インタビュー
» 2014年10月17日 18時46分 UPDATE

MVNOに聞く:光回線とモバイルのセット販売も検討――格安や映像を武器に伸びる「U-mobile」の戦略 (1/2)

2段階制の独自の料金プランを提供し、渋谷区の外苑前にリアル店舗もオープンするなど、MVNOとして存在感を高めているU-NEXT。オフィシャルキャラクターに“天使すぎるアイドル”の橋本環奈さんを起用したことも話題を集めた。そんな同社の戦略を聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 U-mobileは、「スマホのLCC」をうたい、急速に存在感を高めているMVNOの通信サービスだ。このU-mobileを展開するのが、USENから独立したU-NEXT。映像や音楽などのオンデマンド配信を行う会社で、ドコモ網を使ったMVNOには2013年9月に参入を果たした。

 同社は、1Gバイトまでは月680円(税別、以下同)、それを超えると3Gバイトまで1980円になる「ダブルフィックス」のような特徴的なプランを打ち出している。3Gバイトの料金がデータ通信のみのSIMで1480円、音声通話付きで1980円という価格も、競合他社に比べると安価な設定になっている。

 U-NEXTは、もともとオンデマンド事業を行っている会社だけに、コンテンツにも力を入れている。U-mobileのユーザーにはキャンペーンで毎月U-NEXTのポイントが600ポイント分付与され、映像や音楽、電子書籍などに利用することができる。オプションサービスとして「スマホでUSEN」も展開。通信だけでなくサービスまで一括して提供している点は、どちらかといえばMNO近い。

 こうしたプランやサービスが特徴的なことに加え、U-NEXTはMVNOとしてはまだ珍しいリアルな店舗を、渋谷区・外苑前にオープンした。この店舗では、SIMカードを販売しているのはもちろん、Huaweiの「Ascend G6」や、freetelの「priori」といった端末も取り扱っている。ショップはまだ東京に1店舗あるだけだが、今後も拡大していく方針だ。ネットや家電量販店での販売が中心のMVNOの中では、異色の存在といえるかもしれない。オフィシャルキャラクターに「天使すぎる」と話題になった橋本環奈さんを据え、宣伝にも力を入れている。

photophoto 南青山にオープンした「U-NEXTショップ」。取材時には橋本環奈さんの来店イベントもあり、多数の人がショップに詰めかけた(写真=左)。SIMカードのコーナー。音声通話ありとデータ通信のみの両方を扱う(写真=右)
photo 「U-NEXTショップ」は、ワイモバイルの代理店も兼ねている。ワイモバイルのWi-FiルーターとU-mobileのSIMカードのセット販売も提案
photophoto イメージキャラクターにタレントの橋本環奈さんを起用し、宣伝にも力を入れる。10月12日には、橋本環奈さんの来店イベントを開催。U-NEXTの代表取締役社長 宇野康秀氏とともに、U-mobileをアピールした
photo

 こうした点が評価され、U-mobileは着実にユーザー数を伸ばしている。取締役 通信事業担当役員の二宮康真氏によると、MVNO中では「月次だと1位か2位で推移している」というほどで、人気の高さがうかがえる。そんなU-mobileの現状や今後の戦略を、二宮氏に直撃した。

ドコモの接続料改定や端末の増加が追い風に

photo U-NEXTの二宮氏

―― 最初に、ドコモ網を使ったMVNOを始めた経緯を教えてください。

二宮氏 もともと、弊社はBフレッツの販売代理業務を行っていました。1位は光通信さん、2位は弊社というような形で、月間では3万件ほどの獲得をしていて、ベースとなるマーケティングのルートがあったというのがまずあります。

 また、6〜7年前から、USENでイー・モバイルのMVNOをやっていました。その上で、ドコモさんの接続料の変更や、あとはデバイスが出始めたことが(ドコモ網を使ったMVNOを始めた理由としては)大きいですね。「Nexus 7」あたりからLTEのSIMフリー端末が出始め、同時にSIMロック解除の動きにも総務省が着手しています。これによって大きくデバイスが増えることも予想されます。

―― 外苑前に「U-NEXTストア」がオープンしました。自社ブランドのリアルな店舗を持つのはMVNOでは珍しいですね。

二宮氏 MVNOの認知は進んでいますが、どこでどう手続きするのか、具体的にどういうサービスなのかを知る場面がなかなかないですからね。(SIMカードは)ヤマダ電機さんやPC DEPOTさんにも提供していますが、なかなか認知につながっていないのが現状です。より身近に感じてもらう上で、キャリア(MNO)の一番の利点はショップを持っていることです。やはり分かりやすいですからね。

 今はまだ1号店を出したばかりですが、ショップは継続的に増やしていきたいと思います。年内には、さらに増やす予定です。

―― 数としては、どのくらいを考えているのでしょう。

二宮氏 立地も含めて検討して、将来は30店舗ぐらいにはしていきたいと思います。今後はSIMフリーの機種があって、それと組み合わせて使うバリエーションも増えてきますからね。

※店舗を増加する時期について、初出時に「2015年に向けて」としていましたが、「決定事項ではない」(U-NEXT)ため、「将来は」と変更いたしました(10/22 20:37)

―― サポートの拠点としても見ているということですか。

二宮氏 そうしたオプションも、手厚くしていかなければならないと思います。店頭では、利用法やセッティングなど、割と幅広くユーザーのニーズがあれば対応しています。コールセンターでカスタマーサポートも設けていますから、Webだけでなく、リアルタイムに電話での確認もできます。

―― 端末のセット販売もしていますが、調子はいかがしょう。

二宮氏 全体で見ると、SIMカードだけを単体で買われるケースの方がまだ多いですが、店頭ではセットで買われる方も比較的増えています。タイムリーな話でいうと、iPhone 6のSIMフリー版を表参道のアップルストアで購入したあとで、うちのショップに来てSIMカードを買うという方が意外と多かったですね。ちょっと歩くと遠いですが(笑)。

―― Huaweiやfreetelの端末も扱っていますが、そちらはいかがでしょう。

二宮氏 Webのお客様も含めてですが、比較的リテラシーが高い方が多く集まっているので、そういう点では「Ascend G6」の人気が高いです。(12月に発売される)「Ascend Mate7」も取り扱います。

 よく格安スマホという言われ方をしますが、(Ascendは)決してスペックが低いわけではありません。通常のキャリア(MNO)で買う機種と、スペックはほぼ同じですからね。

photophoto Huaweiの「Ascend G6」や、freetelの「priori」といった端末をセットで販売。割賦を組むことも可能だ

―― ちなみに、「Star Q」という端末が店舗に置かれていたという話もありますが……。

二宮氏 あれは店舗限定の、デュアルSIM端末です。なぜ置いているのかというと、独自のルートがたまたまあったので(笑)。あとは、freetelさんの「freetel LTE XL」も店舗限定で展開しています。

photophoto ショップ限定の端末も販売する
       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.