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» 2011年07月20日 09時00分 UPDATE

「スマホもOK」な海外定額データ通信:海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「シンガポール」編 (1/2)

東南アジア経済圏の中心でもあるシンガポール。国土の狭い都市国家ゆえ、国内の通信インフラは十分整備されている。データ通信も1日数百円程度で利用可能だ。

[山根康宏,ITmedia]
「海外プリペイドSIM導入マニュアル」バックナンバー

シンガポールの基本と通信事情

 東南アジア経済圏の中心地ともいえるシンガポール。日本からは飛行機で7時間とやや遠い距離ものの、夜行便もあるため夜中に羽田を出て翌朝にはシンガポール到着といったように旅行や出張時に時間を有効活用できる国である。

photophoto 先進国でありながらも、ローカルなエリアは今でも東南アジアの情緒を感じることができるシンガポール

 また、シンガポールは買物天国としても知られている。比較的安価にブランド品を購入できる以外に、日常品や食事なども安く、タクシーも気軽に乗ることができる。ただし、ホテル(の宿泊費)だけは(2011年7月時点での)ここ数年でじわりと値上がりしており、ほかの東南アジア諸国よりも割高なのが少々残念なところかもしれない。2011年7月時点での為替レートは1シンガポールドル=約65円である。

 シンガポールでは2011年現在、3つの通信事業者が携帯電話サービスを提供している。最大手のSingTel、日本のNTTドコモと同じアジアの通信連合“Conexus Mobile Alliance”に加入するStarHub、そしてVodafoneグループと提携するM1の3社だ。

 3社ともがGSM(2G)とW-CDMA(3G)方式を提供する。数年前までは地下鉄に乗ると2Gネットワークのみしか利用できなかったが、2011年現在はシンガポールの広いエリアで3Gサービスを利用できるようになっていた。あわせて、HSDPAによる高速データ通信サービスも始まっている。

 シンガポールでデータ通信環境を入手するには、ヨーロッパやアジア各国と同様に定額データ通信対応のプリペイドSIMカードを購入するのが楽だ。プリペイドSIMカードとUSBモデム(USBスティック型データ通信端末)をセットにしたパッケージも販売されているので、日本でSIMロックフリーのデバイスを所持していないならば、それを購入しても大丈夫だ。

 また、音声通話にも対応するプリペイドSIMカードを購入すれば、通話も国内通信事業者の割高な国際ローミング通話料でない価格帯で環境をそろえられる。こちらはデータ通信は定額でなくなるが、上限通信量を設けたプランが用意されている。SIMロックフリーのスマートフォンをシンガポールへ持って行き、音声通話もデータ通信も1つで済ませたい場合はこの方法でもよさそうだ。

 1つ注意点があると言えば、シンガポールでプリペイドSIMカードを購入する場合は必ず身分証明書の掲示および登録が必要となることか。プリペイドSIMカードは街のコンビニエンスストアや屋台のような店でも売っているのだが、(海外渡航者における身分証明書となる)パスポートなどを提示せずには購入できない。いったんホテルで一息いれてから街に出る──というような時には少し気をつけたい。

 というわけで手っ取り早く購入するなら、シンガポール・チャンギ国際空港で済ますのがよさそうだ。空港内にある各通信事業者の店舗、そして多数ある両替カウンター(両替店)でも販売されている。ちなみに、音声サービス用と定額データ通信用のプリペイドSIMカードは原則として種類が違う。両替店によっては片方しか取り扱っていなかったり、特定の事業者のものしか販売していないこともあるので、その場合はちょっと面倒だが別の両替店も訪れて品定めしてみてはいかがだろう。ともあれ、両替店はシンガポール着が夜中であっても開いているので、到着してすぐに買えるのがメリットだ。

photophotophoto 最大手のSingTel、ドコモと同じConexus Mobile Allianceに属するStarHub、Vodafoneグループと提携するM1がある

 一方、市内中心部にも販売店舗がいくつか発見でき、コンビニエンスストアや携帯電話販売店舗でそこそこ手軽に購入できる。前述と同様に身分証明書の掲示と登録は必要だが、海外渡航者におけるプリペイドSIMカードの入手性はかなり良好である。

3事業者がSIMカード+モデムをセット販売 今回は「SingTel」を試す

 PCで利用できる「USBモデムとデータ通信SIMカードのセット」は、3事業者がそれぞれ販売している。各社料金はほぼ同額だが、それぞれ使い勝手に若干の差がある。違いは以下だ。

通信事業者 特徴
SingTel 購入後SIMカードをモデムに装着するだけで利用できる。利用期間は3日間の定額のみ。延長はオンラインでクレジットカード決済で実施する
StarHub 購入後SIMカードをモデムに入れ、Webサイトを開き料金プランを選択する(あるいはSMSでプランを指定)。延長はバウチャーを購入する
M1 StarHubと同様に、利用開始前にWebサイトで料金プランを設定する

photo 購入した、SingTelの3日間の定額データ通信利用権付きSIMカードとUSBモデムのセット。PCに接続すると、ソフトウェア類が自動的にインストールされる

 StarHubとM1は、通信速度や細かい利用日数を用途や日程にあわせて選択できるメリットはあるものの、利用開始時に自身で設定しなければならないのがちょっと面倒だ。SingTelはあらかじめ利用プランが決められているため、設定不要で容易に使い始められる。利用日数の延長もその場でクレジットカード決済できるので、場合によっては使い勝手がよいと思う。

 今回購入したSingTelのセットは、3日間の定額データ通信利用権込みとなるSIMカード(18シンガポールドル/日本円換算で約1170円 2011年7月の取材当時、以下同)と、Huawei製のUSBモデムが入っている。セット価格は103シンガポールドル(約6670円)だ。SIMロックフリーのデータ通信機器を所持しているなら、18シンガポールドルのSIMカードだけを購入してもよいだろう。

 利用方法はよくあるUSBモデムセットと同様で、プリペイドSIMカードをデバイスに装着し、PCに接続すると通信ソフトウェアやドライバが自動的にインストールされる“ゼロインストール”に対応する。ソフトウェアのUIは英語だが、日本で同様にUSBモデムを使うときと操作性はほぼ一緒だ。なお、SIMカードの入っているパッケージには「電話番号」が記載されている。あとで料金を追加するときにこの電話番号の入力が必要になるため、これは捨てないこと。

 接続ソフトウェアでは、画面中央に「SingTel Prepaid」、画面左下にアンテナマークが立っていることをそれぞれ確認する。あとは画面中央右の「Connect」をクリックすればインターネットに接続される。この時点より3日間の定額利用期間が開始されるようだ。

photophoto 画面中央の「SingTel Prepaid」を確認、Connectボタンをクリックすればインターネットへ接続される

 初期の定額期間である3日を超えて使いたい場合もそれほど手間はかからない。SingTelのWebサイト経由で追加利用期間をクレジットカード払いで購入できる。接続ソフトウェア経由で適当なWebサイトを開くと、画面の半分がSingTelのWebサイト表示となる(表示されない場合はF5キーでリロードする)のでそこで手続きを行うだけだ。あるいは、直接SingTelのモバイルブロードバンドWebサイト(http://home.singtel.com/bbmobile/)へアクセスしてもよい。画面上部のメニューから「Surf on Prepaid」→「TopUp Now」とクリックすれば、料金の追加ページが表示される。

 追加できるプランは、「定額データ通信の期間を2日延長」で10シンガポールドル(約650円 1日換算約325円)、同じく「4日延長」で20シンガポールドル(約1300円 1日換算約325円)、同じく「7日延長」が35シンガポールドル(約2275円 1日換算約325円)の3つ。いずれも1日約325円だ。希望する金額を選び、SIMカードのパッケージに記載されている電話番号、クレジットカード番号などを入力すると、利用しているSIMカードに延長した利用期間が自動的に追加される。

photophoto 利用期間の延長は、接続ソフトウェア内に表示されるSingTelのサイトか直接該当URLへアクセスして申請できる
photophoto 電話番号について、頭の「65」はシンガポールの国番号。これは自動で入力される。そして下から希望日数を選ぶ。次の画面で氏名やメールアドレス、クレジットカード情報を入力することで支払いが完了。自動的に利用期間が延長される
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