3M戦略を具現化し「ゲームチェンジ」する2012年――KDDI 田中社長に聞く:新春インタビュー(3/4 ページ)

» 2012年01月04日 10時30分 公開
[神尾寿,ITmedia]

販売店の改善は課題 店頭での顧客満足度向上も重視する

―― 2012年は御社にとって3M戦略を実現する重要な年になります。

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田中氏 そこではゲームチェンジをしたいですね。無意味な純増競争はやめにしたいですし、モバイルと固定通信を分けて考えるというのも終わりにしたい。スマートフォンで見ても、言葉は悪いですが、“余計な機能”までたくさん付いているわけです。

 ビジネスモデルの点でも、大きな転換をしたい。我々はずっとFMC(Fixed Mobile Convergence)を掲げていましたが、これまでのFMCは「ただの料金割引だよね」と感じてます。ビジネスモデルをもっと大きく変えていくことを考えなければなりません。

―― キャリアの本質的な役割は何か。それを問われる時期に入っていますね。

田中氏 ええ。今キャリアに求められるスマートパイプ(としての役割)とは何なのか。それを真剣に考えなければなりません。ビジネスモデルをどのように変えていくのかについては、(2012年の)近々には発表していきたいと考えています。

―― 足下の部分を見た場合、KDDIは製品やサービスの選択肢が増える一方で、それをauショップなど販売店がフォローしきれていないと感じます。これからスマートフォンに詳しくない人たちが「スマートフォンの主流層」として増えていく中で、今の体制でKDDIの豊富な選択肢をきちんとお客様にサポートしていけるのか。そこに不安を感じます。

田中氏 それはご指摘のとおりです。Windows Phone 7.5の発売時期に時間がなくて店頭の準備が不十分でした。iPhone 4Sの時はさらに厳しく、発表してから店頭の準備をするという状況でしたので、販売店の教育が行き届きませんでした。(iPhone 4Sに関しては)今まさにAppleの協力を得て、販売店教育を進めています。

―― iPhoneに関しては、本家のApple Storeよりサポートレベルが低いのは致し方ないにせよ、ソフトバンクモバイルの販売店よりも教育が行き届いていない印象を受けました。

田中氏 サプライチェーンの問題もありました。当初はiPhone 4Sの取り扱い店舗は800店舗ほどだったのですが、その後1カ月で5000店舗まで増やしました。結果として、1カ月に数台しかiPhone 4Sが入荷しないショップも出てきてしまって、(サポート体制構築も含めた)オペレーションがうまくできていないのは本当に課題だと感じています。

―― 特に今後、3Mの商品化が進みますと、お客様に伝えなければならない価値が、単純なハードウェア製品の話だけでは済まなくなります。本来であれば、製品・サービスの開発部門と、auショップなど販売現場が密接に連携しなければならないわけですが、今はそれが少し乖離してしまっているように見えます。

田中氏 それはご指摘のとおりだと感じています。auが調子がよかった頃は顧客満足度1位を獲得していましたが、それが今ではNTTドコモに奪われてしまっている。スマートフォンシフトも重なって、(店頭のサポート体制は)そうとう弱ってきているのは確かです。これはどうにかしなければなりません。しかし、一朝一夕でどうにかなるものでもないので地道に改善していくしかありません。

―― 2012年はスマートフォンの購入層が広がります。ここで店頭のサポート体制が極めて重要になりますが、その取り組みに力を注いでいく、と。

田中氏 もちろん行います。スマートフォンになって(キャリアショップだけでなく量販店の)販路も拡大していますし、プロダクトそのものの選択肢が増えた。また新製品の発売時にきちんと実装できていない機能があったりしたために、店頭に混乱を招いてしまっている自覚はあります。しかし、それらは私どもが乗り越えなければならない課題だと思っていますし、確実に乗り越えます。

2012年はタブレットも注目 マルチプラットフォーム化を目指す

―― 2012年はタブレット市場も成長領域に入ります。auのタブレット戦略はどのようなものになるのでしょうか。

田中氏 タブレットに関してですが、いま市場で売れているのは7〜8割がAppleの「iPad」です。まだAndroidのタブレットは市場がこなれていない。ドコモはAndroidタブレットをがんばって売っていらっしゃるようですが、それが現実です。

 2012年は(タブレット市場の)状況が少し変わってくるでしょう。新たにマイクロソフトのWindows 8タブレットも登場します。iPadを含めて、どのようなポートフォリオを組んでやっていくのか。それをまさに今、検討しているところです。

―― タブレットそのものは重視しているのですね。

田中氏 我々の推進する3M戦略では、タブレットは必須であると考えています。しかし、まだ具体的にどのような方針で行うかは、お話しできる段階ではありません。

―― タブレットに関してはコンシューマー市場だけでなく、BtoBやBtoBtoCの法人市場での活用も注目されています。

田中氏 そうですね。法人市場ではスマートフォンが意外と立ち上がっておらず、むしろタブレットの方がニーズが強い。調査によると約6割の法人がタブレットを導入したいというニーズを示していますね。(法人市場のタブレット)ニーズは確実にあります。しかし、今の段階ではセキュリティの確立など準備段階にあるのも確かです。2012年の後半には、タブレット市場全体が花開くのではないでしょうか。

―― スマートフォンでは複数プラットフォームを重視したプロダクト戦略を敷いていますが、この考え方はタブレットでも同じでしょうか。

田中氏 まあ、当然そのようになるでしょうね(笑)

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