2009年に購入した機種の中で最も使っているのが、2月に発売されたウィルコム初のおサイフケータイ「WX340K」だ。1カ月後に発売されたストレート型の「BAUM」の方がスタイルとしては好みだが、ウィルコムのおサイフケータイをいち早く持ちたかったので購入した。ウィルコムが対応したことで、FeliCaチップ搭載のおサイフケータイを4キャリアで利用できるようになった。WX340K以前にも、他社の端末でおサイフケータイを使っていた身としては、裾野が広がってうれしい限り。
このほか、2009年にウィルコム以外でおサイフケータイ対応を果たしたのが、海外メーカーのLGエレクトロニクスとSamsung電子だ。LGエレクトロニクス製端末は、ドコモの2009年夏モデル「L-06A」と「L-04A」、Samsung電子製端末は、ソフトバンクモバイルの2009年冬モデル「OMNIA VISION 940SC」からおサイフケータイに対応している。おサイフケータイは日本独自のサービスであるため、海外メーカーの端末に搭載するのは難しいが、ワンセグやアプリなどに続いて搭載したことから、両社の日本市場に対する本気度を感じた。
2009年8月には、マクドナルドがおサイフケータイを活用したスタンプカード機能「かざす会員証」を開始し、おサイフケータイがより身近な存在になった。ただ、マクドナルドのトクするアプリはWX340Kでは利用できないので、現状の悩みは対応サービスが少ないことだ。
海外メーカーが国内市場のニーズに合わせて日本向けの端末を投入する中、独自のスタイルとサービスで日本に進出しているメーカーもある。AppleやHTCと比べると派手さは薄いが、キーボード好きとしては見逃せないのが、Research In Motion(RIM)製の「BlackBerry Bold」だ。
BlackBerry Boldは小粒のキートップが特徴のQWERTYキーボードで快適に文字を入力でき、メールやTwitterなどのコミュニケーションツールとの相性が非常によい。動画や音楽再生などのマルチメディア機能も優れており、難点は「ブラックベリーインターネットサービス」の利用料(1575円)がやや高いことくらい。これも2009年12月1日から半額キャンペーンが行われているので、当面は負担が軽減されるのはうれしいところだ。
恐らくこの企画で多くの人が挙げることが予想されるが、「iPhone 3GS」と「HT-03A」も外せない。インパクトはこの2機種が特に高かったと感じたからだ。特にiPhone 3GSは、iPhone OSがバージョンアップを重ね、ハードウェアも「iPhone 3G」から強化されたことで動作が非常に軽快になった。iPhone 3Gでは欲しい機能が足りなかったり、動作で気になるところがあったりで、常用するまでには至らなかったが、iPhone 3GSの利用率はかなり上がった。
一方、HT-03Aはサイズ的にはiPhoneよりも手の収まりがよく、トラックボールが便利だが、どちらかというと動作が緩慢でiPhone 3Gに近い印象を受ける。とはいえ、アプリケーションもかなり増えてきており、有料アプリケーションの提供も始まったことから、Android搭載機の今後に期待したい。
ここまで紹介した機種の主なポイントとして、日本独自仕様の“FeliCa”と、海外メーカー主導の“オープンプラットフォーム”が挙げられる。2010年は、すでに開発を表明しているシャープとNECが、日本向けにカスタマイズしたAndroid端末を発売する可能性が高い。セキュリティの高いおサイフケータイを搭載しつつ、どこまでオープンなケータイを開発できるのかという問題はあるが、どのような端末になるのか期待したい。
日本の携帯電話は「和式ケータイ」とも呼ばれているが、「洋式トイレ」に「ウォシュレット」をつけたような、日本メーカーのAndroidケータイも楽しみだ。NECならアニメ「東のエデン」に登場した「ノブレス携帯」のような斬新なモデルかもしれない。
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