2008年1月に厚さ2センチを切るスリムボディのノートPCとして登場した「MacBook Air」。酸化皮膜処理を施したアルミニウムのボディ(のちにユニボディと命名)、LEDバックライトを採用して薄型化を図った液晶ディスプレイ、上位モデルでは標準でSSDを採用し、現行のMacシリーズで最も軽量なモデルとして注目を集めた。2008年10月にはチップセットをインテルからNVIDIAに変更するというモデルチェンジを行い、パフォーマンスの強化を図った。ここでは、以前に掲載した「Mac mini Trilogy」と同様、Mac OS X Leopard、Windows XP、Windows Vista環境でテストしたリポートをお届けする。まずはMac OS X編だ。
ボディサイズが325(幅)×227(奥行き)×4〜19.4(厚さ)ミリ、重量が約1.36キロというスペックは従来モデルを継承しているが、内部のシステムは一新された。まずチップセットはIntel GS965 ExpressからNVIDIA GeForce 9400Mになり、内蔵グラフィックスコアもIntel GMA X3100から3Dの描画性能が大きく向上した。CPUもMerom(開発コード名)コアの低電圧版Core 2 DuoからPenryn(開発コード名)となってFSBが800MHzから1066MHzに引き上げられ、2次キャッシュも4Mバイトから6Mバイトに増量し、動作クロックも1.8GHzから1.86GHz(上位モデルの場合)に微増している。メインメモリはオンボード2Gバイトのままだが、DDR2からDDR3になって動作電圧が下がり、同時に667MHzから1066MHzに高速化しているは見逃せない。
話題を集めた極端に割り切ったインタフェースは、USB 2.0×1、Micro-DVI、ヘッドフォン、モノラルスピーカーと無指向性のマイク、内蔵カメラ「iSight」から、Micro-DVIがMini DisplayPortに切り替えられたのみだ。ネットワーク関連はAirMac Extreme(802.11nドラフト)とBluetooth 2.1+EDRを内蔵し、有線LANポートを持たないのも従来モデルと共通である。
MacBook AirにWindows 7 RCを入れてみた
AdamoとMacBook Airが恋に落ちた!?――容姿編
グラフィックス性能を強化した「MacBook Air」は11月上旬に出荷
アップル、厚さ19.4ミリの“0スピンドル”モバイルノート「MacBook Air」を発表
見た目は旧式、中身はCoolな新型Mac miniをチェックした
24インチ時代が今から始まる――新型iMacで自信を見せるアップル
MacBook Airの主なスペック | ||
---|---|---|
モデル名 | 1.86GHz MacBook Air(MB940J/A) | 1.6GHz MacBook Air(MB543J/A) |
CPU | Core 2 Duo SL9400(1.86GHz) | Core 2 Duo SL9300(1.6GHz) |
メモリ | 2Gバイト(DDR3) | |
チップセット | GeForce 9400M | |
液晶ディスプレイ | 13.3型ワイド光沢 | |
画面解像度 | 1280×800ドット | |
ストレージ | 128GバイトSSD | 120GB HDD(4200rpm) |
有線LAN | − | |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠) | |
Bluetooth | Bluetooth 2.1+EDR | |
USB | USB 2.0×1 | |
外部出力 | Mini DisplayPort×1 | |
Webカメラ | ○ | |
バッテリー | リチウムポリマー(7.2ボルト37ワットアワー) | |
バッテリー駆動時間 | 約4.5時間 | |
ボディサイズ | 325(幅)×227(奥行き)×4〜19.4(厚さ)ミリ | |
重量 | 約1.36キロ | |
OS | Mac OS X 10.5 | |
Apple Store価格 | 29万8800円 | 21万4800円 |
LEDバックライトを採用した液晶ディスプレイは、13.3型ワイド光沢で1280×800ドットという解像度も変わりない。光沢タイプながら画面への映り込みはよく抑えられており、上下方向の視野角は狭いものの、左右方向は角度をつけると多少黄ばむ点を除けばそれなりに広く、実用上不満はない。
キーボードは日本語配列に加えて、BTOオプションで米国仕様のUS配列キーボードを用意し、いずれもバックライトキーボードを内蔵する。トラックパッドはマルチタッチ操作に対応し、2〜4本指でのさまざまな操作が可能だ。もちろん、ピンチやスワイプ、回転といったジェスチャー機能も備えているが、クリックボタンと一体化されたMacBookやMacBook Proとは異なり、タッチパッド下部にクリックボタンがある分だけ、パッドのサイズが小さくなっている。それでも105(横)×63(縦)ミリとゆとりがあり、ジャスチャー操作もやりやすい。
次のページでは、ストレージの詳細やベンチマークテストの結果を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.