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» 2011年06月23日 11時15分 UPDATE

「1日約80円」で海外定額データ通信:海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「フィリピン・マニラ」編 (1/2)

フィリピンは、東南アジア諸国と同様にプリペイドSIMカードを購入しやすく、データ通信モデムをセットにしたパッケージも販売されている。なんと言っても「安価」。モデムセットは短期滞在者向けに使いやすい価格・利用期間のものが容易に入手可能だ。

[山根康宏,ITmedia]
「海外プリペイドSIM導入マニュアル」バックナンバー

フィリピン・マニラの基本と通信事情

photo 東南アジア独特の風情を感じさせるフィリピン・マニラ

 日本から直行便で5時間弱と、東南アジアの国としてはそう遠くないフィリピンの首都マニラ。仕事で訪問する日本人も多く、日本より物価が安いことから観光で訪れる人も多いようだ。

 ただし治安はほかの東南アジア諸国より若干悪い面もあり、渡航前には外務省の海外安全ホームページで現地の最新状況を確認しておきたい。フィリピンの通貨はフィリピンペソ(PHP)で、1PHPは約1.83円(2011年6月現在、以下同)である。

 フィリピンには大手通信事業者3社とMVNO数社があり、WiMAXも一部都市でサービスが行われている。大手3社はいずれもW-CDMAとGSMの両方式で携帯電話サービスを提供しており、旅行者向けのプリペイドSIMカードは身分証明書不要で購入できる。そのため、フィリピンでの通信環境の入手は比較的容易だ。日本では2011年4月からNTTドコモが端末のSIMロックフリー化を本格的に開始したこともふまえ、SIMロックの施されていない日本の携帯電話やスマートフォンで、フィリピンで購入したプリペイドSIMカードを装着して利用することもできる。

 プリペイドSIMカードは街中のコンビニエンスストアや売店で購入できるほか、大きなショッピングセンターであれば通信事業者の店舗や携帯電話販売店、SIMカード専門店などが入っているのでそちらで購入できるのもよいだろう。価格は、含まれる利用額の残高に応じて50ペソから100ペソ程度(約91円〜183円)。日本の渡航者からすると大変安価だ。

 ただし、前述したようにマニラ市内は治安の悪いエリアもある。SIMカードを探しに街中を探索する場合は普段より注意が必要だ。街中をあちこち歩き回るより、欲しい事業者のものを見つけた場合はその場で買ってしまうのがよいと思う。

 もう1つ、マニラのニノイ・アキノ国際空港でもSIMカードは売っている。日本からの日本航空やデルタ航空、そして韓国や香港の航空会社が利用するターミナル1であれば、税関を出てすぐのロビーエリアに「Smart」のカウンターがあり、SIMカードやモデムセットが販売されている。ちなみに空港内も治安が悪いエリアがあるので、買物時にはスーツケースやポケットのサイフなど、身の回りの持ち物には注意を払っておこう。


photophoto 市内の大きいショッピングセンターには携帯関連の店舗が入っていることが多い(写真はRobinsons Place Mall)。Smartのプリペイドカウンターはニノイ・アキノ国際空港ターミナル1 到着ロビーにもある(写真=右)
フィリピンの通信事業者 2G        3G        4G       
Globe GSM W-CDMA WiMAX
Smart GSM W-CDMA LTE
Sun GSM W-CDMA
Wi-tribe WiMAX

HSPAモデムとプリペイドSIMのセットは約2300円

photo Smart(左)とGlobe(右)のプリペイドモデムセット。価格はどちらも1245ペソだ

 さて、マニラでは3つの事業者がそれぞれHSPA対応のモデムとプリペイドSIMカードのセットを販売している。データ通信環境を整えるならそれを買うのが簡単。街中の売店レベルの小さな店でも販売されているのを見かけるほどだ。前述したニノイ・アキノ国際空港のSmartカウンターでもセットパッケージが販売されている。

 価格は3社とも1245ペソ(約2300円)で横並びだ。USB接続のHSPAデータ通信端末と120時間前後定額で利用できるデータ通信対応プリペイドSIMカードがひとまとめになっている。120時間利用可能ということは、つなぎっぱなしで使っても5日分であり、短期の出張や旅行で利用するのならばちょうどよさそうな長さといえる。安価なので、渡航のたびに買ってしまうのもよいかもしれない。

 3社のセットのうち、Smartのものは使いはじめも簡単だ。パッケージに入っているSIMカードを入れ、PCに接続するとドライバや接続アプリケーションが自動的にインストールされる。接続アプリケーションの地球アイコン→「Connect」ボタンでインターネットに接続される。


photophoto 接続アプリケーションはこのような感じ

 どれくらい通信を利用したかは接続ソフトの管理メニューより確認できるが、SMSによる残高照会を利用するほうが正確な値が分かる。接続アプリケーションの手紙アイコンを押すとSMSメニューになるので、To欄に「2200」を、本文に「BROBAL」と入力して送る(Send)と、すぐに残り時間と有効期限が記載されたSMSが返信されてくる。

photophoto 「2200」宛に「BROBAL」記入してSMSを送ると、有効期限などが返信されてくる
photo こちらはGlobeのUSBモデム+プリペイドSIMカードのセット

 もう1つ、Globeのモデムセットの場合は、少し手順が異なる。SIMカードを入れ、PCに接続すると接続アプリケーション類のインストールが始まる。Globeは接続アプリケーションの“Profile Name”が「Globe Broadband-Prepaid」になっていることだけ確認したい。プルダウンメニューには回線契約者向けとなるGlobe Broadband-Postpaidの選択肢もあるが、こちらではこのプリペイドSIMカードでは接続できない。

 また、Globeは最初に利用登録をする必要もある。とは言ってもやり方は簡単で、接続アプリケーションよりSMSを送信するだけだ。「Text」アイコン(SMS送信画面が表示)→Send To欄に「8888」→本文に「FREE125」と記入して送る(Send)という手順だ。これで120時間分の利用が可能になる。残高照会は、同じくSMSで8888宛に「BAL125」と記入して送信すると内容が返信される。

 このように海外ではSMSを使ったバランスチェック方式も広く利用されており、パケット通信を使わなくとも利用できる利便性がある。モデムの接続アプリケーションにSMS機能があるのは、端末間でメッセージをやりとりするためだけではなく、このように残高確認や残高追加をSMSを使って行うことが一般的だからである。

photophotophoto Globeの接続アプリケーションでは、初回の利用登録(アクティベーション)をSMS送信で行う。ちなみに、SIMカードは30日間有効だ
photophoto 「8888」宛に「BAL125」と記入してSMSを送ると残利用時間が返信される
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