連載
» 2013年06月07日 23時00分 公開

石野純也のMobile Eye(5月27日〜6月7日):au通信障害の原因は?/使いやすさと軽さで勝負する京セラ/日本語化も進む「Firefox OS」 (3/3)

[石野純也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

着々と日本語化も進む「Firefox OS」

 “第3のOS”の一角を占める「Firefox OS」を開発するMozilla Japanは、5月29日から31日にかけて開催された「ワイヤレスジャパン 2013」に同OSを搭載した端末を出展した。展示されていたのは、開発者向け端末として発売中の「Keon」「Peak」など。中国・TCLがALCATELブランドで展開する「One Touch Fire」や、中国・ZTEの「ZTE Open」も紹介されていた。

photophoto Wireless JapanのMozilla Japanブースに展示されていた、Firefox OS端末の「Keon」。このモデルは、開発者向けという位置づけだ。商用モデルとなるTCLの「One Touch Fire」なども展示されていた

 Firefox OSは、エンジンに「Gecko」を採用し、すべてのアプリがHTML5で作られるオープンなOSだ。今年2月に開催されたMobile World Congressでは、このプロジェクトに参画するキャリアやメーカーが発表され、話題を集めた。海外ではスペインに本拠地を置くTelefonicaがローエンドのスマートフォンを開発するプラットフォームとして注目しているほか、日本ではKDDIが端末の投入を予定している。また日本では、ソニーモバイルもTelefonicaと技術検討を進めている。

 ワイヤレスジャパンに展示されていたFirefox OSには、「毎日新聞」や「食べログ」といった、日本向けのアプリやコンテンツがインストールされていた。Firefox OSでは、HTML5のコンテンツをパッケージとしてインストールできるが、Webへのショートカットも同じようにアプリとして扱われる。会場の説明員によると、セキュリティの関係で、インストールしたアプリでのみ、カメラなど一部のAPIが利用できるようになる仕組みだという。

photophotophoto 端末は日本語化されており、いくつかのアプリやコンテンツを試すことができた。毎日新聞のアプリも、HTML5で動作している

 Mozilla Japanのブースには、オムロンの開発したWnnベースの日本語入力ソフトも展示されていた。ただし、これは「アプリとしてユーザーが後からインストールすることはできない」(同)。連文節変換を行ったり、辞書データを参照したりする際に、HTML5だけではパワー不足になるというのがその理由だという。残念ながらデモの時点では、フリック入力などにも対応していない。

photophoto オムロンが開発したWnnベースの日本語入力ソフトも搭載されていた。なお、入力ソフトはアプリで変更できない仕様だという

 このように、Firefox OSの日本展開を見こして、アプリや入力環境などが徐々に整いつつあることがうかがえた。一方で、現時点ではまだ端末はローエンドが中心だ。これは、Telefonicaや中国メーカーが、新興国を主要市場と考えているため。展示されていた端末のスペックも低く、最新のAndroidやiPhoneと比べ、パフォーマンスには難がある。もちろん、KDDIが今のFirefox OS搭載端末をそのまま日本で展開するわけではなく、市場のニーズに合わせたカスタマイズを行っていくことは表明している。また、Firefox OS自体もローエンドだけをターゲットにしているわけではない。

 一方で、ハイエンド端末を開発するには、まだまだOS自体のブラッシュアップも必要だ。例えばMobile World Congressで取材した時点では、Firefox OSはまだLTEやNFCをサポートしていなかった。日本市場に導入するなら、これらは必須だ。同じHTML5を売りにしたOSでも、機能面はドコモやSamsung電子が推す「Tizen」が先行している。また、HTML5のアプリが動くというのは、あくまで開発者にとってのメリットでしかない。HTML5でしか実現できないアプリの魅力をユーザーにきちんと説明してくことが、Firefox OSを導入するキャリアやメーカーには求められそうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう