以上が「アップグレード」として提供されるメディアやパッケージの概要だが、まだハッキリしていない点もある。例えば、アップグレード版のインストール時に、アップグレード対象OS(旧OS)をどのようにチェックするか、ということだ。Windows Vistaのアップグレード版の評判が悪かった理由の1つは、対象となるOSのメディア(CD-ROM)を持っているだけではインストールができず、HDDに対象OSがインストールされていなければならなかった。今回、この点についてはまだ明らかにされていない。
ただ、分かっているのは、アップグレードインストールできるのはWindows Vistaに対してのみ、ということだ。つまり、現在使用しているシステムの設定やデータをそのまま受け継ぐ形で上書きインストールできるのは、Windows VistaからWindows 7へのアップグレードのみとなる。Windows XPからWindows 7へはクリーンインストールとなり、HDDはフォーマットされる。要するにWindows XPユーザーは、アップグレード版を購入できるけれど、アップグレードインストールはできない。
これを考えると、Windows XPのアップグレード版のように、インストール中にCD-ROMやDVD-ROMのメディアをチェックする、という方式でもよいのではないかという気がする。そうでないと、途中でインストールを中止した場合(あるいは停止してしまった場合)、直後にフォーマットすることを承知でもう1度Windows XPをインストールするという、何ともやるせないことになってしまう。
マイクロソフトはすでに10月22日の全世界発売を目指し、7月中にOSのコードを完成させるとしている。それに先立つ7月8日、米MicrosoftはWindows 7を担当するWindows and Windows Live Engineering Groupのトップにスティーブン・シノフスキー(Steven Sinofsky)氏を任命する人事を行った。同事業部は、2008年7月にケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)氏が辞任した時点で、同氏がトップを務めていたPlatforms and Service Divisionを、Online Service GroupとWindows and Windows Live Engineering Groupの2つに分割する形で組織されたもの。ただしトップは空席で、スティーブン・シノフスキー氏とジョン・デバーン(Jon DeVaan)氏がバイスプレジデントとして率いてきた。シノフスキー氏の昇格が「Windows 7のコード完成、ごくろうさん」という意味ではないらしいが、開発作業がヤマを越えたのは明らかだ。パッケージ構成が決まり、価格が決まり、開発部門の体制固めも済み、いよいよ発売が近づきつつある。
期待が膨らむWindows 7に対するアレコレ
第1回 Windows 7のデスクトップはVista/XPと何が違うのか
第2回 Windows 7のタスクバーとガジェットは一味違う
すべてのレガシーを見直して2010年度を飛躍の年に――マイクロソフト新年度経営方針
Windows 7 日本語版の発売日が10月22日に決定
「ひとりでも多くのユーザーに」――Windows 7の価格と優待アップグレードを発表
PCメーカー各社のWindows 7 優待キャンペーンを比べてみる
マイクロソフト、Windows 7のラインアップと参考価格を発表
そういえば今使っている周辺機器、「Windows 7」でも動くのだろうか
Windows 7は「地デジ」と「マルチタッチ」を標準サポート──ただ、DTCP-IPは非対応
Windows 7の“互換性を高める5大取り組み”とは?
Windows 7の「デバイス管理」と「リモート再生」は何が変わる?
「XPより快適」──動画で見るWindows 7の起動速度とパフォーマンス
これでXPと決別できる!?:Windows 7 RCの注目機能「XPモード」と「リモートメディアストリーミング」を試す
マイクロソフトがWindows 7 RC日本語版を公開
日本での一般公開は5月7日:マイクロソフトがWindows 7の製品候補版を提供開始
企業のWindows 7移行を支援:MS、Windows 7でXPアプリを稼働できる「Windows XP Mode」発表
Vistaとはドコが違うの!?:Windows 7 β版の注目ポイント“7”
Windows 7 β、ようやくダウンロード開始
こいつ、動くぞ!:「VAIO type P」でWindows 7 日本語β版を走らせるCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.