Androidスマートフォンでは、USB機器をつないで使う「USBホスト」機能はほぼ標準機能になりつつある。「ARROWS X F-10D」では、HID(ヒューマンインターフェースデバイス)規格に準拠したUSBキーボードや、USBマスストレージ規格に準拠したUSB接続の記憶媒体を接続して利用できる。取扱説明書(eトリセツ)では触れられていないが、HID規格に準拠したUSBマウスもつなげられる。通常、USB機器のホスト側の端子は「タイプA」と呼ばれる平型のものなので、Micro USB端子に対応した「USBホストケーブル(アダプター)」を別途用意する必要がある。
USBマスストレージは、FAT16またはFAT32で初期化されているものを認識する。筆者は100円ショップで購入したUSB接続のSDカードリーダーに32GバイトのSDHCカードを挿入して試してみたが、正常にマスストレージデバイスとして認識できた。緊急にアップロードしたいファイルがあるときに、重宝するかもしれない。
キーボードは、アメリカ英語(ASCII)配列に加えて、日本語(JIS)配列もサポートするようになった。ただし、配列を自動検出することはできないので、接続するキーボードに合わせて自分で設定を変える必要がある。端末設定の「言語と入力」内にある「外付けキーボード設定」の項目から設定しよう。日本語キーボードに対応したのは、主に記号配列面で、かな入力や、一部の日本語キーボード固有のキーには未対応だ。例えば、「全角/半角」キーでは英語配列時同様に「’」(アポストロフィー)が入力されてしまい、文字種の変更には使えない。また、「無変換」キーや「カタカナ・ひらがな」キーは無反応だ。唯一、「変換」キーはローマ字入力と半角英数入力の切り替えに利用することができる。
マウスは、動かすとポインターが出てきて、操作を止めて2〜3秒で消えるようになっている。スワイプ操作やクリックによる選択が可能だ。マウスのスクロールホイールでの操作も可能で、ブラウザで使うと非常に便利だ。
前モデルの「ARROWS X LTE F-05D」では、Micro HDMI端子で映像を外部出力することができたが、F-10DではHDMI出力端子自体が廃止されている。となると、映像の外部出力ができなくなったように思えるが、そんなことはない。F-10Dでは「MHL」(Mobile High-definition Link)と呼ばれる規格に準拠しており、Micro USB端子から映像の外部出力ができる。
MHL出力で直接接続できるテレビや液晶モニターなどはまだまだ少ないので、ほとんどのユーザーはMHL出力をHDMI出力に変換するアダプターを接続することになる。変換アダプターは家電量販店で1000円台前半から2000円程度で入手できる。ドコモでも、純正オプションとして「HDMI変換ケーブル L01」(LGエレクトロニクス製)と「HDMI変換ケーブル SC01」(Samsung電子製)を用意している。いずれも、PCやUSB充電アダプターなどから電源供給をする必要がある。
MHL・HDMI出力の際は、本体側に特別な設定は必要なく、自動的に外部出力が始まる。接続中は画面中にアイコンがでるようになっている。出力される画面は基本的に本体画面のミラーリング(コピー)だが、一部のプリインストールアプリでは、出力側では操作画面が出ないものもある。出力をやめたいときは、MHLケーブルをF-10Dから外せばよい。
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