ITmedia Mobile 20周年特集

激化するLTE競争/3社から出そろったiPhone/14年に登場を控えた第3のOS――2013年を振り返る石野純也のMobile Eye(2013年総括編)(3/3 ページ)

» 2013年12月20日 22時10分 公開
[石野純也ITmedia]
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バルセロナで注目を集めた「第3のOS」、端末の登場は2014年に

 こうした状況がある中で、ドコモとKDDIはiOSやAndroidに次ぐ、「第3のOS」の端末をラインアップに取りそろえていく方針だ。第3のOSが注目を集めたのは、2月にスペイン・バルセロナで開始されたMobile World Congress。Mozillaが開発を主導し、KDDI、T-Mobile、Telefonicaといったキャリアや、LGエレクトロニクス、ソニーモバイル、ZTEなどのメーカーが参画しているのが、「Firefox OS」だ。こちらは、2013年内に、スペインやドイツなど、計14カ国で端末が発売されている。APIの互換性を目指す「Open Web Device Compliance Review Board」という団体も、12月に設立された。

photophoto 日本導入に向けて、着々と準備が進んでいるFirefox OS(写真=左)。写真は6月の本連載に掲載したものだが、この時点ですでに日本語化が行われていた(写真=右)

 これに対して、ドコモが推しているのが「Tizen」だ。インテルやSamsung電子といったメーカーがTizen Associationに参画しており、海外のキャリアではフランスのOrangeも、端末を発売する予定を表明している。2月のMWCに合わせて開催されたプレス向けイベントでは、2013年内に端末が発売されるとアナウンスされていたが、こちらは投入が遅れているようだ。ドコモもハイエンドにターゲットを絞り、端末の開発を進めている。2014年のそれほど遅くない時期に、初号機が登場することになりそうだ。

photophoto Tizenは、まだ端末が発売されていない。写真は、Mobile World Congressで公開された、開発者向けの試作機

 この第3のOSは、どちらもアプリにWebで標準のHTML5を利用しているのが特徴。OSごとにそれぞれの言語でアプリを開発していたiOSやAndroidとは異なり、Web用のアプリをそのまま流用でき、ディベロッパーの幅も広がるといわれている。また、Firefox OSとTizeの両方ともが、メーカーやキャリアがカスタマイズする余地を大きく残しているのも、従来のOSとは異なる部分だ。iOSはAppleしか開発ができず、UI(ユーザーインタフェース)の変更も一切許されていない。

photo アプリは、ローカルにインストールする形だが、HTML5を利用する。Tizenについては、従来のスマートフォンと同様のネイティブアプリもサポートする

 AndroidはOSやUIこそカスタマイズが可能だが、Googleの定めた規定はクリアする必要がある。例えば、どの端末にもGoogleの検索ウィジェットが1画面目に搭載されているのは、そのためだ。世界各国のキャリアが第3のOSを求めるのには、このような既存のプラットフォーム事業者をけん制したいという狙いがある。メーカーにとっても、2つ以上のOSにリソースを分散させればリスクの回避につながる。

 一方で、肝心の端末はまだ発展途上だ。Firefox OS搭載端末はすでに市場に出ているが、現時点では新興国が主なターゲットになっているためスペックが非常に低く、レスポンスも悪い。CPUやメモリを増強すれば、よりスムーズに動くようになるというが、実力は未知数だ。ただし、「Firefox OS=ローエンド」ではない点には注意したい。KDDIはどちらかといえばハイエンドな端末を開発しているとのことで、既存のスマートフォンにはないUIを備えた端末が登場する可能性はある。Tizenも同様で、最初の初号機が出てくるまで判断は難しい。

 日本では、フィーチャーフォンのユーザーがまだまだ多いが、Firefox OSやTizenは、その受け皿になる可能性もある。キャリアのサービスをきっちり組み込み、初心者にも分かりやすいUIを搭載できれば、ヒットする可能性もゼロではないだろう。ただし、HTML5アプリのエコシステムが、まだ既存のスマートフォンほど成長していない。現在でもアプリやブラウザゲームの一部でHTML5が使われているが、iOSやAndroidほどにアプリがそろうわけではない。こうした点を、キャリアがどのようなフォローできるのかも、力の見せ所といえそうだ。2014年にどのような端末が発売されるかも、今から楽しみだ。

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