イー・アクセスは10月3日、900MHz帯の基地局開設指針について同日、総務省に要望書を提出したことを発表した。
総務省が実施した700/900MHz帯通信システムの参入希望調査では、イー・アクセス、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの4社が参入意向を表明している。イー・アクセスは、市場活性化による競争を促進させるとともに、客観的かつ公正な周波数割り当てを実施するために、要望書を提出した。
イー・アクセスは900MHz帯開設指針の策定にあたり、「次世代の3.9世代移動通信システム(LTE)による早期全国普及」と「既存大手3社の回線状況から、新規・振興事業者やMVNOを含めたサービス競争の充実」の2点を主な方針に掲げる。現在、携帯事業者が保有する周波数帯域は、NTTドコモが140MHz、KDDIグループが120MHz、ソフトバンクグループが104MHz、イー・アクセスが30MHzで、既存3社に比べてイー・アクセスが最も少ない。
次世代高速通信サービスについても、ドコモがLTE(Xi)、KDDIがWiMAX、ソフトバンクモバイルがSoftBank 4Gを導入し、いずれも理論値(WiMAXはWiMAX 2の場合)は下り最大100Mbpsを超える一方で、イー・アクセスが導入している「EMOBILE G4」(DC-HSDPA)は下り最大42Mbpsに留まる。イー・アクセスもLTEを導入する意向はあるが、「今持っている周波数(1.7GHz帯)にはこれ以上は導入しにくい」(同社代表取締役社長のエリック・ガン氏)ため、「できれば早めに900MHzで新しい周波数帯域を確保できるよう頑張っていきたい」というスタンスだ。「2012年以降、早めに100Mbps超のLTEサービスを導入し、5年後をめどに人口カバー率99%を構築していきたい」とガン氏は意気込みを話した。
PCデータ通信分野で新たな料金サービスを多く打ち出してきたこともあり、LTEでも「競争力のある料金設定」を目指す。このほか、MVNOに向けた自社ネットワークのオープン化や、“端末のオープン化”としてLTE対応のSIMフリー端末も提供する。
複数の申請があった場合の審査基準として、同社は (1)人口カバー率 (2)自社の全ユーザーにおけるMVNOユーザーの比率 (3)SIMフリー端末の比率 (4)エンドユーザーへの料金とMVNO料金の水準 の4点を挙げた。同社は「現在の事業基盤や加入者基盤の大きさに直結する既存大手3事業者のみが優位となる審査基準は採用すべきではない」としている。具体的な審査方法については、(1)〜(3)の項目順に2013年度末から2016年度末まで、年度末ごとに比較し、数値が高い申請者を認定すべきとの考え。それでも決定しない場合は、(4)のエンドユーザー料金とMVNO料金を比較し、より安い申請者を認定すべきと考える。
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