早くからドコモ向けにスマートフォンを提供してきたシャープは、2011年夏モデルから「AQUOS PHONE」にスマートフォンブランドを統一し、2眼カメラ搭載の「AQUOS PHONE SH-12C」や、無接点充電(おくだけ充電)対応の「AQUOS PHONE f SH-13C」をドコモ向けに供給した。2011年度冬春モデルのフラッグシップ機として登場する「AQUOS PHONE SH-01D」は、SH-12Cの基本性能を押さえつつ、CPUやディスプレイ、省エネ機能などがさらに進化している。OSはAndroid 2.3.5。デザインやハードウェアスペックはソフトバンクの「AQUOS PHONE 102SH」に近い。
特に大きく進化したのが4.5インチの大画面だ。解像度はHDサイズ(1280×720ピクセル)に対応し、より高精細な表示が可能。表示カラー数もSH-12Cの約26万2144色から約1677万色に向上している。ボディサイズは65(幅)×126(高さ)×9.7(厚さ)ミリ。ディスプレイがSH-12Cの4.2インチから0.3インチ大きくなりながら、幅は1ミリしか増えていない。狭額縁設計により、SH-01Dのディスプレイの両端にはわずかしかない。ディスプレイ下の物理キーが所狭しと並んでいるのも印象的で、大画面をギリギリまで優先したことが分かる。
アウトカメラが1つになったことで、厚さはSH-12Cから約1.8ミリ減ってスリムになった。SH-01Dのカメラは1眼だが、液晶は視差バリアを用いた3D表示に対応している。重さは約137グラムで、SH-12Cよりも1グラム軽くなっている。SH-12Cでは非対応だった防水性能もサポートし、CPUはデュアルコア(OMAP4430)に進化した。ボディの小型化に伴ってか、Micro HDMI端子は備えておらず、HDMI出力ができなくなったのは残念なポイントだ。SIMはSH-13Cと同じく、ドコモminiUIMカード(microSIM)が採用されている。
バッテリー容量は1520mAhで、SH-12Cの1240mAhから大きく上がっている。ディスプレイの解像度がHDに向上したことで、見た目はそのままで液晶のバックライトを制御し、画像や周囲の明るさに応じて明るさやコントラストを調整する機能も盛り込んだ。画面の明るさ設定では新たに「鮮やか表示モード」を用意。これをオンにすると文字どおり鮮やかな表示に切り替わるが、バッテリーの持ちが悪くなるので、バッテリーを持たせたいときはオフにした方がいい。また、オンにしたときに画面の赤みが増したのも気になった。画質については今後のチューニングで変更されるかもしれない。
SH-01Dでは新たに「エコ技」機能を採用し、より効率よく消費電力を抑えられる。エコ技はauの「AQUOS PHONE IS13SH」やソフトバンクの102SHなどにも採用されている、2011年秋冬モデル以降のシャープ製Android端末では共通の機能となる。
エコ技では「通常」「技あり」「お助け」の3段階があり、初期状態では「通常」に設定されている。バッテリー残量に余裕があるときや充電できる環境にいるときは通常、外出時間が長いときは技あり、バッテリー残量が少ないときや災害時などの緊急時にはお助けに設定しておくといいだろう。3つのモードいずれもWi-Fi/GPS/Bluetoothのオンオフなどの項目があり、通常と技ありでは個別に設定を変更できる。エコ技ウィジェットもプリセットしており、ホーム画面からワンタッチでモードを切り替えられて便利だ。さらに、バッテリー残量に応じた設定もでき、50%で技ありに、20%でお助けに自動で切り替えるといったことが可能だ。時間帯に応じて設定したモードに自動で切り替わる、タイマー機能も用意されている。
SH-01Dは防水対応なので、コネクタカバーを頻繁に開けることはカバーの耐久性を考えると避けたいところ。それだけに、充電用の卓上ホルダが同梱されているのもうれしいポイントだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.