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» 2012年09月25日 19時16分 UPDATE

Googleの最新OS×クラウドの“パーフェクトなデバイス”――「Nexus 7」が日本上陸 (1/2)

Android 4.1を搭載したリファレンスモデル「Nexus 7」の日本発売がアナウンスされた。発表会ではGoogle 会長のエリック・シュミット氏が日本市場のスマホ普及や利用動向について言及。同社が日本市場を重要視する姿勢が垣間見えた。

[田中聡,ITmedia]

 Googleが、Androidの最新OSである「Android 4.1(Jelly Bean)」搭載のリファレンスモデル「Nexus 7」(ASUS製、16Gバイト版)を9月25日から日本でも販売する。7インチのワイドXGA(1280×800ピクセル)液晶を備えるNexus 7は、Googleのリファレンスモデルとしては初のタブレット。25日からGoogle Play上で販売され、10月2日からは日本全国のエディオン、ケーズデンキ、コジマ、上新電機、ビックカメラ、ベスト電器、ヨドバシカメラの店頭でも販売される。価格は1万9800円。

photo ASUS製のタブレット「Nexus 7」

photophoto 1万9800円でGoogle Playまたは量販店で購入できる

オープンなAndroidは業界で勝てるOS

photo Google 会長のエリック・シュミット氏

 Nexus 7発売に伴いGoogleは記者発表会を開催し、会長のエリック・シュミット氏が日本におけるモバイルデバイスやインターネットの進化について語った。シュミット氏が約2年前(2010年)に来日した当時、日本のスマートフォン普及率はわずか8%ほどだったが、現在はモバイルユーザーの約20%がスマートフォンを使うほどに市場が変化した。「フィーチャーフォンを上回る形でスマートフォンの販売が伸びている。この“モバイル革命”が予測したよりも早く日本で起きている。新しい技術によって、生活や将来の夢も変わってくる。経済発展もさらに促進される」と同氏は期待を寄せた。

 シュミット氏は、これまで技術革新は3つのフェーズ(段階)があったと考える。1つがハードウェアの革命。同氏はその代表例にウォークマンやビデオカセットレコーダーを挙げる。「軽くて携帯性に優れているウォークマンのお陰で、音楽がパーソナルなものになり、持ち運べるようになった。ビデオカセットレコーダーによって自宅がミニ映画館になった」と同氏は振り返る。その一方で「機械が複雑になり、必ずしも使いやすいとは言えなかった」(シュミット氏)。そこで第2フェーズとしてソフトウェアの革新を迎えた。「CDプレーヤーからMP3プレーヤーに変化し、多くのデバイスが使いやすくなった」(シュミット氏)

 そして現在、日本はインターネットが発達した第3フェーズに突入しようとしているとシュミット氏は言う。「いろいろなサーバにクラウドがあり、興味深い機能をデバイスの制約を超えて体験できる。これは『モバイルインターネット』と呼ぶだけでは足りない。また、現在のスマートフォンは単なる携帯電話と呼べるものではない。GPSやモバイル放送、カメラもある。まさにモバイルコンピューターと言える時代に突入した」(シュミット氏)。そのカギを握るのがAndroid OSだ。Androidが登場したことにより、「5年前には想像できなかったエコシステムが生まれている」と同氏。現在、Android端末は毎日130万台が新規登録されており、累計台数は5億に上る。同氏は「Androidは急速に成長しており、(成長率は)他のOSと比べて最も大きい。産業プラットフォームとして業界で勝っていける」と自信を見せた。

 Androidは、端末メーカーが無償で利用できるオープンなプラットフォームであることが特長の1つ。シュミット氏も「オープン性によって、(端末の)差別化が生まれている」とメリットを話す。また同氏は日本のAndroidにおけるローカライズにも言及。「現在日本では29台のAndroidデバイスが発売されている。ブラックやホワイトだけでなく、ピンクやブルーのモデルも日本にはたくさんある。これは非常に良いことで、オープン性が一役買っている。日本のフィーチャーフォンの機能(おサイフケータイやワンセグなど)を備えた機種もあり、Androidを搭載したウォークマンも登場している。20年間でこれだけ変化を遂げたのは、日本の強みでもある」

 シュミット氏は日本のスマホユーザーの行動にも着目。「日本では、スマートフォンユーザーの約82%が1日に1回はネットにアクセスしている。特に興味深いのが、お店の中で使っている人が75%いること。これは世界で最も高い。クラウドベースのショッピングが日本でのビジネスの大きな成長要因になる」と期待を寄せた。

 クラウドが主流となった現在、シュミット氏は「人々が意識せずに使えること」を重視する。例えばPCで見ていた電子書籍やWebサイトを、移動中にスマホで続きを読んだり、目的地までのルートをPCで検索し、現地でスマホでも表示させる――といったものだ。また、「ネットを介することで文化財などが安っぽく見られるという懸念もあるが、文化財を見に行く時間やお金のない人が、YouTubeにアクセスすることで見られることもクラウドのパワーだ」と同氏は話す。

photo Nexus 7を手にするシュミット氏

 こうしたクラウドと、現時点の最新ソフトウェアを組み合わせることで何ができるのか?――それを示すデバイスとして登場したのが、Nexus 7だ。シュミット氏はポケットからさっそうとNexus 7を取り出し、「(Nexus 7は)Eメールや電子書籍など、すべてのコンテンツの窓になる。これよりいいデバイスがあるだろうか? 日本で発売できることをお祝いしたい」と話した。これまで、Nexus 7が販売されていたのは米国と欧州の一部地域のみ。GoogleがNexus 7を日本で投入した背景には、日本で「クラウド」と「モバイルインターネット」が着実に根付きつつあることが挙げられる。と同時に、Googleが日本市場を重視する姿勢があらためて垣間見えた。

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