ネットワーク機能もさらなる充実化を図っている。標準仕様モデルはIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(最大送信300Mbps/最大受信150Mbps)とBluetooth 2.1+EDRに加えて、WiMAXも標準装備するようになった。内蔵のWiMAXモジュールは他社が採用する高速なIntel Centrino Advanced-N + WiMAX 6250などではなく、Intel WiMAX/WiFi Link 5150なので、通信速度は最大送信13Mbps/最大受信3Mbpsまでのサポートだが、標準装備となったのは朗報だ。
さらにVAIOオーナーメードモデルでは、無線WAN+GPS、WiMAXの有無、IEEE802.11b/g/nの無線LAN(WiMAX選択時は11a/b/g/nに固定)の有無も選択でき、従来モデルで非対応だった無線WAN+GPSとWiMAXの同時搭載も可能となった。これにより、無線WAN+GPS、WiMAX、無線LAN、Bluetoothとワイヤレス通信機能をフル装備することもできる。
無線WAN機能については、NTTドコモのFOMA HIGH-SPEED(受信最大7.2Mbps/送信最大5.76Mbps)に加えて、日本通信の「b-mobile Doccica」を新たにサポートした点がポイントだ。NTTドコモのFOMA回線を利用したb-mobileでは1000円単位のプリペイド方式で無線WANが利用できるため、たまにモバイルで無線WANによるインターネットアクセスを行いたい場合などに便利だろう。
インタフェースは2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、専用I/Oコネクタ、SDHC対応SDメモリーカードスロット、PRO-HG対応メモリースティックデュオスロット、有効画素数31万画素のWebカメラを搭載する。従来モデル同様、専用I/Oコネクタに接続するオプションのアダプタを使うことで、アナログRGB出力と1000BASE-Tの有線LANもサポートする。VAIOオーナーメードモデルでは、ワンセグチューナーの追加(無線WANと排他)、Webカメラの有無、ノイズキャンセリングヘッドフォンの有無も選べる。
そのほか、新型VAIO Pの新機能として光るのが、さまざまな内蔵センサーによる操作のフォローだ。本体の傾きを検知することで縦位置/横位置表示、送り/戻しの操作が行える「加速度センサー」、ユーザーの向いている方角を検知して「VAIO Location Search」や新搭載のデジタルコンパスガジェットで方角を表示できる3軸式の「地磁気センサー」、環境光の明るさに応じてバックライト輝度を自動調整して省電力化する「照度センサー」を内蔵する。こうした付加機能にこだわるところが、いかにもVAIOらしい。
以上、フルモデルチェンジしたVAIO Pの強化点を中心にチェックした。レビュー中編ではVAIO Pに内蔵された各種センサー機能の利用法やアプリケーション面での進化に迫り、後編では実際のパフォーマンスやバッテリー駆動時間などをテストしていく。
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