「Centrino」はどこに飛んでいく(2/2 ページ)

» 2009年06月23日 19時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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3GHz超のCPUを搭載しても8時間駆動が可能になる

 インテル技術本部 技術部長の土岐英秋氏は、COMPUTEX TAIPEI 2009でも紹介された次世代プラットフォームの概要を説明した。モバイル向けCPUでは、動作クロック3.06GHzを実現したCore 2 Duo T9900とIntel GM45 Expressを組み合わせたシステムを従来のCPU、チップセットとで測定したベンチマークテストの結果を比較したほか、Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)で測定したMobileMark 2007でBatteryLifeが8時間を超える長時間駆動を実現したことが紹介された。また、新しく登場したSFF(Small Form Factor)向けパッケージのCPU、チップセット(MCH、ICH)の実装面積の合計が1415平方ミリメートルで、通常タイプの3342平方ミリメートルから約半分になったことが示された。

Core Duo T2700(2.33GHz)+Intel 945GM Expressを搭載したノートPCを1.00とした場合の、Core 2 Duo T7800(2.6GHz)+Intel GM965 Express搭載ノートとCore 2 Duo T9900(3.06GHz)+Intel GM45 Express搭載ノートの相対性能をSPECfp_rate_base2006とSPECint_rate_base2006で測定した結果で示した(写真=左)。Celeron 723を搭載したノートPCを1.00とした場合の、Core 2 Solo SU3500とCore 2 Duo SU9400におけるMobileMark 2007“Performance”測定結果の相対値と“BatteryLife”の測定値(写真=中央)。SFF向けの超低電圧版プラットフォームのサイズを通常タイプのプラットフォームと比較する(写真=右)

 無線LAN関連では、2009年4月から配布が開始された「Intel My WiFi Technology」(Intel MWT)のデモが行われた。Intel MWTは、Centrino 2以降で搭載されるインテル製無線LANモジュール(Intel WiFi Link 5300/同5100/Intel Wireless WiFi Link 4965AGN/Intel PRO/Wireless 3945ABG。リストにはIntel WiMAX/WiFi Link 5350/同 5150も挙がっている)で利用できる技術で、Intel MWTで構築されるWiFi PAN(パーソナルエリアネットワーク)に無線LAN対応の周辺機器を8台まで接続可能だ。デモでは、ノートPCと無線LAN対応の携帯電話、無線LAN対応プリンタをIntel MWTで構築したWiFi PANで接続し、携帯電話で撮影した画像をプリンタに出力するデモや、カメラ内蔵のトイロボットで撮影した画像をPCのアプリケーションでブログに編集して公開するまでの処理が紹介された。

Intel My WiFi Technologyのデモでは、携帯電話で撮影した画像をWiFi PANで接続したプリンタで出力する処理と(写真=左)、トイロボットで撮影した画像を編集してブログに公開する処理が紹介された(写真=右)

 デスクトップPC向けプラットフォームでは、COMPUTEX TAIPEI 2009でサンプルボードの展示や動作デモが多数行われていた「Lynnfield」(開発コード名)とIntel P55 Expressが紹介された。LynnfieldとCore 2 Quad Q9650の性能比較では、Cinebenchの結果で20%、SPECint rate_bae2006で40%の向上が確認されたという。また、2010年に登場する予定の32ナノメートルプロセスルールを採用したCPU「Westmere」と、45ナノプロセスルールを採用するグラフィックスコアを1つのパッケージに統合したClarkdaleも紹介された。

土岐氏が示したLynnfield+Intel P55 Expressシステムによるベンチマークテスト結果の概要と(写真=左)、Lynnfiledでも導入されるインテル・ターボ・ブーストテクノロジーの概要(写真=右)

2010年に登場する予定のClarkdaleには、35ナノプロセスルールを採用するCPU「Westmere」と45ナノプロセスルールを採用するグラフィックスコアが1つのパッケージに統合される(写真=左)。Clarkdaleのブロックダイヤグラム(写真=右)

Centrinoについては「現在検討中」

 なお、先日明らかになったインテルのブランド変更について、Centrinoブランドの扱いについて江田氏に確認したところ、CentrinoはノートPCのプラットフォームを示すブランドから無線接続モジュールを示すブランドに変更されることになり、それに伴ない、ノートPCなどで展開してきたCentrinoのプロモーションプログラムも変更される可能性があることを認めた。現在パームレストなどに張られているCentrinoのロゴシールもなくなるそうだ。

 プロモーションプログラムについては、社内やパートナー企業などで具体的な内容の検討作業を進めている段階で、現時点で公表できることはないと江田氏は述べている。ブランド変更のタイミングが2010年からということもあって、少なくとも2009年にリリースされるノートPCについては、従来どおりの扱いになるとのことだ。

 インテルは7月11日と7月12日にユーザーイベント「Intel in Akiba 2009 Summer 〜あたらしいパソコンで、あたらしいナツがはじまる〜」をベルサール秋葉原で行う予定だ。イベントでは、Intel P55 Express搭載マザーボードのショーケースが設けられるほか、インテルやマイクロソフトなどの講演が行われる。11日には吉田氏も会場を訪れる予定だ。イベントの詳細はこちらを参照のこと。

 

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