ゲーム、電子書籍からスポーツまで――アプリで広がるiOSの世界:神尾寿のMobile+Views(2/2 ページ)

» 2012年06月04日 09時30分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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iOSはソーシャル型アプリでも人気

 ゲームと並んで、iOSプラットフォームが好まれているのがソーシャル型アプリだ。TwitterやFacebookなど大手SNSは、iOSとAndroidなど複数プラットフォームに対応するのが常識だが、目的特化型のユニークなソーシャルサービスは「iOS発」が多いのが実情である。

 そのような中で、筆者が面白いと膝を叩いたのが、「TourWrist」である。これはパノラマ写真で世界の風景を楽しめるソーシャル型アプリ。アプリを開くと世界地図が表示され、そこにあるピンをタップするとその地点の360度パノラマ写真が見られる。

 このパノラマ写真は、Googleのストリートビューのように事業者がシステマティックに撮影したものではなく、ユーザーが撮影し共有したもの。TourWristアプリには自分で写真を撮影・投稿する機能があり、それを使うとiPhone/iPadで簡単に360度のパノラマ写真が撮影できる。写真を共有するSNSは多々あるが、このように街のパノラマ写真を共有するというコンセプトはとてもユニークである。

PhotoPhoto 「TourWrist」はソーシャル型の旅行アプリ。街の360度パノラマ写真をユーザー同士で作成・共有するというコンセプトはユニーク

 そして、もう1つ。iOS製品担当者が紹介したのが、「miil」である。これは筆者もヘビーユーザーで、実はおなじみのもの。miilは飲食店や自宅で料理の写真を撮影し、それを共有する“食事のソーシャル写真アプリ”である。

 このmiilが秀逸なのは、“料理をおいしそうに見せる”写真加工のフィルタが充実していること。特に写真に詳しくなくても、miilで撮影するだけで、とてもおいしそうに撮れるのである。また、ソーシャル機能も充実しており、フォローした人のおいしそうな写真に「食べたい」というボタンを押したり、コメントを付けたりしてコミュニケーションが図れる。さらにiPhoneの現在位置情報を用いて、miilに投稿された周辺店舗の写真を見たり、店舗ごとの過去の投稿をチェックすることも可能だ。このようにmiilは「食べる喜び」を最大限に引き出し、そこにソーシャルで情報を共有する楽しさを付け加えている。iPhoneユーザーならばぜひ導入しておきたいアプリの1つである。

photoPhoto 日本のベンチャー企業が作った食べ物系ソーシャルアプリ「miil」。おいしい料理情報を写真で共有するというコンセプトは、食いしん坊にはたまらないものがある。デザインセンスや料理写真の加工機能もとてもよく作り込まれている

周辺機器連携に強みを持つiOS

 アプリ分野におけるiOSのもう1つの強みとして、「さまざまな周辺機器との連携」がある。これはAppleが“アプセサリ”と呼ぶものだが、アプリ単体ではなく、iPhone/iPad向けのハードウェア(周辺機器)と連携することで、アプリの新たな価値やビジネスを生み出すというものだ。

 今回、iOS製品担当者からはその最新事例として「Nike+ Training」が紹介された。

 これはAppleとNikeが開発したBluetooth Low Energy対応の圧力センサを用いた新型の「Cross Trainerシューズ」と連携するもの。靴にかかった圧力や動きを逐一iPhoneに送信し、アプリ側でそれを解析して運動量を把握する。Nike+ Trainingのアプリでは、このCross Trainerシューズと連携して、各種エクササイズメニューを提供したり、ヘルスケア支援をするというものだ。

 スマートフォンでスポーツ支援というと、KDDIの「au smart sports」を筆頭にいくつかのサービスがあるが、それらはスマートフォン内のセンサー情報を使うのが一般的だ。他方で、Nike+ Trainingは、ナイキならではの“靴にセンサーを埋め込む”ことでより高度なエクササイズを実現。さらにBluetooth Low Energyという最新テクノロジーにも対応している。こういった密接な周辺機器(アクセサリ)との連携ができることも、iOSプラットフォームの優位性といっていいだろう。

PhotoPhoto
PhotoPhoto Nike+ Trainingは、Cross Trainerシューズと連携するアプセサリ。最新版ではBluetooth Low Energy対応となり、センサーの機能・精度も向上している

 Appleでは定期的に上級幹部やiOS製品担当者が世界を回り、iOSエコシステムの最新状況について紹介する。今回もその一環であったのだが、そこで痛感するのが、彼らがいかに「アプリやコンテンツを大切にしているか」である。最も優れたアプリが作りやすいように、iPhone/iPadのハードウェアは設計され、iOSプラットフォームが日々整備されているのだ。iPhone/iPadの強さは、“スマートフォン単体として優れているかどうか”ではなく、iOSを取りまくエコシステムの総合力になっている。ここがAndroidスマートフォン/タブレットを作るメーカーが力及ばない部分であり、Android陣営の大きな課題になっている。

 今夏、登場するさまざまなアプリを見ても、iPhone/iPadが多くの一般ユーザーにとって最も魅力的な選択肢である状況は変わらないと言えそうだ。

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