レビュー
» 2009年05月13日 16時30分 公開

本命はどっちだ!?:AdamoとMacBook Airがガチンコ対決 (2/2)

[田中宏昌(撮影:矢野渉),ITmedia]
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パフォーマンスはMacBook Airに軍配

 冒頭で述べた通り、OSをWindows Vista Home Premium(SP1)に統一した環境でベンチマークテストを行った。ただ、Adamoが64ビット版のVistaを搭載しているのに対し、MacBook AirのBoot Camp用ドライバは32ビット版しか用意されておらず、64ビット版はMac ProとMacBook Pro用のみとなる。とはいえ、MacBook ProとMacBook Airはプラットフォームが共通なので、「Mac OS X Install DVD」に含まれるドライバを個別に手動でセットアップしていけば(インストーラーを使うとはねられる)動作保証対象外とはいえ、64ビット化することは可能だ。下のグラフでは32ビット版Windows Vista Home Premium(SP1)の値を掲載したが、試しに計測した64ビット環境のスコアは今回利用したアプリケーションではおおむね誤差範囲内に収まっていた。

 それでは、テスト結果を見ていこう。まずWindowsエクスペリエンスインデックスは、前ページで触れたように基本スペックの高いMacBook Airが高スコアを残しているのが分かる。PCMark05でもその傾向は変わらず、3D描画性能を計測する3DMark06も、画面解像度が異なっているとはいえ、確実にスコアは差が付いている。もっとも、チップセット内蔵のグラフィックス機能である点は両モデルとも変わらず、過度な期待は禁物だ。

Windowsエクスペリエンスインデックスの画面。左がAdamo、右がMacBook Airだ

PCMark05のテスト結果
3DMark06のテスト結果
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のテスト結果

 ストレージの性能をテストする、ひよひよ氏作のCrystalDiskMarkでは、リード性能でMacBook Airが、ライト性能はAdamoが好成績を残した。評価機はともにサムスン製モジュールを採用していたが、最新のSSDに比べると、シーケンシャルリード/シーケンシャルライトともにいまひとつのスコアだったが、Vistaのレスポンスは良好だった。

CrystalDiskMark 2.2.0のテスト結果。左がAdamo、右がMacBook Airだ

バッテリーの駆動時間や発熱面はAdamoが有利

 バッテリーの駆動時間は、海人氏作の「BBench 1.01」を利用してテストした。画面輝度を最高に固定し、キーボードバックライトはオフ、電源プランは「バランス」、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11n)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定で計測したところ、Adamoは166分、MacBook Airは147分でバッテリーの残量がゼロになった。バッテリー駆動時間の公称値はAdamoが約5時間、MacBook Airが約4.5時間と、どちらも約半分強の実測値だったが、画面輝度やCPUのパフォーマンスなどを細かく調整すれば、もう少し駆動時間を延ばすことができるはずだ。

 気になるのは、両モデルともユーザーレベルでバッテリーの交換が行えず、サービスプロバイダーやサポートセンターに製品を持ち込んだり送らなければならない点にある。モバイルでの用途が多い製品だけに、毎日利用すれば1年後にはほぼ確実にバッテリーがへたってくる。ほかのモバイルPCでは、別売のバッテリーを購入してユーザー側で交換するだけで済むが、AdamoとMacBook Airについてはバッテリーの交換費と修理期間(PCが手元になくなる)はあらかじめ念頭に入れておいたほうが無難だ。なお、アップルでは保証期間が3年間延長される「AppleCare Protection Plan for MacBook Air/MacBook」が(Apple Store価格で3万1500円)用意されているが、バッテリーは対象外となり、「MacBook Air 保証対象外バッテリー交換プログラム」での対応となる。また、デルはバッテリーがサービスパーツ扱いとなり、価格や修理期間は見積もりでの提示/対応となる。

 一方、騒音や発熱面はどちらも低負荷時で気になるところはなく、Adamoは背面左側、MacBook Airは背面中央にある冷却ファンの風切り音も静かだった。しかし、システムに高い負荷をかけるとMacBook Airはボディ全体が熱を帯び、排気口付近は48度、手の触れるキーボードおよびパームレストの右側が40度近く(室温は25度)まで達した。このあたりは、CPUが高速な代わりにTDPも17ワット(AdamoのSU9400は10ワット)と高いMacBook Airが不利だ。

 逆にAdamoは排気口付近が40度近くになったものの、底面は35度前後、パームレストやキーボード面は30度前後に収まり、手の触れる部分で熱く感じる部分はなかった。ただ、排気ファンが小型で高速に回転するため、両機とも静かな環境では風切り音がやや耳障りだった。


 2回にわたってAdamoとMacBook Airを見てきたが、いかがだったろうか。アルミ削り出しのスリムボディ、ユーザーレベルで交換できないバッテリー、デザイン性に優れたモバイルPCという共通のキーワードはあるものの、実際は似て非なる製品であるというのが率直な感想だ。性能を重視しつつ、インタフェースを割り切って軽量化とスリム化を追究するMacBook Air、従来のPCカルチャーを継承しつつ軽量化よりもデザインを重視したAdamoという構図であり、目指す方向は大きく異なる。

 価格も30万円近くするため、おいそれと買えるモデルではないが、両者がかかげる“美学”に共感できるのであれば、唯一無二のパートナーとして活躍してくれるだろう。

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