレーミングアドバイザー」を採用した。

photo AQUOS ZETA SH-04F

 Xperia Z2は、ドコモ夏モデルの中でも特に売れている人気機種。メタルと樹脂を一体成型したボディは、角に丸みを持たせることで、持ちやすさにもこだわった。5.2型のディスプレイは、新開発の「Live Color LED」によって赤や緑の色域が広がり、さらに色鮮やかな表現が可能になった。暗い場所でも鮮明に撮影できるカメラをZ1から継承したほか、3840×2160ピクセルの4K動画も撮影可能に。音楽面ではデジタルノイズキャンセリングに対応し、前面にはステレオスピーカーも装備した。

photo Xperia Z2 SO-03F

基本性能の高い機種は?

 続いてスペックを見ていこう。

 まずはサイズ。4機種とも5型以上のディスプレイを備えているだけあり、横幅は70ミリ前後と太い。その中で、5型のARROWS NXが唯一の60ミリ台の約69ミリとなっている。厚さはXperia Z2の約8.2ミリが最も薄く、重さは約147グラムのGALAXY S5が最も軽い。

photo 厚さを比較。左からARROWS NX、GALAXY S5、AQUOS ZETA、Xperia Z2

 プロセッサは4機種ともQualcomm製のSnapdragonで、ARROWS NX、AQUOS ZETA、Xperia Z2がMSM8974AB、GALAXY S5がMSM8974ACを搭載。違いはクロック周波数で、ABが2.3GHz、ACが2.5GHz。メインメモリはXperia Z2が唯一の3Gバイトとなっており、複数のアプリを同時に立ち上げて利用するようなシーンでも、より安定して使えることが期待される(筆者は実際にXperia Z2を使っているが、動きが緩慢になるようなことはめったにない)。

 バッテリー容量は4機種とも3000mAh前後で心強い。中でもAQUOS ZETAの3300mAhが最大で、これに比例して連続通話時間、連続待受時間、実使用時間はこの中では最長だ。静止表示中の消費電力を特に抑える「IGZO」をディスプレイに搭載していることも大きい。

 カメラの画素数は、メインカメラは20メガピクセルのARROWS NXとXperia Z2が最高で、インカメラは2メガピクセルのGALAXY S5、AQUOS ZETA、Xperia Z2が高い。

 テレビ機能は、ワンセグとNOTTVは4機種とも搭載しており、フルセグはGALAXY S5以外の3機種が視聴できる。テレビ機能の使い勝手を左右するテレビアンテナは、ARROWS NXとAQUOS ZETAが内蔵、GALAXY S5とXperia Z2が外付けとなっている。

 卓上ホルダはGALAXY S5とXperia Z2のみが対応しており、2機種とも付属している。ARROWS NXとAQUOS ZETAでは卓上ホルダは利用できないが、充電用のMicro USB端子のカバーがないので、手軽に充電ができる。GALAXY S5とXperia Z2のMicro USB端子はカバー付きなので、ケーブルを直接挿して充電するのは少々煩わしい。

photophoto ARROWS NX(写真=左)とAQUOS ZETA(写真=右)は防水ながら、充電端子はキャップレスとなっている。このあたりは日本メーカーが強い
photophoto GALAXY S5(写真=左)とXperia Z2(写真=右)には卓上ホルダが付属している。Z2のホルダはマグネット式なので小さい

 赤外線通信はARROWS NXとAQUOS ZETAが対応している。防水、おサイフケータイ、NFC、Miracastは4機種ともサポートしている。VoLTEもアップデートによって利用可能になる。

基本スペック
ARROWS NX F-05F GALAXY S5 SC-04F AQUOS ZETA SH-04F Xperia Z2 SO-03F
OS Android 4.4 Android 4.4 Android 4.4 Android 4.4
サイズ(幅×高さ×厚さ) 約69×140×10.4(最厚部約11.2)ミリ 約73×142×8.3(最厚部約9.6)ミリ 約74×140×9.3ミリ 約73×147×8.2ミリ
重さ 約159グラム 約147グラム 約154グラム 約163グラム
プロセッサ Qualcomm MSM8974AB(2.3GHzクアッドコア) Qualcomm MSM8974AC(2.5GHzクアッドコア Qualcomm MSM8974AB(2.3GHzクアッドコア) Qualcomm MSM8974AB(2.3GHzクアッドコア)
ディスプレイ 約5.0型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶(WhiteMagic) 約5.1型フルHD(1080×1920ピクセル)有機EL(Super AMOLED) 約5.4型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶(IGZO) 約5.2型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile)
連続通話時間 LTE:約890分
3G:約840分
GSM:約720分
LTE:約1020分
3G:約1020分
GSM:約700分
LTE:約1420分
3G:約1380分
GSM:約1070分
LTE:約1160分
3G:約930分
GSM:約810分
連続待受時間 LTE:約720時間
3G:約860時間
GSM:約690時間
LTE:約440時間
3G:約500時間
GSM:約440時間
LTE:約770時間
3G:約900時間
GSM:約750時間
LTE:約570時間
3G:約650時間
GSM:約570時間
実使用時間 約88.2時間 約65時間 約101.7時間 約79.2時間
バッテリー容量 3200mAh 2800mAh 3300mAh 3200mAh
メインカメラ 有効約2070万画素CMOS 有効約1600万画素CMOS 有効約1310万画素CMOS 有効約2070万画素CMOS
インカメラ 有効約130万画素CMOS 有効約210万画素CMOS 有効約210万画素CMOS 有効約220万画素CMOS
ストレージ 32Gバイト 32Gバイト 32Gバイト 32Gバイト
メインメモリ 2Gバイト 2Gバイト 2Gバイト 3Gバイト
外部メモリ microSDXC(最大64Gバイト) microSDXC(最大128Gバイト) microSDXC(最大128Gバイト) microSDXC(最大128Gバイト)
防水 IPX5/IPX8 IPX5/IPX7 IPX5/IPX7 IPX5/IPX8
ワンセグ ○(録画可能) ○(録画可能) ○(録画可能) ○(録画可能)
フルセグ ○(録画可能) ○(録画可能) ○(録画不可)
NOTTV
テレビアンテナ 内蔵 外付け 内蔵 外付け
おサイフケータイ
NFC
卓上ホルダ ○(同梱) ○(同梱)
ワイヤレス充電
指紋センサー
LTE通信速度 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps
Wi-Fi IEEE802.11a、b、g、n、ac IEEE802.11a、b、g、n、ac IEEE802.11a、b、g、n、ac IEEE802.11a、b、g、n、ac
Bluetooth V4.0 V4.0 V4.0 V4.0
赤外線通信
Miracast
MHL
VoLTE

※初出時にXperia Z2のフルセグ録画を可能としていましたが、フルセグの録画はできません。おわびして訂正いたします(8/8 9:50)。※初出時にAQUOS ZETAの赤外線を非対応としていましたが、対応しています。おわびして訂正いたします(8/8 11:07)。

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