日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が4月23日に発表した「HP Pavilion Notebook PC dv2」は、一般的なノートPCとAtomベースのNetbookの間を埋める製品として投入されたスリムノートPCだ。AMDのYukonプラットフォームを採用することで、軽量かつ小型ながら安価なPCを実現しており、先行して同社直販の「HP Directplus」専用モデルが7万3500円で販売されていた。
そして遅れること約3週間、5月13日には量販店向けの低価格モデルが追加された。直販モデルが黒を基調にしたZEN-design「kirameki」(きらめき)を採用していたのに対し、店頭モデルは白をベースにしたZEN-design「asagiri」(あさぎり)となって見た目が異なるほか、スペックをダウンすることで実売5万円台という手ごろな価格を獲得している。ここでは、5月21日に発売されたばかりの店頭モデルをテストした。
なお、直販モデルの仕様や使い勝手は以下の関連記事を参照してほしい。
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店頭モデルと直販モデルのスペックを、下記の表にまとめた。Athlon Neo MV-40(1.6GHz)のCPUや2Gバイトのメモリ、1280×800ドット表示に対応した12.1型ワイド光沢液晶ディスプレイといった部分は両モデルとも共通だが、そのほかのパーツには違いが多い。まず、OSがWindows Vista Home Premium(SP1)からWindows Vista Home Basic(SP1)になり、外付けGPUをはじめHDMIポートやBluetoothが省略されているのが分かる。加えて、HDDの容量が160Gバイトになるうえ、無線LANもIEEE802.11b/gとなり、外付けのDVDスーパーマルチドライブも付属しない。
HP Pavilion Notebook PC dv2 夏モデルの主なスペック | ||
---|---|---|
モデル | HP Directplus直販モデル | 量販店向けモデル |
カラーリング | kirameki(黒) | asagiri(白) |
CPU | Athlon Neo MV-40(1.6GHz) | |
チップセット | AMD M690G | |
メモリ | 2GバイトDDR2-533(2GバイトDIMM×1/最大4Gバイト) | |
HDD(2.5インチ) | 320Gバイト(5400rpm) | 160GB(5400rpm) |
光学ドライブ | USB外付けDVDスーパーマルチ | −(オプション) |
グラフィックス | ATI Mobility Radeon HD 3410 | チップセット内蔵(ATI Radeon X1270) |
ディスプレイ | 12.1型ワイドWXGA | |
解像度 | 1280×800ドット | |
HDMI端子 | ○ | − |
無線LAN | Intel802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠) | IEEE802.11b/g |
Bluetooth | ○ | − |
バッテリー | 6セルリチウムイオン | |
バッテリー駆動期間 | 約3時間 | |
ボディサイズ | 293(幅)×240(奥行き)×9〜30(厚さ)ミリ | |
重量(バッテリー込み) | 約1.79キロ | |
プリインストールOS | Windows Vista Home Premium(SP1) | Windows Vista Home Basic(SP1) |
価格 | 7万3500円(HP Directplus価格) | 6万円前後 |
単純に考えると、1万4000円弱(大手量販店のポイント還元を考慮しない場合)のプライスダウン以上にスペックが引き下げられている店頭モデルだが、裏を返せば直販モデルが“バーゲンプライス”なのだろう。しかし、実機を手にするとその印象はガラリと変わる。
これまで、複数の直販モデルに触れてきたが、こちらの記事(「選択肢が広がる低価格ミニPC──「HP Pavilion Notebook PC dv2」の実力を試す」)でも指摘されているように、直販モデルは起動直後から冷却ファンが高速で回転し、ファンの風切り音が耳についた。ところが、店頭モデルはファンの回転がグッと抑えられており、ボディの発熱も明らかに少ない。直販モデルのみ搭載している外付けGPU(Mobility Radeon HD 3410)が、チップセット内蔵(ATI Radeon X1270)に切り替わっているのが主要な原因と思われるが、ここまで異なるのかというのが正直なところだ。
ボディの発熱は、室温26度の環境でシステムに高い負荷をかけ続けたところ、手が触れるパームレストやキーボードは38度前後だったが、底面は全体的に熱を帯び、中央部分では45度近くまで上昇した。
次のページでは、店頭モデルのパフォーマンスやバッテリー駆動時間をチェックする。
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