NTTドコモがQRコードを使った決済サービスを開始か――「財布がいらない日」は本当にやってくるのか石川温のスマホ業界新聞

» 2017年08月25日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今週、産経新聞が「NTTドコモが今年度中にQRコードによる決済サービスを開始する」と報じた。

スマホでQRコードを表示させ、コンビニなどのレジのバーコードリーダーで読み取ることで、個人を認証し、決済を完了させるというものだ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年8月19日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


中国ではWeChatやAlipayなどでQRコードでの支払いが一気に普及。街中の屋台ではQRコードを印刷した紙を掲げておけば、ユーザー側がカメラでは読み取り、決済が完了するようになっている。

つまり、QRコードはユーザー、店、どちらが表示させてもいい。QRコードをカメラでは読み取ることで、その場で両者が紐付き、決済が完了する仕組みだ。

自分がこのバーコード決済を使い始めたのは、いまから数年前、アメリカでのことだ。

アメリカのスターバックスプリペイドカードを持っていたのだが、当初はプラスチックカードしかなかったが、いつの間にかスマホアプリが登場。さらに、スマホアプリでQRコードを表示させることで決済できるようになっていた。

店側とすれば、レジに当たり前のようについているバーコードリーダーが流用できるので、初期コストがあまりかからないというのがメリットだろう。

日本のスターバックスも、当初はプラスチックカードから始まり、その後、FeliCa決済に対応。さらにバーコード決済にも対応するようになった。

NTTドコモにQRコード決済について尋ねたところ「今すぐ始まるというものでもない」という回答であった。とはいえ、2020年に向けた流れを考えれば、バーコード決済というのが増えていくのは間違いないだろう。

ただ、日本の場合、圧倒的に現金での決済が多い。おサイフケータイも使っている人からすれば「手放せない存在」だが、すべてのスマホユーザーが使うという状況ではない。

 おサイフケータイが出始めたときに、「これで財布を持ち歩かなくなる日が来る」と期待されたが、結局、おサイフケータイが使えないところが多く、現金から逃れられないのが現状だ。ポイントカードや会員証も、スマホにすべて収納できるかといえば、決してそんなことはない。

自分の使い方を振り返ってみると、コンビニではApple Payやおサイフケータイ、非接触決済が使えないところはプリペイドカードやクレジットカード、そうしたものが一切使えない場所は現金という優先順位で支払っている。ここ最近、Apple Payやおサイフケータイの支払い比率は増えたものの、このパターンというのは10年以上、変わっていない。

ここにQRコード決済が始まったところで、支払い方法がひとつ、増えただけに過ぎないことになりそうだ。

中国は、これまで非接触決済もなければ、銀行口座、クレジットカードを持てる人も少なかった。だからこそ、スマホの普及によってQRコード決済が一気に市民権を得た。しかし、日本はすでに複数の支払い手段が存在する。

 今週、台湾での滞在中、EASYCARDという非接触ICカードを使って、地下鉄やバス、コンビニでの買い物をした。大規模な商業施設ではLINE Payも使えたようだが、コンビニで現地の人の決済を見ていると、やはりEASYCARDがデファクトスタンダードにとして圧倒的に多く、現金に置き換わっている印象さえある。

 日本の場合、プリペイドカードにクレジットカード、さらにおサイフケータイだけでも種類が多すぎて、現金に代わる「デファクトスタンダード」がないように思う。結局、どれも中途半端な存在になっており、どの店で使える万能な支払い手段になり得えていない。

 そう考えると、日本で「現金と財布から解放される日」というのは、当面、やってこないような気がしてならない。

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