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» 2011年12月15日 22時29分 UPDATE

バーチャル試着、年賀状、実世界の画像解析も――写真と動画で見る「SATCH」の新ARアプリ

KDDIの新たなARブランド「SATCH」のSDKを採用したアプリにはどんなものがあるのだろうか。12月15日の発表会で披露されたARアプリの一部を紹介しよう。

[田中聡,ITmedia]

 KDDIが新たに立ち上げたARの新ブランド「SATCH」(サッチ)。Total Immersionの画像認識技術を用いたARソフトウェア開発キット「SATCH SDK」を12月15日から開発者向けに提供し、ARアプリ開発のオープン化を狙う。対応OSはiOS(iOS 4か5)とAndroid(2.1以上)。au以外の端末でも利用できる。

 12月15日に開催された発表会では、SATCH SDKを採用した企業が実際に提供中/提供予定のアプリのデモを実施していた。専用アプリを立ち上げてカメラをかざすと、そこに表示されるコンテンツを楽しめる。当初は個別のアプリを用いて画像を取り込んでいくが、2012年3月には、1つのアプリで異なるARサービスを利用できる、共通のビュワーアプリが提供される予定だ。ここではデモの主な内容を紹介しよう。

LOUIS VUITTON CIRCUS/KDDI

 KDDIがルイ・ヴィトンと共同で実施している「LOUIS VUITTON CIRCUS in collaboration with au」キャンペーンの一環で、ルイ・ヴィトン店頭のウィンドウコンセプトと連動したARアプリを配信している。店頭に設置されたARマーカーを読み込むと、キャンペーンのテーマ「LOUIS VUITTON CIRCUS」のイメージキャラクターである象が現れる。現れた象は怖がってすぐに背を向けて消えてしまう。その後、ルイ・ヴィトン店内にあるカードを入手して、再びカメラを向けると、ルイ・ヴィトンからの「秘密のメッセージ」をWebサイトで見るためのパスワードが現れる。サーカス会場(Webサイト→http://louisvuittoncircus.jp/)にいるネズミをクリックして光った後にパスワードを入力すると、メッセージを見られるという。こうした仕掛けを広めて店舗への誘客を狙う。

 同アプリの配信を含むキャンペーンは、11月25日から2012年1月16日まで実施されている。

photophotophoto 店頭のARマーカーを読み込むと、LOUIS VUITTON CIRCUSの象が現れるが……?
photophoto 店頭で入手したカードに再びカメラをかざすと“秘密のパスワード”を入手できる

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Charge, Go!ウイダーinゼリー

 森永製菓のウィダーinゼリーをカメラに収めると、6つの3Dボールが画面に現れ、それぞれに触れると音が鳴る。色や数を解析してスポーツのアドバイスをしてくれる診断機能もあるという。2012年2月上旬から提供される予定。


BAR Cheeza

 江崎グリコのスナック「Cheeza」のパッケージにカメラを向けるとダーツが出現し、フリックしするとダーツを投げられる。デモでは15本投げないとスコアが表示されなかったが、製品版では1投目からスコアが出るようになる。ちなみに、Cheezaの袋を破いた状態でもダーツは現れる。これは「パッケージの下の部分を認識しているため」(説明員)とのこと。3月上旬から提供予定。

photophotophoto Cheezaのパッケージを使ってダーツを遊べる

mARude 3D

 サントリー酒類の「まるで梅酒な ノンアルコール」と連動したARアプリ。商品ボトルをカメラに収めるとグラスと梅の花(5枚)が現れる。グラスをタップすると「カラン」と氷の音が鳴り、梅の花をタップするとオススメの楽しみ方が表示される。2012年3月下旬から提供予定。

photophoto 右下のグラスをタップすると氷の音が鳴り、上の梅をタップするとオススメの楽しみ方が表示される

ケータイPOST

 「ケータイPOST」から取り寄せたAR対応の年賀状にカメラをかざすと、みかん、鏡餅、門松などの3D画像が浮かび上がる。デモでは3種類の年賀状のみ紹介されていたが、商用サービスでは20種類の年賀状が販売される予定。

photophoto カメラをかざすと、ハガキからイラストが現れる

バーチャル試着

 来場者の注目を特に集めていたのが、カメラでモニターに全身を映しながら洋服のコーディネートができるアプリ。画面に映し出された項目を空中で擬似的にタップすると、女性もの/男性もの、衣類の種類などを選択でき、画面に現れた洋服に身体を重ねることで、擬似的に試着ができる。高さと幅の調整も可能だ。被写体の人物が動き回っても洋服が追従して立体的に表示し、ワンピースがひらひらする様子も再現するなど、実際に洋服を着ているかのように見えた。試着した状態の画面をキャプチャしてケータイなどへ送信できる。商用化は未定だが、結婚式場でのウェディングドレスの試着や、店舗での衣類の試着などへの用途が想定される。

photophotophoto 巨大モニターに全身を映しながら擬似的に試着を楽しめる
photophotophoto デモにはサンタクロースの衣装も用意されていた(写真=左、中)。キャプチャも可能だ(写真=右)

モバイルオーサリングツール

 1度撮影した被写体の上に、異なる被写体が浮かび上がるアプリ。まずはベースの被写体を撮影し、次に2枚目の写真を撮影するか、アルバムから選ぶ。その後、ベースの被写体にもう1度カメラを向けると、2枚目の写真が浮かび上がって画面の中を動き回る。

photophoto まずは1枚目の写真を撮影
photophotophoto 続いて2枚目の写真を撮影して、1枚目の被写体にカメラを向けると、2枚目が1枚目の上に浮かび上がる

氷見でござるの巻

 富山県立大学が提供する、富山県氷見市の観光ガイドアプリ。氷見出身の藤子不二雄A氏がデザインした「氷見のサカナ紳士録」のキャラクターが、町の見どころを案内してくれる。ガイドしてもらうキャラを入手して目的地を決めると、アプリの地図上に見どころや目的地が表示される。さらに、藤子不二雄A氏の代表作の1つ「忍者ハットリくん」のキャラクターが出現するスポットもあるという。ゲームを楽しむ感覚で観光ができるわけだ。12月下旬から提供予定。

photophotophoto 地図の青い地点には、ガイドしてくれるキャラクターがおり(写真=左)、キャラのイラストの前でカメラをかざすと画面に登場する(写真=中)。続いて氷見市散策の目的地を決める(写真=右)
photophotophoto 目的地は4つから選べる(写真=左)。赤い地点が目的地、緑の地点が見どころのスポット(写真=中)。「忍者ハットリくん」のキャラクターが登場するスポットもある(写真=右)

世界三大夕日と釧路和商市場

photo 勝手丼のクーポンが表示される

 世界三大夕日に数えられる、釧路市の夕日が美しく見える撮影ポイントの案内ARアプリ「世界三大夕日」と、北海道釧路の新鮮な魚介類が集まる和商市場を紹介するARアプリ「釧路和商市場」が2012年3月下旬から提供される予定。これらは釧路工業高等専門学校による作品だ。デモが行われていた釧路和商市場アプリでは、チラシにカメラを向けると、市場の海産物を買って自由に作れる海鮮丼「勝手丼」のクーポンが画面上に表示される。ただし画像としては保存できないので、このままの状態で見せる必要がある。


実世界画像認識技術

 カメラがとらえたものの情報をスマートフォンの画面上に表示する技術が参考出展されていた(商用化は未定)。例えば赤ん坊を映すと「face-of-person」「child-boy」、外の景色を映すと「tree」「sky」「grass」「cloud」などの言葉が画面に出る。「iPhone」は「スマートフォン」と認識するなど、固有名詞ではなく、実世界に存在する“一般的な名称”が表示されるのが特徴だ。人物、集団、食べ物、花、犬、海、空、山など、200種類以上のものを解析できるという。将来的には、画像認識エンジンと人工対話エンジンを組み合わせ、「車が近づいてきています」「空模様が心配ですか? 明日は晴れとの予報です」など、ユーザーの意志操作を先読みするエージェント機能の実装も視野に入れている。

photophotophoto カメラでとらえた人や物を認識してキーワードを確認できる

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