Samsung電子は8月29日(現地時間)、現在ドイツのベルリンで開催されているIFA 2012に合わせて「Samsung Mobile Unpacked 2012」というプレスイベントを実施し、世界初のWindows Phone 8端末や、ユニークなAndroidスマートフォン2機種を発表し、その特長を説明した。
現在、MicrosoftとNokiaが共同で9月5日に米ニューヨーク市内で共同イベント開催を予告しており、ここで次期「Windows Phone 8」と同OSを搭載した端末が発表されると見込まれているが、それに先立つ形で行われたUnpackedイベントの中で発表された「Samsung ATIV S」が、事実上の世界初のWindows Phone 8となった。
ATIV Sについては採用プロセッサーなど細かいスペックは公表されておらず、ハンズオンコーナーでも展示は行われておらず不明点が多い。現行世代のWindows Phone 7/7.5では、プロセッサーは事実上QualcommのSnapdragonのみの対応となっていた(対応ドライバなどの問題とみられる)。こうした縛りはWindows Phone 8でも同様で、Microsoftが管理している部分であり、正式発表までスペックを公表できないのかもしれない。判明している範囲では、4.8インチという比較的大きなスクリーンサイズを採用していること、そしてWindows Phone 8世代の特徴であるNFCのサポートだ。Microsoft Office対応もうたっており、以前のバージョンより強化されたソフトウェアが搭載されることになるとみられる。

Samsung Mobile Unpacked 2012(写真=左)。Windows 8世代対応モバイル製品ラインアップの1つとして「Samsung ATIV S」が紹介された。Windows Phone 8と直接的には表現していないが、同OS対応端末として発表されたのは世界初だ(写真=右)今回「GALAXY」ブランドを冠した新カテゴリーの製品として発表されたのが「GALAXY Camera」だ。一見すると普通のコンパクトデジタルカメラだが、背面のファインダービューや操作パネルの部分が全面タッチスクリーンのAndroidスマートフォンになっており、いわゆるAndroidスマートフォンの「GALAXY」シリーズの1つであることが分かる。
特徴としては、豊富な撮影モードやネットワーク接続機能を生かしたソーシャルアップロードやクラウドバックアップ、そしてAndroidアプリによる機能拡張など、スマートフォンの特性を生かしたカメラとなっている。撮影した画像はすぐに他のデバイスと同期して共有でき、強力なクアッドコアプロセッサーを使ってアプリ内で加工したりといった、さまざまな使い方が考えられる。またユニークな機能として、GALAXY Cameraのファインダーで写している画像を遠隔地のスマートフォンで確認できる「Remote View Finder」機能もある。
Androidを搭載したデジタルカメラはすでに他社からリリースされているが、GALAXY Cameraならではの特徴として、クアッドコアプロセッサー搭載など基本スペックが非常に高いこと、OSに最新のJelly Bean(Android 4.1)を採用したこと、そしてWi-Fi接続だけでなく、3Gと4Gにも対応するなど、ネットワーク接続機能が強力な点が挙げられる。逆にウィークポイントとなるのが、電話機能をサポートしていないため、そのままでは携帯電話としての利用ができないこと、そして3G+4Gのサポートや高機能プロセッサー搭載などコスト増要因を含んでいるため、販売価格が高めに設定されそうな点だ。特に3G+4Gの搭載により、通常の家電とは異なる流通ルートになる可能性があり、販売戦略次第ではこのあたりがネックになる可能性がある。


ボイスコントロールや秒間20コマ以上の撮影が可能なスローモードなど、ユニークな機能も搭載(写真=左、中)。「Social View」はAndroid搭載デジカメならではの機能。スマートフォンと同じ感覚で利用できる(写真=右)
ユニークなのがこの「Remote View Finder」。離れた場所にあるスマートフォンと連携して、ファインダーの映像を手元の端末で確認できる(写真=左)。GALAXY Cameraの基本スペック。OSはAndroid 4.1(Jelly Bean)に対応するほか、ネットワークとしてWi-Fiのみならず3Gと4Gにも対応する(写真=右)
Samsung ElectronicsのEuropean Telecommunication Operations担当バイスプレジデントのJean-Daniel Ayme氏が手に持つのは「GALAXY Note II」初代にあたる「GALAXY Note」は、1年前のIFA 2011で初めて発表された。1年が経過して「GALAXY Note II」として発表された新製品では基本スペックが順当に強化され、フラッグシップに相応しいものとなった。具体的には1.6GHz駆動のクアッドコアプロセッサーに2GバイトのRAMを搭載し、スクリーンサイズは5.5インチとわずかに拡大、LTE標準搭載にバッテリー容量も増量され、OSにはJelly Beanを採用した。
だがNote IIで特徴的なのは、強化されたスタイラス「Sペン」のジェスチャーで、Air Viewと呼ばれるホバリング動作をサポートしたことだ。ホバリングとは、マウス操作におけるカーソルを画面上のオブジェクトに重ねた状態のことで、クリックしないでカーソルを少し放置しておくとメニューなどがポップアップしてくるUIを経験したこともあるだろう。Sペンでも同様で、タッチしない状態でペン先を画面に近付けると、対象アプリやオブジェクトに応じたアクションが発生する。例えばメールのサブジェクト一覧でAir Viewを行うと、内容の一部がサムネイル形式で表示される。アルバムであれば、表紙の上でAir Viewの動作を行うと中身の一部がサムネイルでのぞけたりする。Sペンは筆圧センサーを搭載しており、この手のスタイラス対応製品の中では比較的使いやすいものだが、今回のAir Viewにより、さらに使い方の幅が広がったといえるだろう。

GALAXY Note IIの基本スペック。Jelly Bean対応のほか、クアッドコア+2Gバイト RAM搭載など、基本スペックが強化されている。スクリーンサイズも5.5インチと若干拡大されて16:9のアスペクト比に。バッテリー容量も増加した
Note IIでの大きな特徴の1つがAir Viewと呼ばれるプレビュー機能。ホバリング動作(マウスでいうカーソルをオブジェクトに重ねる動作)に対応し、タッチなしの状態でペンを画面に近付けると、メニュー画面やサムネイルが参照できる
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