O2では、PCに接続してデータ通信専用に使えるUSBデータアダプタも同じプランで利用できるが(もちろん、通話はできない)、今回は、スマートフォンを使ったTwitterによる「CeBIT 2010 ライブリポート」も実施する予定だったのでSIMカードを購入した。購入の手続きも簡単で、クレジットカードとパスポートをカウンターに提示し、渡された申込書に氏名と生年月日を記入、最後に署名を入れて提出する。身分証明とクレジットカードが有効であることが確認できたら、カウンターの引き出しからプレイベイドSIMカードのパッケージを取り出して渡してくれる。これで契約の手続きは完了だ。
ただ、できれば、そのまま開通処理まで説明を聞きながら行ったほうがいい。スタッフがSIMカードのパッケージのホルダーからSIMカードを取り出してくれるので、それを、自分が使うスマートフォンに挿入する。電源を入れるとPINコードを聞かれるので、ホルダーの裏面に記載されている番号を入力すればいい。スマートフォンが起動して、ホーム画面の携帯電話事業者に「O2-de」と表示されれば、O2の電波を認識していることになる。次に、スタッフが指定する電話番号にSMSを送信して返事が受信できれば無事開通だ。手続き開始からここまで20分程度で終わる。
なお、プリペイドSIMカードを使うには、SIMロックフリーの携帯電話である必要がある。今回、記者はWindows Mobile 6.1 Standardを導入して日本語化を施したSIMロックフリーのスマートフォンを使用している。
そのO2を使って、CeBIT会場からTwitterを使ったリアルリポートが行えたのは、PC USER公式Twitterで紹介したとおり(そのタイムラインはこちらからどうぞ)。ICEの車内からWebページを調べながら記事を執筆して、画像を多数含んだコンテンツをアップロードすることもできた。さらに、筆者が宿泊したハンブルクの駅裏にある安宿には、無料で使える無線LANが用意されていたが、セキュリティがかかっていないだけでなく、回線が細くて実用的ではない速度だったが、ここでも、O2の回線を使って快適にネットワークを利用できた。
その回線速度を、speed.rddtoday.comで測定すると、(同じ地点における測定結果のばらつきが大きいものの)CeBIT 2010会場のハノーバーメッセにあるプレスルームで「下り1Mbps超え、上り200Kbps前後」、ICE車内では、駅近くで「下り1Mbps超え、上り250Kbps超え」、駅から30分ほど離れた草原で「下り100Kbps、上り25Kbps前後」という結果になった。
ICE車内における駅近くと草原付近における回線速度に大きな差が出ているように、O2のエリアは場所によって電波強度が大きく変わるようだ。ドイツ国内では後発でシェアが第4位ということもあるが、電波を捕まえてアンテナも立っているけど継続したデータ通信を行うには強度が弱いという弱点が、ICEで郊外を走っているときやCeBITの会場でホールの奥に入っていったときなどにデータ通信が行えない、もしくは、著しく遅くなるという症状となったようだ。もちろん、ICEで駅付近を走っているときや窓のあるセッション会場、プレスセンターやホテルの客室では下り1Mbpsを超える速度でデータ通信が利用できている。
今回、O2という、ドイツではやや地味なポジションにある携帯電話事業者を選んだのは、プリペイドで唯一定額の料金プランが“紹介された”こともあるけれど、それ以上に、言葉の不自由な記者に根気強くていねいに説明してくれたショップスタッフの姿勢が記者にO2を選ばせた理由といってもいい。
もし、日本からハノーバーを訪れてプリペイドのSIMカード、または携帯電話の購入を考えているならば、試しに、ゲオルク通りとシラー通り、そしてカナル通りが交わる広場に面したO2の直営オフィスに足を運んでみるといいだろう。今回、記者のほかにも数人の日本人がここで同じプランを契約しているので、日本人の対応にも慣れている、はずだ。
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