レビュー
» 2012年01月20日 10時51分 UPDATE

「ARROWS X LTE F-05D」の“ここ”が知りたい:第3回 “電話機”としての使い勝手はどう?――「ARROWS X LTE F-05D」

「ARROWS X LTE F-05D」は、スマートフォンでは軽視されがちな、音声通話機能にも力を入れている。今回は、本機の「電話機」としての機能や性能に迫った。

[Sho INOUE(K-MAX),ITmedia]
photophoto 富士通製の「ARROWS X LTE F-05D」

質問:通話サポート機能はどれだけ使える?

 NTTドコモの富士通製スマートフォン「ARROWS X LTE F-05D」は、富士通が昨今力を入れて取り組んでいる機能群「ヒューマンセントリックエンジン」が採用。その中で、音声通話に便利な機能として「あわせるボイス2」「スーパーはっきりボイス3」(はっきりボイス)、「ぴったりボイス」「ゆっくりボイス」が搭載されている。いずれも富士通がiモードケータイ(特に「らくらくホン」)で培ってきたものだ。

 あわせるボイス2は、プリセットされた音声を聞き、一番聞き取りやすいものを選ぶことで、耳に合った音質に合わせてくれる。購入時または初期化後の初期設定でセットアップできる。本体設定の「初期設定」から、「自分からだ設定」→「あわせるボイス」からも設定可能だ。音質設定は6パターン、効果の強弱はOFF(無効)を含めて4パターンの中から選べる。

photophotophoto 「あわせるボイス」の設定は、受話口に耳を当てて、6パターンの音声の中から一番聞き取りやすい音声を選ぶだけで簡単にできる(写真=左、中)。「強弱設定」は、通話画面の「あわせるボイス」をタップして切り替えることも可能だ(写真=右)

 はっきりボイスは、音声を周囲の騒音に合わせて最適に調整したり、相手や自分の声が小さいときに自動的に大きくしてくれる機能。ぴったりボイスは、はっきりボイスに付帯する機能で、モーションセンサーや基地局情報などから揺れ・移動状況を検知し、現在いるシーンを想定して、より最適な音声にしてくれる。ゆっくりボイスは、通話相手の話の“間”を利用して通話相手の声がゆっくり聞こえるようにするものだ。その原理上、相手が“間”を取らないような話し方をする場合には効果が薄くなってしまうので注意が必要だ。今回は、着信試験でゆっくりボイスの効果を試してみたので、参考にしてもらいたい。


 あわせるボイス、はっきりボイス、ゆっくりボイスは、通話画面で設定状況を確認したり、オン/オフや強弱を切り替えられる。機能によってかえって聞こえにくい状況が発生した場合は、適宜設定するといいだろう。

 なお、いずれの機能も個人や状況によって効果に差があることをご了承いただきたい。また、ゆっくりボイス以外の機能は本体の受話口を耳に当てて使うときのみ利用可能で、スピーカーホンモード、端子に接続したイヤフォンマイクやBluetoothヘッドセットには対応していない。また、携帯電話ネットワークでの通話のみが対象で、後述のインターネット通話では一切利用できないので注意したい。

photo 通話画面の右上に通話関連の設定パネルが3つある。左から「ぴったりボイス」で検出した周囲の状況を示すアイコン、はっきりボイスのオン・オフスイッチ、あわせるボイスの設定をするスイッチ、ゆっくりボイスおオン・オフスイッチとなっている

質問:伝言メモはある?

 ドコモの携帯電話では、センターに預けるタイプの留守番電話サービスは月額315円の有料サービスだ。そこで、節約のためにiモードケータイで本体に伝言を残しておく「伝言メモ」機能を使っているユーザーも少なくない。しかし、Androidスマートフォンではこの機能が付いていないことが多く、そのために「スマートフォンに移行できない」という声も少なからずあった。

 ARROWS Xでは、本体側に保存する伝言メモ機能に対応している。本体設定から「通話設定」→「伝言メモ」と進み、「伝言メモを有効」にチェックを入れ、通知画面にテープのアイコンが出れば設定完了だ。着信中に手動で伝言メモを使いたい場合は、着信中に現れるテープアイコンを右方向にスライドすると、応答ガイダンスの再生が始まり、その後録音される。

 着信してから何秒後に応答ガイダンスが再生、伝言メモが録音されるかの時間も設定できる。0秒から120秒まで、1秒単位で自動応答開始時間を設定できる。「応答ガイダンス設定」からは、自分で録音した応答ガイダンスを登録できる。録音した伝言メモの再生も、設定画面で確認できる。機能的には、iモードケータイと変わらないものを実現している。なお、この機能も後述のインターネット通話では一切利用できないので注意したい。

photophotophotophoto 着信時に応答ガイダンスを流す場合は、テープのアイコンをスライドしよう(写真=左端)。伝言メモは自動設定も可能。有効にすると、通知アイコンに青色のテープのアイコンが出る(写真=左中)。応答音声や自動応答時間も設定できる(写真=右中、右端)

質問:インターネット電話(SIPクライアント)として使える?

 Android 2.3以降は、OSの標準機能として、無線LAN接続時にインターネット(IP)電話として利用できる「インターネット通話」(SIPクライアント)機能が搭載されている。この機能を利用できると、設定が若干煩雑なものの、NTT東日本・西日本が提供する「ひかり電話」などのSIP準拠のIP電話サービスにおいて、追加のソフトウェアを用意せずに無線LAN子機(クライアント)として使える。しかし、市販されているAndroidスマートフォンの多くでは、このインターネット通話機能が削除されてしまっており、そのような使い方をしたい場合、AndroidマーケットからSIPクライアントソフトをダウンロードする必要がある。

 ARROWS Xの場合、取扱説明書では詳しく触れられていないが、OS標準のインターネット通話機能がそのまま残っており、設定をすればIP電話子機として利用できる。本体設定で「通話設定」を選び、「インターネット通話の設定」にある「アカウント」で、SIPアカウント(IP電話として利用する際に必要な情報)の設定を行う。「着信を許可」にチェックを入れれば、待受も可能になるが、バッテリー消費が激しくなる。

 筆者宅の固定回線はNTT東日本の「ひかり電話」。SIPサーバとなる「ひかり電話ルーター」とARROWS X双方に必要な事項を登録した上で、インターネット通話を有効にしたところ、正常に発着信できた。

photophoto ひかり電話ルーターなど、SIPサーバを登録することで、IP電話として利用可能になる

 発着信ともに、通常の発信アプリと通話アプリを利用するが、IP電話として通話中は、画面に「インターネット通話」と出るので、通常の携帯電話発着信と区別がつくようになっている。通話設定の「インターネット通話を使用」オプションで「通話のたびに確認」としておけば、IP電話として使える状態にあるときに、発信を携帯電話回線で行うか、IP電話で行うかを選べる。

 ただし、今回の組み合わせで使った場合は、ルーター側で着信番号通知を有効にしても、「anonymous(通知不可能)」と表示されて着信番号を確認できなかった。SIPサーバによっては、番号通知できるものと思われるが、詳細を調べる環境を用意できなかったことをお断りしておく。また、先述の通り、インターネット通話機能では音声通話関連の付加機能がほぼ一切使えないことにも注意しよう。

photophotophoto IP電話として発着信している場合は、画面に「インターネット通話」と表示されるようになっていて分かりやすい。はっきりボイス、あわせるボイス、ゆっくりボイスいずれも表示はされるが、グレーアウトして使えない(写真=左)。インターネット通話が有効の場合は、すべての通話をIP発信にするか、通話相手がIP電話である場合のみIP発信にするか(ひかり電話の場合は無意味)、通話のたびに選ぶか選択できる(写真=中)。こちらは発信時の選択画面。都度選べるようにしたい場合は、「通話のたびに選択する」設定にするといいだろう(写真=右)

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.