最高のユーザー体験を――世界最薄、Android 4.0、LTEでスマートフォンを拡充するHuawei2012 International CES

» 2012年01月14日 16時29分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 中国のHuaweiは2012 CES開催前日の1月9日(現地時間)、フラッグシップモデルとなる2機種の新製品を発表し、製品発表イベントを実施した。本体の厚さが世界最薄6.68ミリの「Ascend P1 S」は、デュアルコア1.5GHz CPUを搭載し、W-CDMA/HSPA+の5バンドに対応。OSはAndroid 4.0を採用する。

「デザインとスペックと使いやすさ」のすべてを備えたP1 S/P1

 Huaweiが2012 CESにあわせて発表したAscend P1 SとAscend P1はAndroid OS 4.0を搭載した同社の最新フラッグシップモデルだ。両モデルとも基本スペックは同等で、本体の厚さと重さが異なる。主なスペックは4.3インチ 960×540ピクセルのスーパー有機ELディスプレイ、1.5GHzデュアルコアCPU、HD動画撮影対応の8メガピクセルカメラなど。バッテリーは本体内蔵型なので交換できず、展示品は1670mAhのものを搭載していたが、製品発売時にはさらに大容量の1800mAののバッテリーが搭載される予定とのこと。

photophoto Huaweiが発表した「Ascend P1」と「P1 S」(写真=左)。P1 Sの説明を行うデバイス部門責任者、リチャード・リー氏(写真=右)

 P1 SとP1の最大の特徴は本体のサイズとデザイン。4.3インチディスプレイを搭載しながら横幅は64.8ミリに抑えられている。そしてP1 Sはスマートフォンとして世界で最薄の6.68ミリ、P1は7.69ミリと薄い。本体カラーはメタリックブラック、セラミックホワイト、チェリーブラッサムピンクの3色が用意される。

 対応する通信方式はW-CDMA/HSPA+が850/900/1700/1900/2100MHzの5バンド、加えてGSMの4バンド。なお1700MHzは米T-MobileのAWS(1700/2100MHz)対応とのこと。日本での発売は現時点では未定だが、マルチバンドに対応していることから、仕様を変更してW-CDMA方式を利用している事業者で販売される可能性も考えられる。

 新製品発表会の席で、同社デバイス部門の責任者、リチャード・リー氏は「P1 SとP1はスマートフォンの使いやすさとは何かを考えた製品」であり、「手に持ちやすい薄さと軽さ、そして指先で操作しやすくコンテンツの利用に適した大型画面を搭載し、さらに高速なCPUと通信方式に対応することで、快適なスマートフォンエクスペリエンスを消費者に提供できる」と製品の特徴を語った。Dolby Mobileによる5.1chのサラウンドシステムを搭載し、エンターテイメント用途にも適しているほか、クリアな音声品質や高品質なアンテナの搭載により、ネットワークへの接続性能も大きく向上しているという。

 新製品に使われる「Ascend」というブランド名は、今後ミッドレンジおよびフラッグシップモデルに採用されるグローバル向けの名称とのこと。両モデルともに今年3月後半から欧州やアジア、北米およびオーストラリア、中東、中国など世界中での販売が予定されている。価格は現時点では未定だが、「400ドルレベルを目標としている」(同氏)とのこと。製品型番のP1 S、P1の「P」は「Plutinum」の意味。来月2月にスペインで開催される「Mobile World Congress 2012」では「D」、つまり「Diamond」を意味するさらに上位モデルを発表する予定とのこと。

photophoto Ascend P1 S/P1の主な特徴(写真=左)。P1 Sは業界最薄の6.68ミリ(写真=右)
photophoto Android OS 4.0を搭載する(写真=左)。Mobile Dolby Soundでサラウンドサウンドを実現(写真=右)
photophoto HSPA+ 5バンドでグローバル利用にも対応(写真=左)。ネットワークのつかみも優れているという(写真=右)

デザインのベースは「ユーザーエクスペリエンス」

 続いて同社端末開発部門のチーフデザイナー、ハーゲン・フェンドラー氏がP1 S/P1のデザインコンセプトを紹介。「スマートフォンのデザインは見た目だけではなく、これからはユーザーエクスペリエンス、すなわち使いやすさや楽しさといった目に見えない要素が重要になっていく」という。そのためには「日々の生活の中で消費者がどのように行動しているかを理解することも必要だろう」とした。「Huaweiでは世界中のあらゆる年代の消費者の声に常に耳を傾けている」(同氏)。

 P1 S/P1は薄いフラットなボディを採用したことで、端末を手に持つとまるでディスプレイが「エンドレス」、つまりフラットに奥へと広がっていくイメージを与えるという。また側面の角を取ったことにより、自然に手にフィットする心地よさも兼ね備えている。そしてこのデザインの中に最高のパフォーマンスを詰め込んだことで、総合的な使いやすさ、つまり「最高のユーザーエクスペリエンスを消費者に提供できる」(同氏)とのことである。

photophoto 製品発表会ではデザイン開発についても説明された(写真=左)。端末開発部門のチーフデザイナー、ハーゲン・フェンドラー氏(写真=右)
photophoto 「消費者を理解することこそが、求められる製品デザインのベースになる」という(写真=左)。フラットなディスプレイは無限の広がりをイメージ(写真=右)
photophoto 側面デザインは手に持ったときの感覚を重視している(写真=左)。薄いだけではなく“薄さを感じさせる”デザインに仕上げている(写真=右)
photophoto デザイン、テクノロジー、エクスペイエンス、そしてエクセレントのすべてを提供する(写真=左)。本体カラーはブラック、ホワイトそしてサクラ色(ピンク)の3色(写真=右)

LTEに対応する「Ascend P1 lte」も展示

 2012 CESのHuaweiブースにはAscend P1 SとP1のほかに、LTEに対応した「Ascned P1 lte」も参考出品されていた。CPUやカメラなどはAscend P1シリーズに準じるが、詳細なスペックは未定とのこと。通信方式は欧州やアジアで採用されているLTE 800/1800/2600MHzと、W-CDMA 900/2100MHzに対応することから、これらの地域での発売が想定される。日本向けの周波数対応は現時点では一切未定とのこと。

photophoto 世界最薄スマートフォンのAsend P1 S(写真=左)。背面は下部とカメラ周りに若干厚みがある(写真=右)
photophoto 側面は異なる配色になっている。最薄部分は6.68ミリ(写真=左)。展示品には参考ながら、日本語ロケールも含まれていた(写真=右)
photophoto Ascend P1 S/P1を中心としたHuaweiブース(写真=左)。LTE対応のAscend P1 lte。本体デザインはやや丸みを帯びている(写真=右)
photophoto 厚さは約9.9ミリ(写真=左)。Ascend P1 Sと同スペック、厚さが7.69ミリのAscend P1(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月18日 更新
  1. 縦折りスマートフォン6機種のスペックを比較する サイズ/カメラ/価格の違いは? (2024年04月17日)
  2. ソフトバンク版iPhone 15 Pro、Pixel 8 Proの一部容量が実質24円 1年で買い替える人向け「新トクするサポート(プレミアム)」の内訳とは (2024年04月17日)
  3. 「ポケモンGO」大幅アップデート より自分に近いスタイル変更、現実世界を反映したビジュアルなど (2024年04月16日)
  4. Back Marketの「リファービッシュ製品」が中古と違うワケ 売れ筋はiPhone 13、バッテリー“100%保証”の計画も (2024年04月17日)
  5. 「なめてんの?」前澤友作さん、Metaの“他責的声明”に激怒 著名人なりすまし広告問題で (2024年04月17日)
  6. 「改正NTT法」が国会で成立 KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが「強い懸念」表明 (2024年04月17日)
  7. HMDとハイネケン、透明で“退屈な”折りたたみ携帯を発表 (2024年04月17日)
  8. ソフトバンク、「新トクするサポート(プレミアム)」を4月18日に開始 対象機種は? 現行プログラムとの違いは? (2024年04月16日)
  9. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  10. 「au PAY プリペイドカード」が4月23日にリニューアル タッチ決済に対応 「バーチャルカード」としての発行も可能に (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年